Androidスマホより便利! 「Windows 7ケータイ F-07C」は仕事にどこまで使えるか?
nikkei TRENDYnet 6月24日(金)11時3分配信


NTTドコモの「Windows 7ケータイ F-07C」(富士通製)は、スマートフォンサイズのボディーにWindows 7パソコンとiモードケータイを搭載した異色の携帯電話だ。iモードケータイとしてもパソコンとしても使える。ビジネスパーソン...
 NTTドコモの「Windows 7ケータイ F-07C」(富士通製)は、スマートフォンサイズのボディーにWindows 7パソコンとiモードケータイを搭載した異色の携帯電話だ。iモードケータイとしてもパソコンとしても使える。ビジネスパーソンがよく利用する携帯電話とパソコンを組み合わせた携帯電話だ。Windowsパソコンとしての実力はどれほどなのか、仕事にどれだけ使えるのか。気になる点をチェックしてみよう。

【詳細画像または表】

 なお、今回は発売前の試作機を使ってテストしている。細部の仕様や動作速度が製品版と異なる可能性があることをお断りしておきたい。

Windowsパソコンとしては世界最小

 携帯電話としては大きくて厚みがある。それでも軽くて幅がないので、手の小さな筆者でも片手で問題なく使える。Windowsパソコンとして使うときは、画面が横向きで固定されるので、両手で使うことになる。携帯電話として使うときは、縦横どちらの向きでも利用できる。

 キーボードをスライドさせていない状態のサイズは、約125(H)×61(W)×19.8(D)mm。重さは約218gだ。アップルのスマートフォン「iPhone 4」と比べると平面サイズに差はあまりないが、厚みは2倍近くある(下写真)。

 Windows 7を搭載したパソコンとして見ると驚異的な軽さだ。例えば同社が2010年に発売したモバイルノートの「LOOX U」シリーズの重さは約495g。1/2以下の軽さになっている。富士通によると、Windows 7を搭載するパソコンとしては世界最小という。

Windows 7モードとケータイモードを切り換えて使う

 F-07Cは、内部にパソコンとしてのハードウエアと携帯電話としてのハードウエアをそれぞれ独立して持っている。Windows 7と携帯電話のOSは同時に起動しており、ディスプレイの表示をどちらかに切り換えて利用する。Windows 7利用中に電話がかかってきたときは、バックグラウンドで動作している携帯電話用OSが受信して、電話に切り換えて通話できる。

 注意したいのは、「Windows 7モード」で利用できる機能と「ケータイモード」で利用できる機能の違いだ。例えばBluetooth、GPS、約510万画素の外側のカメラはケータイモードでのみ利用可能だ。無線LANはWindows 7モードのときだけ使える。記憶装置もパソコン用と携帯電話用で分かれている。microSDカードはどちらからも利用可能になっていて、パソコン側と携帯電話側でデータを交換したい場合にはmicroSDカードに保存すればよい。

拡張性は最小限

 パソコンとしては非常に小さいこともあり、端子類は少ない。本体には、別売のクレードルとの接続端子、microUSB端子、USB端子を備える。USB端子はホスト機能をサポートしていないので、USBメモリーやHDDを接続して利用することはできない。

 別売のクレードルを取り付けると、4つのUSB端子、HDMI出力を利用できるようになる。薄型テレビなどのディスプレイを接続してプレゼンテーションに利用したり、プリンターを接続して印刷したりできる。F-07Cを購入するなら、セットでこちらも購入しておきたい。クレードルには充電機能もある。

 背面のカバーを外してバッテリーを外すと、microSDカードとSIMカードスロットがある。本体の記憶容量は32GB。そのうち約8GBはバックアップデータ用になっている。データ保存に使える容量は少ないので、大容量のmicroSDHCカードを合わせて購入するとよいだろう。

小さいながらも解像度の高い液晶ディスプレイ

 液晶ディスプレイは4型ワイド。解像度は1024×600ドットだ。サイズはNTTドコモの「MEDIAS WP N-06C」(NECカシオモバイルコミュニケーションズ製)など少し大きめのスマートフォンと同程度。解像度はネットブック並みだ。小型液晶ながらかなり高精細なものになっている。

 画質は、明るさ、コントラスト、発色いずれも良好で画質に不満は感じられない。タッチパネル液晶で、タッチ操作時の感度は良好だ。

操作はキーボードとトラックボール

 液晶部分をスライドさせると、パソコンと同じQWERTYキーボードが現れる。ここまで小さなキーボードで入力できるWindows 7パソコンはF-07Cぐらいだ。

 キーボードはボタン式だが、適度な固さで押しやすい。本体が小さいためキー配列はやや特殊だが、さほど苦労することなく慣れた。両手で持って親指で入力するスタイルだが、かなり素早い入力もできる。長文を入力したい人には、ソフトウエアキーボードやテンキーよりもQWERTYキーボードの方がずっと入力しやすいだろう。バックライト付きで、暗い場所でも入力しやすくなっている。

 ポインティングデバイスは、小型のトラックボールを右側に備えている。ボールを押し込むとクリックが可能だ。それとは別に、キーボード左上に左クリックボタンも備えている。画面に直接タッチして操作することも可能だ。パソコンとしては超小型ながら操作性は良好だ。

小さい画面でも使いやすい独自UI「タッチコンソール」

 Windows 7モードで利用するときは、通常のWindows 7のデスクトップのほかに、独自のユーザーインターフェース(UI)「タッチコンソール」が使える。通常のデスクトップとの切り替えは本体側面の切り替えボタンですぐにできる。

 タッチコンソールは、アイコンを見やすいサイズで表示し、よく使うソフトや実行中のソフトを一覧できるUIだ。面白いのは画面が3画面用意されていること。Androidスマートフォンのホーム画面のように画面を横にスライドさせて切り替えられる。

 Windows 7の通常のデスクトップも利用できるが、ディスプレイが小さく、文字やアイコンの表示が非常に細かくなるので、タッチコンソールの方が使いやすい。

 Internet Explorer 9、Office Personal 2010(2年間ライセンス版)が付属する。小さいながらもExcel、Outlook、Wordが利用可能だ。国語辞典や英和・和英辞書などの電子辞書ソフトも付属する。

処理性能はネットブック未満

 前述したように、内部にはパソコン用のハードウエアと、携帯電話用ハードウエアの両方を搭載している。パソコン用のCPUはAtom Z600で、クロック周波数を600MHzに落として利用している。メモリーは1GBで増設はできない。記憶装置は32GBのSSDだ。Windows 7モードのときの通信機能は、IEEE802.11b/g/n対応無線LANのほかに、3G回線による通信ができる。

 処理性能はお世辞にも高いとは言えず、ネットブックより低い。そもそも小型であることに意味のある製品であり、処理性能を求める機種ではない。筆者はWindows VistaがプリインストールされたAtom搭載のLOOX Uを使っていたが、それに比べれば実用的な体感速度でWindows 7を利用できる。何よりも、OfficeソフトやWindows用ソフトが使えるフル機能のWindowsパソコンを、携帯電話サイズで持ち歩けることが最大のメリットだ。

 処理性能よりも気になったのはバッテリー駆動時間だ。カタログ値では約2時間となっているが、Windowsパソコンの場合、実利用ではその半分程度になることが多い。実際の利用ではこれより短い1時間前後になりそうだ。仕事上の文章の作成やメールのチェックなどを1時間で済ませないといけないのはなかなか難しい。携帯電話として使う場合は、連続待ち受けが約600時間となっている。

携帯電話とパソコンはボタンひとつで切り替え

 Windows 7モードとケータイモードの切り替えは、側面にある切り替えボタンを押すだけ。ケータイモードで使っているとWindows 7はスリープ状態になる。長時間、ケータイモードで利用してから切り替えると、スリープから復帰するのに時間がかかる。すぐパソコンモードに切り替える場合は、10秒もかからずに切り換えられる。

 携帯電話としては、ごく普通のiモードケータイだ。ワンセグと防水には対応していないが、おサイフケータイなどNTTドコモの主要なサービスには対応している。

手のひらサイズで持ち歩けるWindowsパソコン

 F-07CはWindowsパソコンと携帯電話の両方の機能を内蔵しているのが特徴だが、やはり世界最小のWindows 7パソコンというところに意味のある製品だ。一般的なモバイルノートに比べて非常にコンパクトで、外出先や移動中にサっと取り出してWindows用のソフトが使える。処理性能は低いが、ファイルの閲覧程度なら仕事用にも十分使える。コンパクトさとのトレードオフで割り切って利用するべきだろう。難点はバッテリー駆動時間が短いことだが、ACアダプターを一緒に持ち歩くか、予備バッテリーを購入するなどで対応するしかない。

 ライバル製品はAndroidスマートフォンだ。スマートフォンの場合、会社や自宅のWindowsパソコンで作ったデータをそのまま扱うのは難しい。アプリを駆使すれば、閲覧したり編集したりできるが、そのままは扱えない。F-07Cは、Windows 7パソコンなので、オンラインストレージなどを介してデータをそのまま読み込み、作成に使ったものと同じソフトを使って閲覧や編集ができる。ここが大きな強みになる。クレードルを利用すれば、Windows 7に対応した外部ディスプレイやプリンターなどの周辺機器をそのまま利用できる。これもスマートフォンにはない大きなメリットだ。

(文/湯浅英夫)

最終更新:6月24日(金)11時3分

まぁこの手に拡張性を求めるのは酷だと思うが・・。
もし仮に使うなら現物見て暫く弄ってみてからになるだろうね。
何か字がちっさくてという気がしてしまうんだが・・。
もし使える様ならPCを持ち歩く必要性は無くなる訳だし・・。

暗黒の稲妻