スイカから酢と酒 血流改善や動脈硬化の予防効果期待
読売新聞(ヨミドクター) 7月15日(金)12時34分配信


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シトルリンを多く含む「スイカ酢」(左)と「スイカ酒」(鳥取市の県産業技術センターで)
 スイカの果汁から「スイカ酒」や「スイカ酢」を造る醸造法の開発に、県産業技術センター(鳥取市)が成功した。

 血流改善や動脈硬化の予防に効果があるとされるアミノ酸の一種で、スイカに多く含まれる「シトルリン」をほとんど失わずに発酵させられるのがポイントだ。

 県はスイカの生産量が全国4位(2009年)の一大産地。大半が生で食べられており、今後は加工品の開発や規格外の果実の有効利用につながることが期待される。

 シトルリンはウリ科の植物に含まれ、中でもスイカの含有量はメロンの3・6倍、キュウリの19倍と際立って多い。保健機能食品への応用を視野に特産品の使途を広げようと、同センターの西尾昭・発酵生産科長(48)が2008年4月から醸造法の研究を続けていた。

 当初はワインや清酒に使われる一般的な酵母で醸造したが、発酵する間に酵母がつくる別のアミノ酸の影響で、果汁のシトルリンの3割程度が失われるのが難点だった。そこで、西尾科長は微生物資源を収集している独立行政法人・製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター(千葉県木更津市)から余分なアミノ酸を作らない酵母8種類を取り寄せて醸造。その結果、酒や酢に残るシトルリンの割合が9割にまで高まり、昨年1月、これらの酵母を使う醸造法を特許申請した。

 出来上がった酒と酢は透き通った黄色だが、濾過(ろか)方法を工夫すれば、スイカの赤い色素を残すことも可能。酒はアルコール度5~6%。ウリ科ならではの風味と香りが漂う。酢には黒酢と同等の血圧低下効果があり、健康飲料やドレッシングに使えるという。

 研究成果は8月26日、県立産業体育館(鳥取市)で開かれる「山陰発技術シーズ発表会inとっとり」で発表し、県内企業に商品化を促す。

 西尾科長は「健康ブームを追い風に、スイカ由来のシトルリンをアピールする食品をつくり出してほしい」と願っている。(野口英彦)

最終更新:7月15日(金)12時34分

西瓜は夏よく他ベルけど・・。
へぇ何気に凄いなぁ。
更なる研究頑張ってください。

暗黒の稲妻