<成長率>日銀、0%台前半に下方修正を検討
毎日新聞 7月2日(土)2時30分配信

 日銀は1日、11年度の国内総生産(GDP)の実質成長率見通しを4月時点の0.6%から0%台前半に下方修正する方向で検討に入った。同日発表した6月の企業短期経済観測調査(日銀短観)で大企業・製造業の景況感が1年3カ月ぶりにマイナスに転じたことも踏まえ、東日本大震災直後の経済の落ち込みが当初予想より大きいと判断した。今月11、12日に開く金融政策決定会合で議論し、11年度の成長率見通しを下方修正する公算。

 日銀は4月に発表した景気や物価の先行きを示す「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、震災の影響を反映させて、11年度成長率予測を1月時点の1.6%から0.6%に大幅に下方修正していた。

 しかし、その後、6月上旬に発表された11年1~3月期のGDPの実質成長率(2次速報)は年率換算で3.5%減と、市場の事前予想(2%減程度)を大きくしのぐ落ち込みぶりを示した。震災によるサプライチェーン(部品供給網)寸断の影響などを背景に4~6月期もマイナス成長となる公算が大きく、日銀は11年度の成長率見通しを再び下方修正する方向となった。

 ただ、6月短観では足元の景況感が大幅に悪化した自動車などの業種も先行きは改善を示した。サプライチェーンの復旧で7月以降は生産も大幅に回復する見込み。このため、日銀で日本経済が秋以降に緩やかな回復に向かうとの基本的な景気シナリオは維持する方針だ。【谷川貴史】

最終更新:7月2日(土)2時51分

 日銀は11年度の国内総生産(GDP)の実質成長率見通しを4月時点の0.6%から0%台前半に下方修正する方向で検討に入ったという記事。

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