女性暴行、逆転無罪 最高裁「被害者の供述不自然」
産経新聞 7月26日(火)7時56分配信

 千葉市内で当時18歳の女性を乱暴したとして、強姦(ごうかん)罪に問われ、無罪を主張していた配送業の男性被告(53)の上告審判決で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は25日、「被害者の供述には不自然な点がある」と判断し、懲役4年とした1、2審判決を破棄、逆転無罪を言い渡した。無罪が確定する。最高裁が2審の事実認定を覆し、無罪を言い渡すのは珍しい。

 男性は平成18年12月、千葉市内の路上で通行中の女性に「ついてこないと殺すぞ」などと脅して約80メートル離れたビルの外階段まで連れ出し、乱暴したとして逮捕、起訴された。1審千葉地裁、2審東京高裁は被害者の女性の供述を有罪の根拠とした。

 同小法廷は判決で「客観的な証拠はなく、起訴内容の基になるのは被害を訴えた女性の供述だけで、信用性の判断は特に慎重に行う必要がある」と指摘。人通りがある路上で逃げることが可能だったのに男性についていった点や、直前に警備員が後ろを通りかかったのに助けを求めなかった点などを挙げ、「被害者の供述は不自然であって容易には信じがたい」とした。

 裁判官4人のうち3人の多数意見で、古田佑紀裁判官(検察官出身)は「1、2審判決に不合理な点はない」とする反対意見をつけた。

 最高検の大鶴基成公判部長は「被害者供述の信用性が否定されたのは遺憾だが、最高裁の判断であり、真摯(しんし)に受け止めたい」とのコメントを出した。

最終更新:7月26日(火)11時36分

客観的証拠がなく自白だけで裁判を行ったのだろうか。
今後の裁判にも少なからずとも影響は出そうだ。

暗黒の稲妻