Android3.0搭載のタブレット端末「Optimus Pad L-06C」を試す
+D PC USER 5月24日(火)12時31分配信


製品外観。8.9型ワイド液晶が大きな特徴。解像度は1280×768ドットで、競合となる「XOOM Wi-Fi」の1280×800ドットに比べるとわずかにスリム
 NTTドコモから3月31日に発売された「Optimus Pad L-06C」(以下Optimus Pad)は、Android 3.0を搭載したタブレット端末としては国内初の製品だ。メーカーはLG Electronics Japanで、3G回線を搭載し、spモードなどNTTドコモならではのサービスにも対応している。発売元となるNTTドコモでは、本製品をスマートフォンのひとつとしてラインアップしている。

 同じくAndroid 3.0搭載のタブレットとしては、翌4月にKDDIからモトローラ製の「XOOM Wi-Fi」が発売されているが、ほぼ同時期に発売されたこれら2機種にはどのような共通点、あるいは違いがあるのだろうか。遅ればせながら製品版を使用してみたので、レビューをお届けしたい。

●8.9型液晶、マルチメディア志向の端末

 Optimus Padを手にして驚くのは、これまであまりお目にかかったことがない画面サイズであることだ。タブレットの代表格ともいえるiPadの9.7型に対し、Optimus Padは8.9型。ワイド比率ということもあり、実際に手にとった印象では、iPadと比べ一回り、いや二回りは小さい。フットプリントは約150×243ミリなので、初代iPad(189.7×242.8ミリ)に比べると、横幅はほぼ同じでスリムなボディといえる。

 しかし、重量はかなりずっしりとしている。Optimus Padの重量は約620グラムで、初代のiPad(約730グラム:Wi-Fi+3Gモデル)やXOOM Wi-Fi(約700グラム)に比べると軽量だが、iPad2のWi-Fi+3Gモデル(613グラム)をわずかに上回る。ボディが細長いこともあり、手に持った際は、実際の値以上に重く感じられてしまう印象だ。

 iPad2よりも細長いにもかかわらず重量があるのは、その厚みのためだ。Optimus Padは最厚部で約14.1ミリ、最薄部で12.8ミリと、初代iPad(13.4ミリ)と比較すれば十分に立ち回れる厚さだが、iPad2(8.8ミリ)に比べるとかなり厚い。ちなみに同じAndroid 3.0タブレットであるXOOM Wi-Fiとはほぼ同じ厚みだ。

 ハードウェアスペックは、CPUにデュアルコアで駆動するNVIDIA Tegra2(1GHz)を搭載、RAMは1Gバイトと、XOOM Wi-Fiと同一だ。また、メモリは32Gバイト内蔵しているほか、microHDMI端子を搭載するなど、XOOM Wi-Fiと似通っており、同じリファレンスを基に作られていることがうかがえる。

 ただし、XOOM Wi-Fiとの違いは随所に見られる。分かりやすいところでは、3G回線を搭載していること(XOOMにも3G回線を搭載したモデルが存在するが、国内では販売されていない)。また、背面に約510万画素のデュアルカメラを搭載しており、流行りの3D映像を撮影可能なことも、大きな違いとして挙げられる。また、スピーカーが計3基搭載されており、縦位置でも横位置でもステレオで聴けるというのもユニークで、マルチメディア志向の強いタブレットだといえる。

 このほか、XOOM Wi-FiがBluetooth v2.1なのに対して、Optimus Padはv3.0である点も違いとして挙げられる。その一方でXOOM Wi-Fiで搭載されているmicroSDスロットは用意されていないのだが、本稿執筆時点ではXOOM Wi-FiのmicroSDスロットもまだ利用可能になっていないため、XOOM Wi-Fiとの比較という意味では、評価の決め手にはなりづらい。

●ホーム画面はAndroid 3.0のデフォルトほぼそのまま

 さて、本製品は国内初となる、Android 3.0搭載のタブレットである。改めて説明するまでもないが、Android 3.0は従来のAndroid 2.x系列とは異なり、タブレット向けに新規に設計されたOSである。そのためAndroid 2.x系列を搭載するスマートフォンとは操作性が大きく異なる。

 それが顕著に感じられるのは、画面が横向きの状態が標準的なポジションであるということだ。Android 2.xでは縦向きの画面が基本で、機種によっては横向きにすることも可能だが、その場合はハードウェアとして実装されたホームボタンや戻るボタンなどが、横に移動してしまう欠点があった。

 Android 3.0では、ホームボタンや戻るボタンはソフトウェアキーとして用意されているため、画面のレイアウトを変更しても、常に下段にボタンが配置される。またマルチタスクキーを備えており、アプリ間の切り替えもスムーズに行える。ウィジェットがホーム画面に配置されているほかは、基本的にAndroid 3.0標準の画面のままで、メーカー独自のカスタマイズは最小限にとどめられている。

・初期設定はウィザードで楽々

 電源投入から実際に使えるようになる流れについてざっと見ておこう。

 本体の電源をはじめて投入すると、Android端末に共通する初期設定ウィザードが始まる。すでにGoogleアカウントにひもづけられたAndroid端末があれば、Googleアカウントが認証された時点で従来の端末にインストールされたアプリがまとめてコピーされ、そのまま利用できる。

・Android 2.x系列で動作したアプリも基本的には利用可能

 アプリについては、従来のAndroid 2.x系列で動作したものはほぼそのまま利用できる(Optimus PadはAndroidマーケットのほかドコモマーケットからもアプリをダウンロード可能)。中にはAndroid 3.0上での動作が不安定なアプリもあるが、きちんと動作している限りはOSの違いを意識する機会はほとんどない。せいぜい前述の、ホームボタンや戻るボタンのレイアウトの違いが気になるくらいだ。

・Android 3.0に最適化されたアプリの登場に期待

 ただし、読書端末としての利用も想定している場合は、アプリによっては見開き表示に対応していないことがあるので注意したい。縦向きの単ページ表示で利用するぶんには特に支障はないが、横向きにすると見開きにならないばかりではなく、ページが横幅いっぱいまで表示され、上下にスクロールしないと読めなくなってしまう場合があるからだ。

 電子書籍であっても、本文が横書きであれば、縦スクロールでも違和感なく読めるが、縦書きの電子書籍であれば、いったんページの下までスクロールしてからまたページの上まで戻ってくる格好になり、読み進めるにあたってはおおいに苦痛となる。すでに米Amazon.comの電子書籍リーダーアプリ「Kindle for Android」はAndroid 3.0に最適化されたものがリリースされているが、今後、ほかの電子書籍リーダーアプリでも順次最適化が進むことが期待されるので、そちらに期待したい。

●全体的には高いパフォーマンス、気になるのは……

 次に、実際に使ってみた上での操作性について見ていこう。

 Optimus Padは、デュアルコアCPUであるNVIDIA Tegra2(1GHz)を搭載していることもあるが、タッチ操作による動作は軽快だ。GALAXY TabのようなAndroid 2.x系のタブレットや、Windows 7マシンでのマルチタッチ操作と比べると、その反応の良さは雲泥の差がある。

 ただ、スクロールなどの動作では、スペックが基本的に同一であるはずのXOOM Wi-Fiに比べて若干もたつく印象だ。特にブラウジングではその傾向が顕著で、フリック操作を空振りしたり、指先の動きに画面が追従しないことがまれに起こる。これを筆者の感覚的なものとして無理矢理数値するならば、iPadの反応を100とした場合、XOOM Wi-Fiが90、Optimus Padが70くらいという印象だ。メニュー周りの操作では特に問題が見られないため、個々のアプリとのチューニングが完全ではないのかもしれない。

 なお、Quadrant Professionalを用いたベンチマークの測定結果は以下の通りだ。これを見ると、XOOM Wi-Fiとまったく同じ傾向で、全体的には高いパフォーマンスを示すものの、2Dの性能については、従来のAndroid 2.x系列のスマートフォンなどと大差ない。フルHD動画が撮影できたり、HDMI端子で外部ディスプレイに出力できるといったマルチメディア志向のタブレットであることを考えると、こうした傾向はやや不本意ではあるだろう。もっとも、ハードウェアのスペックそのものが低いというわけでないので、チューニング次第で評価が一変してもおかしくはない。すでに発表されているAndroid 3.1への対応も含め、今後の対応に期待、ということになるだろう。

●「8.9型で3G回線を搭載」が刺さる人向け

 というわけでざっと使ってみたが、個人的にはハードウェアのスペック以上に、他にないサイズであることに魅力を感じた。8.9インチという画面サイズは、iPadの9.7インチよりも小さく、GALAXY Tabの7インチよりも大きい。サイズを主眼に置いてタブレットをチョイスしたいユーザーにとっては、思わぬ伏兵になる可能性はある。

 XOOM Wi-Fiと比較した場合も、このサイズの違いが大きなポイントとなる。ハードウェアスペックが似通っていることもあり、現状だけで決めるのであれば「8.9型で3G回線を搭載するOptimus Pad」「10.1型で3G回線のないXOOM Wi-Fi」というパラメータで、製品を決めても問題ないだろう。

 一方で残念なのが、サイズに比べると厚みがそこそこあること。また前述のようにベンチマークテストで動画再生のパフォーマンスが低い点が挙げられる。後者については今後Android 3.0への最適化によってパフォーマンスが改善されることを期待したい。

 逆に言うと、タブレットの利用目的がはっきりしていて、それが動画再生を中心とした用途なのであれば、アップデートによるパフォーマンス改善の兆候が見られるまでは静観するのも賢明だろう。また、フルHDの動画や3D動画が撮影できるのは楽しいが、それらは本体ディスプレイでは観られず、HDMIでの外部出力が必須になるので、こうしたマルチメディアユースを重視する人は、それらも考慮しておいたほうがよさそうだ。

(eBook USER)
最終更新:5月24日(火)12時31分

欲しいと思う人がいれば購入するだろうね。
稲妻は現段階ではまだそういう感じではないけど。

暗黒の稲妻