<イエメン>アルカイダ系組織が南部州都制圧 政府軍を排除
毎日新聞 5月29日(日)19時34分配信

 【カイロ和田浩明】イエメン南部アビヤン州の州都ジンジバルを、国際テロ組織アルカイダ系団体「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」の武装メンバーら約300人が28日までに制圧。AFP通信によると、政府軍を排除し主要政府施設を支配下に置いた。

 イエメンでは野党勢力からの退陣要求に直面するサレハ大統領と反体制派部族が戦闘を行うなど混乱が続いており、その間隙(かんげき)を縫う形でアルカイダが勢力を伸ばしているとみられる。

 ジンジバルではAQAPメンバーやイスラム過激派らが26日から政府軍と交戦し、少なくとも16人が死亡。アビヤン州ではアルカイダ系武装勢力の活動が活発で、3月にも軍と衝突している。

 AQAPはアルカイダ分派組織の中でも最も活動的で、09~10年にかけて米欧を標的にした爆弾テロ未遂事件にも関与。米主導の対テロ戦争に協力してきたサレハ大統領は、「自分が辞めればアルカイダが勢力を拡大しイエメンが破綻国家となる」と主張してきた。

 ジンジバル制圧については、野党勢力が「退陣が混乱を招くとの主張を支えるため、サレハ大統領がAQAPの攻撃を許した」と批判している。

 サレハ氏は22日、湾岸協力会議(GCC)や米欧が仲介した権力移譲案の受け入れを拒否。この後、首都サヌアや周辺部で政府側部隊と反大統領派部族の戦闘が発生したが、現在は一時的に「停戦」が発効している。

最終更新:5月29日(日)20時36分

何か不穏な空気なのだろうか。

暗黒の稲妻