数百年分のエネルギー放出 国土地理院がGPSデータ解析
産経新聞 6月16日(木)2時4分配信

 東日本大震災の巨大地震では、過去数百年にわたってプレート(岩板)境界に蓄積されたひずみエネルギーが放出されたことを、国土地理院の研究チームがGPS(衛星利用測位システム)による地殻変動データの解析で示し、16日付の英科学誌「ネイチャー」に発表した。

 研究チームは、マグニチュード(M)9.0の本震とその後の余震による地面の変動を、GPSの観測データをもとに解析。その結果、本震でプレート境界が大きくすべった範囲(震源域)は、日本海溝寄りの領域を中心に南北400キロに及び、すべり量は最大で27メートルだった。

 東北地方の太平洋沖では、太平洋プレートが北米プレートの下に年間7.3~7.8センチの割合で沈み込んでいる。この領域では数十年から100年程度の周期でM7~8クラスの地震が発生するが、これらを足し合わせても沈み込みで蓄積されるエネルギーの10~20%しか放出されないことが知られていた。

 研究チームの今給黎(いまきいれ)哲郎・地理地殻活動総括研究官は「残りの80~90%は、プレート境界が常時すべることで解放されているという考えが、大震災前は主流だった。実際には日本海溝寄りにエネルギーをため込む領域が存在し、今回の大震災では数百年分が一気に解放された」と説明。また、海底のGPS観測網を充実させれば、他の海溝系でも巨大地震の発生可能性などの評価に役立つとしている。

最終更新:6月16日(木)13時3分

地震が減ってくれるなら言う事は無いのだが・・。

暗黒の稲妻