<ロシア>市の面積2.4倍にする「大モスクワ構想」
毎日新聞 7月21日(木)13時24分配信


拡大写真
「大モスクワ」構想の予定図
 【モスクワ田中洋之】「世界最悪」の交通渋滞に悩むロシア・モスクワの市域面積を約2.4倍に拡大し、中心部のクレムリンとその周辺に集中している政府機能を郊外部に移す構想が明らかになった。

 モスクワはこれまでクレムリンを中心に同心円状に成長してきたが、政治・経済の拠点を郊外に移すのは初めての試み。都市問題を解消し、「大モスクワ」としてさらなる成長を目指すのが狙いで、実現には20年近くかかるとみられている。

 首都拡大はメドベージェフ大統領が6月に方針を示し、ソビャニン・モスクワ市長らが7月11日に具体案を提示した。

 計画によると、現在のモスクワ市(面積10万7000ヘクタール)の南西側に隣接する14万4000ヘクタールの土地をモスクワ州から市に移管する。全体の形状は今の円形から前方後円墳のようになる。

 新たな区域には大統領府や首相府はじめ政府省庁や議会ビルなどを移設し、大統領が提唱している国際金融センターが新設されるほか、200万人分の住居も整備される。

 人口約1160万人の巨大都市モスクワは市内の渋滞時間が1日平均2.5時間で世界最悪とされる。また物価や住居費が高く、世界主要都市の生活費ランキングでも常に上位に入っている。市当局は「面積拡大で人口密度が今の半分になり、快適に生活できるようになる」と話す。一方、費用は用地整備だけで10億ドル(約790億円)以上かかるとみられ、今後の開発ラッシュで一層の地価上昇を懸念する声もある。

 古くからロシアの中心だったモスクワは、1712年にサンクトペテルブルクに首都の座を譲ったが、ロシア革命後の1918年から再び首都となった。

最終更新:7月21日(木)13時41分

この記事の写真見ると何となく前方後円墳に思えるのは気のせい?(笑。

暗黒の稲妻