<イエメン>サレハ大統領の帰国めぐり情報が錯綜
毎日新聞 6月17日(金)22時51分配信

 【カイロ和田浩明】AFP通信によると、サウジアラビア政府高官は17日、サウジで治療中のサレハ・イエメン大統領は帰国しないと述べた。イエメンの情報筋も毎日新聞に、「サウジ当局者が同趣旨の発言をした」と語った。サレハ氏の状態は「深刻で、胸部に残る破片摘出で5回手術を受けたとの情報がある」という。

 イエメン大統領府報道官は取材に「大統領は帰国する。帰国しないというのは反体制勢力のデマだ」と主張しており、情報は錯綜(さくそう)している。

 サレハ大統領は民主化要求勢力や有力部族の退陣要求に直面している。3日に首都サヌアの大統領府への攻撃で負傷しサウジの首都リヤドで治療を受けている。サウジが主導する湾岸協力会議(GCC)や欧米が権力移譲案の受け入れを求めているが、サレハ氏は拒否。4日の出国前には有力部族長の支持者と政府軍の間で戦闘が発生していた。

 GCCを主導しサレハ政権の後ろ盾だったサウジ政府にとっては、サレハ氏が帰国しなければ、自らが提示した権力移譲案が実現する形になる。だが、サレハ氏の容体について、イエメン政府は「順調に回復中」と主張。イエメン国内では軍や治安機関を押さえる親族らが退陣に強硬に反対している。

 サレハ氏の出国後、南部地域で民主化を求めるデモ隊や国際テロ組織アルカイダ系と見られる武装集団が、軍や治安部隊と断続的に衝突しており治安は改善していない。

 サレハ氏は米国が主導する対テロ戦争で、イエメンに本拠を置く国際テロ組織アルカイダ系の「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」の掃討に協力してきた。同氏の退陣はAQAPの活動を活発化させるとの懸念は米欧を中心に根強い。

最終更新:6月18日(土)1時16分

何だろうな、この情報操作にもにか感じは。
混乱のドサクサに紛れて何か起きなければいいのだが。

暗黒の稲妻