トルコ総選挙で与党勝利、憲法改正に必要な議席は確保できず
ロイター 6月13日(月)9時23分配信
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6月12日、トルコの総選挙で、与党の公正発展党が50%近い得票率を獲得し、勝利を収めた。写真はエルドアン首相(2011年 ロイター/Umit Bektas)
[アンカラ 12日 ロイター] 12日行われたトルコの総選挙で、与党の公正発展党(AKP)が50%近い得票率を獲得し、勝利を収めた。しかし、憲法改正に必要な議席は確保できず、AKPは憲法改正をめぐって他党との妥協を迫られることになった。
投票数の99.7%に基づく暫定集計では、AKPは550議席のうち325議席を獲得。得票率は49.9%だった。改選前の331議席からわずかに後退したが、政権は維持した。
一方、中道左派の共和人民党(CHP)は25.9%、右派の民族主義者行動党(MHP)は13%の得票率となった。
選挙管理委員会は数日中に正式な開票結果を発表する。
今回の選挙結果を受け、エルドアン首相率いるAKPによる単独政権は3期目に入ることになるが、30年前に制定された憲法の改正を目指していたエルドアン首相は、他党との交渉が必要となった。
エルドアン首相は支持者に向け勝利宣言し、「国民はわれわれに対し、コンセンサスや交渉を通じて新たな憲法を作り上げるべきだというメッセージを送った。われわれは他の政党と新憲法について協議する」と述べた。
金融市場は今回の選挙結果を好感しており、通貨リラは13日アジア時間序盤の取引で上昇。アナリストは、対米ドルでさらに上昇余地があるとみている。
リスクコンサルティング会社ユーラシア・グループのウォルファンゴ・ピコリ氏は「市場にとって、選挙結果はベストシナリオのようだ。AKPが単独で過半数の議席を維持する一方で、憲法改正に必要な330議席を確保できなかったため、AKPは他党と交渉しなければならなくなる。その結果、分裂がさらに拡大するリスクが薄れた」と述べた。
最終更新:6月13日(月)9時27分
欧米目線で見るトルコという国はイスラムが中心の国家の中でも、その法体制から気になる存在だろう。
このトルコがこれからどんな道のりを歩んでいくかというのは、他のイスラム諸国の方向性にも少なからず影響してくるだろうし、そういう意味で安定・発展を進めていってほしい国の一つだと思うが。
暗黒の稲妻
ロイター 6月13日(月)9時23分配信

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6月12日、トルコの総選挙で、与党の公正発展党が50%近い得票率を獲得し、勝利を収めた。写真はエルドアン首相(2011年 ロイター/Umit Bektas)
[アンカラ 12日 ロイター] 12日行われたトルコの総選挙で、与党の公正発展党(AKP)が50%近い得票率を獲得し、勝利を収めた。しかし、憲法改正に必要な議席は確保できず、AKPは憲法改正をめぐって他党との妥協を迫られることになった。
投票数の99.7%に基づく暫定集計では、AKPは550議席のうち325議席を獲得。得票率は49.9%だった。改選前の331議席からわずかに後退したが、政権は維持した。
一方、中道左派の共和人民党(CHP)は25.9%、右派の民族主義者行動党(MHP)は13%の得票率となった。
選挙管理委員会は数日中に正式な開票結果を発表する。
今回の選挙結果を受け、エルドアン首相率いるAKPによる単独政権は3期目に入ることになるが、30年前に制定された憲法の改正を目指していたエルドアン首相は、他党との交渉が必要となった。
エルドアン首相は支持者に向け勝利宣言し、「国民はわれわれに対し、コンセンサスや交渉を通じて新たな憲法を作り上げるべきだというメッセージを送った。われわれは他の政党と新憲法について協議する」と述べた。
金融市場は今回の選挙結果を好感しており、通貨リラは13日アジア時間序盤の取引で上昇。アナリストは、対米ドルでさらに上昇余地があるとみている。
リスクコンサルティング会社ユーラシア・グループのウォルファンゴ・ピコリ氏は「市場にとって、選挙結果はベストシナリオのようだ。AKPが単独で過半数の議席を維持する一方で、憲法改正に必要な330議席を確保できなかったため、AKPは他党と交渉しなければならなくなる。その結果、分裂がさらに拡大するリスクが薄れた」と述べた。
最終更新:6月13日(月)9時27分
欧米目線で見るトルコという国はイスラムが中心の国家の中でも、その法体制から気になる存在だろう。
このトルコがこれからどんな道のりを歩んでいくかというのは、他のイスラム諸国の方向性にも少なからず影響してくるだろうし、そういう意味で安定・発展を進めていってほしい国の一つだと思うが。
暗黒の稲妻