汚染水浄化システム試運転開始 悪循環食い止め間近も工程は綱渡り
産経新聞 6月5日(日)21時35分配信
東京電力は5日、福島第1原発の原子炉建屋やタービン建屋の地下などにたまっている汚染水を浄化するシステムの試運転を始めた。水が漏洩(ろうえい)しないかなどを調べ、問題がないと確認されれば今月15日にも本格稼働を開始する。
この日は油分離装置と塩分除去装置に水を入れて漏水検査を実施。さらに、除染装置に海水を入れた試運転に着手した。
また、3号機の汚染水の移送先である集中廃棄物処理施設が許容量に達し移送を中断していた問題で、東電は5日、3号機タービン建屋地下の汚染水を建屋内の復水器に移す作業を開始した。復水器は発電に使った水蒸気を冷やし水に戻す装置。事故後は使用されておらず、汚染水の一時的な保管場所として活用する。
一方、東電は4日に1~4号機の周辺で計測したがれきなどの放射線量を公表。最大は3号機原子炉建屋西側で見つかったコンクリート片で、毎時950ミリシーベルトだった。また、福島第1原発で作業をしていた40代の男性2人が体調不良を訴え、病院に搬送された。意識はあり、体に放射性物質は付着しておらず、脱水症とみられる。
福島第1原発で汚染水浄化システムの試運転が始まり、本格稼働に向けた準備は最終段階に入った。4段階の処理を経て放射性物質の濃度を1千~1万分の1まで下げる仕組みで、15日の本格稼働を目指す。しかし、不測の事態で稼働時期が遅れたり、大雨で汚染水が増えれば、汚染水が外部に漏れ出す危険性もあり、システム稼働まで綱渡りの作業は続くことになる。
汚染水は原子炉を冷却するために注水した水が原子炉建屋やタービン建屋などの地下に漏れだして発生。原子炉を冷やそうとすれば、汚染水も増えるという悪循環が続いていた。
汚染水処理システムはその悪循環を食い止めるために導入されるシステム。汚染水を浄化して、再び原子炉に冷却水として戻す仕組みで、東電が原子炉安定冷却のために目指す「循環注水冷却」の根幹となる。
具体的には、「油分離装置」で、原子炉の潤滑油などの不純物を取り除くことから始まる。次にゼオライトという鉱物で放射性セシウムを除去する「セシウム吸着塔」を通過。さらに、特殊な薬品で放射性物質を沈殿させる「除染装置」に移し、最後に「塩分除去装置」で淡水にする。
東電によると、1日に1200トンの処理が可能で、年内に約20万トンの処理を目指す。
ただ、汚染水の処理に伴い、約2千立方メートルの高レベル放射性廃棄物が出る見込みだが、処理方法などは未定で、システム稼働後も課題は山積している。(原子力取材班)
最終更新:6月5日(日)23時18分
東京電力は福島原発の地下に溜まっている汚染水を浄化するシステムの試運転を始める様だ。
これで復旧に向けて本格的な対応が出来る様になれば原発の事故も新たな展開へと進めるのかもしれない。
暗黒の稲妻
産経新聞 6月5日(日)21時35分配信
東京電力は5日、福島第1原発の原子炉建屋やタービン建屋の地下などにたまっている汚染水を浄化するシステムの試運転を始めた。水が漏洩(ろうえい)しないかなどを調べ、問題がないと確認されれば今月15日にも本格稼働を開始する。
この日は油分離装置と塩分除去装置に水を入れて漏水検査を実施。さらに、除染装置に海水を入れた試運転に着手した。
また、3号機の汚染水の移送先である集中廃棄物処理施設が許容量に達し移送を中断していた問題で、東電は5日、3号機タービン建屋地下の汚染水を建屋内の復水器に移す作業を開始した。復水器は発電に使った水蒸気を冷やし水に戻す装置。事故後は使用されておらず、汚染水の一時的な保管場所として活用する。
一方、東電は4日に1~4号機の周辺で計測したがれきなどの放射線量を公表。最大は3号機原子炉建屋西側で見つかったコンクリート片で、毎時950ミリシーベルトだった。また、福島第1原発で作業をしていた40代の男性2人が体調不良を訴え、病院に搬送された。意識はあり、体に放射性物質は付着しておらず、脱水症とみられる。
福島第1原発で汚染水浄化システムの試運転が始まり、本格稼働に向けた準備は最終段階に入った。4段階の処理を経て放射性物質の濃度を1千~1万分の1まで下げる仕組みで、15日の本格稼働を目指す。しかし、不測の事態で稼働時期が遅れたり、大雨で汚染水が増えれば、汚染水が外部に漏れ出す危険性もあり、システム稼働まで綱渡りの作業は続くことになる。
汚染水は原子炉を冷却するために注水した水が原子炉建屋やタービン建屋などの地下に漏れだして発生。原子炉を冷やそうとすれば、汚染水も増えるという悪循環が続いていた。
汚染水処理システムはその悪循環を食い止めるために導入されるシステム。汚染水を浄化して、再び原子炉に冷却水として戻す仕組みで、東電が原子炉安定冷却のために目指す「循環注水冷却」の根幹となる。
具体的には、「油分離装置」で、原子炉の潤滑油などの不純物を取り除くことから始まる。次にゼオライトという鉱物で放射性セシウムを除去する「セシウム吸着塔」を通過。さらに、特殊な薬品で放射性物質を沈殿させる「除染装置」に移し、最後に「塩分除去装置」で淡水にする。
東電によると、1日に1200トンの処理が可能で、年内に約20万トンの処理を目指す。
ただ、汚染水の処理に伴い、約2千立方メートルの高レベル放射性廃棄物が出る見込みだが、処理方法などは未定で、システム稼働後も課題は山積している。(原子力取材班)
最終更新:6月5日(日)23時18分
東京電力は福島原発の地下に溜まっている汚染水を浄化するシステムの試運転を始める様だ。
これで復旧に向けて本格的な対応が出来る様になれば原発の事故も新たな展開へと進めるのかもしれない。
暗黒の稲妻