<セシウム汚染>肉牛 部位により濃度差 統一指針必要に
毎日新聞 7月31日(日)10時58分配信


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肉牛のセシウム濃度を調べるため、枝肉からサンプルを集める職員ら=宇都宮市の栃木県畜産公社で2011年7月28日、木葉健二撮影
 福島第1原発事故の影響で放射性セシウムに汚染された肉牛が見つかった問題で、同じ1頭の牛でも部位などにより検出値の違いが出るケースが指摘されている。専門家も「セシウム濃度は部位により異なる」と説明している。各自治体が今後踏み切る全頭検査の信頼性を高めるため、国は検査の統一指針づくりを迫られそうだ。【吉永康朗、井上英介、石川隆宣】

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 宮城県は28日、1頭の牛の肉で、部位によって国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超えたり、下回る検査結果が出たことを明らかにした。

 この牛は仙台市内で6月21日に解体され、肩肉(二十数キロ)が流通した横浜市が検査した結果、規制値未満の380ベクレルだった。ところが、もも肉(37・7キロ)の流通先の北海道が肉を調べたところ、530ベクレルを示した。

 宮城県から6月1日、東京都内に出荷された、別の牛の肉では同じ部位で検査値の食い違いがあった。都内の食肉卸業者が、この牛の肩肉(12.9キロ)を自主検査し、1150ベクレルを検出。しかし川崎市が、この肩肉の残りを調べたところ、618ベクレルだった。

 県によると、この4件の検査ともゲルマニウム半導体検出器を使っていた。県は「精密に調べられるもので、機器に問題はない」と話す。ただ、課題は検査手法の統一基準がない点で、県は「検査した肉の部分がどのくらいの脂肪分を含んでいるかや、肉の詰め方で結果に差が出る」と説明する。

 自治体が今後、全頭検査に相次いで踏み切るのに先立ち、厚生労働省は29日、検査の基本方針を発表した。ゲルマニウム半導体検出器より短時間で調べられる簡易測定機器の使用を認めるなどの内容だが、調べる部位には言及していない。

 厚労省は検出値のばらつきは把握しているが、「これまでの例ではセシウムは筋肉に均質に蓄積するとされている。全頭検査を重ねて適切な対処方法を見つけていくしかない」(監視安全課)と説明。各自治体には、同じ牛で1カ所でも規制値を超える部位が見つかれば、全量を出荷停止するよう求めている。

最終更新:7月31日(日)12時28分

これもキチンとしとなかいと後々厄介な問題になりかねないと思うが。
何せ我々が普段食べる牛肉な訳だし、きちんと監視しておかないとまた偽装して市場に出回らないとも限らない。
そう言った意味でもきちんとした基準で管理が必要と思われるが。

暗黒の稲妻