震災後、温泉地に異変…源泉空っぽ・変色・噴出
読売新聞 7月15日(金)15時33分配信
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福島県いわき市の旧炭坑の排気口からわき出した「温泉」=松本剛撮影
東日本大震災の後、各地の温泉地で「異変」が起きている。
急に湯が出なくなったり、温度や色が変わったりし、廃業した温泉旅館もある。一方で、住宅近くで突然、湯がわき出たケースも。地殻変動が原因とみられるが、自噴が止まった温泉への救済措置はなく、支援を求める声も出ている。
新潟県弥彦村にある「観音寺温泉」で老舗旅館「長生(ちょうせい)館」を経営していた中村一彦さん(54)は3月11日の地震直後、源泉の井戸をのぞいて驚いた。湯があるはずの井戸は空っぽ。検査で再び湯が出る可能性は低いと分かり、3月末に廃業した。「お客さんに申し訳なかった」と中村さん。
源泉は、所有者の中村さんを含め5軒の旅館が利用していた。その一つ「上州苑」は旅館裏で昔使っていた湧泉で代用したが、昔より成分が薄まり、温泉法で言う「温泉」には該当せず、「温泉」の看板を下ろして旅館を営む。ただ「柔らかい湯で気持ちいい」と好評だとか。他の旅館も数百万円かけて別の源泉に切り替えるなどしたという。
山形県大江町の産業振興公社が経営する温泉宿泊施設「柳川温泉」も自噴が止まった。宿泊施設のみで営業するも「利用者はあまりいない」(同町)。新たな源泉掘削を始めた町は「国や県の支援を」と訴える。
秋田県北秋田市森吉の一軒宿「杣(そま)温泉旅館」も自噴が止まって一時休業した。江戸時代の紀行家・菅江真澄も訪れたという「秘湯」を残そうと、約100万円でポンプを付けて営業再開。30度台まで下がった温度も徐々に以前の52~53度に戻った。主人の杣正則さん(66)は「一時は頭の中が真っ白になった」と振り返る。
茨城県大子町の日帰り入浴施設「袋田温泉関所の湯」は無色透明の湯が乳白色に。「肌がつるつるになる」と評判を呼び、客が増えた。温泉開発業者は「原因不明だが、地震で地下の取水口の地層近くに粘土層が入り込んだのでは」。ただ、日に日に元の透明に近づいており、施設側は「このまま濁っていればとも思う」。
福島県いわき市泉玉露の住宅街から20~30メートル離れた空き地。4月11、12日にいずれも震度6弱を記録した余震後、炭坑跡の排気口を覆う円筒形コンクリート(直径約10メートル)から湯があふれ出た。約55度で、1日数千トン。旧炭鉱管理会社は湯の誘導路を作るなどして住宅への流入を防いでいる。同社によると、排気口は地下約600メートルの炭坑跡に通じているという。
最終更新:7月15日(金)15時33分
そういえば阪神大震災の前月が赤かったのを目撃した事あったけどあの後あのでかい地震。
やはり関係はあったんだろうね。
暗黒の稲妻
読売新聞 7月15日(金)15時33分配信

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福島県いわき市の旧炭坑の排気口からわき出した「温泉」=松本剛撮影
東日本大震災の後、各地の温泉地で「異変」が起きている。
急に湯が出なくなったり、温度や色が変わったりし、廃業した温泉旅館もある。一方で、住宅近くで突然、湯がわき出たケースも。地殻変動が原因とみられるが、自噴が止まった温泉への救済措置はなく、支援を求める声も出ている。
新潟県弥彦村にある「観音寺温泉」で老舗旅館「長生(ちょうせい)館」を経営していた中村一彦さん(54)は3月11日の地震直後、源泉の井戸をのぞいて驚いた。湯があるはずの井戸は空っぽ。検査で再び湯が出る可能性は低いと分かり、3月末に廃業した。「お客さんに申し訳なかった」と中村さん。
源泉は、所有者の中村さんを含め5軒の旅館が利用していた。その一つ「上州苑」は旅館裏で昔使っていた湧泉で代用したが、昔より成分が薄まり、温泉法で言う「温泉」には該当せず、「温泉」の看板を下ろして旅館を営む。ただ「柔らかい湯で気持ちいい」と好評だとか。他の旅館も数百万円かけて別の源泉に切り替えるなどしたという。
山形県大江町の産業振興公社が経営する温泉宿泊施設「柳川温泉」も自噴が止まった。宿泊施設のみで営業するも「利用者はあまりいない」(同町)。新たな源泉掘削を始めた町は「国や県の支援を」と訴える。
秋田県北秋田市森吉の一軒宿「杣(そま)温泉旅館」も自噴が止まって一時休業した。江戸時代の紀行家・菅江真澄も訪れたという「秘湯」を残そうと、約100万円でポンプを付けて営業再開。30度台まで下がった温度も徐々に以前の52~53度に戻った。主人の杣正則さん(66)は「一時は頭の中が真っ白になった」と振り返る。
茨城県大子町の日帰り入浴施設「袋田温泉関所の湯」は無色透明の湯が乳白色に。「肌がつるつるになる」と評判を呼び、客が増えた。温泉開発業者は「原因不明だが、地震で地下の取水口の地層近くに粘土層が入り込んだのでは」。ただ、日に日に元の透明に近づいており、施設側は「このまま濁っていればとも思う」。
福島県いわき市泉玉露の住宅街から20~30メートル離れた空き地。4月11、12日にいずれも震度6弱を記録した余震後、炭坑跡の排気口を覆う円筒形コンクリート(直径約10メートル)から湯があふれ出た。約55度で、1日数千トン。旧炭鉱管理会社は湯の誘導路を作るなどして住宅への流入を防いでいる。同社によると、排気口は地下約600メートルの炭坑跡に通じているという。
最終更新:7月15日(金)15時33分
そういえば阪神大震災の前月が赤かったのを目撃した事あったけどあの後あのでかい地震。
やはり関係はあったんだろうね。
暗黒の稲妻