地震その時ニコ生は 被災地も取材、「ソース」並べて見えたもの
ITmedia News 5月23日(月)10時26分配信

杉本社長と亀松編集長
東日本大震災の前日、NHKの「クローズアップ現代」がインターネット放送を特集した。NHKスタッフがニコニコ生放送の番組にも出演。ニワンゴの杉本誠司社長らを交え、「テレビとネットの未来」や「放送の役割」を語り合った。「我々にとって大きな1歩だった」と杉本社長は振り返る。
そして3月11日、地震が発生。程なくしてNHKを始めとする各局がニコ生やUstreamでテレビのニュース映像をそのまま流し始めた。思わぬ形で実現したテレビとネットの融合。前日に続き、インターネット放送にとっての新たな1歩が刻まれた日だったのかもしれない。
●杉本社長自らNHKに電話
地震発生時、杉本社長は前日のクローズアップ現代とコラボしたニコ生番組について報告する会議を社内で開いていた。倒れそうになるテレビを支えながら、揺れが収まるのを待ったという。オフィスの別のフロアでは天井が落ちていた。
ビル内にいる全員に避難指示が出たが、ニコニコニュースチームなどはオフィスに残り、地震の速報を掲載するといった対応に追われていた。「滅多にないことが起こっている」――ニコニコニュースの亀松太郎編集長はiPhoneで社内の様子を撮影して回ったという。
午後3時03分。UstreamでNHKの映像を無断で流し始めたユーザーがいた。それを受けてNHKの公式アカウント「@NHK_PR」は「私の独断」と断った上で「人命にかかわることですから、少しでも情報が届く手段があるのでしたら、活用して頂きたく存じます」とつぶやく。
そのやりとりを見て、杉本社長は自らNHKに連絡し、NHKの映像をニコ生で配信したいと相談したという。すると数十分後には許可が出た。ニコ生のコメントを表示できるようにしてもいいか?――「恐る恐る」(杉本社長)尋ねると「現場(ニコ生)の判断に任せる」という回答が返ってきた。
11日のうちにフジテレビからも許可を得て、ニコ生でテレビ映像の配信をスタート。Ustreamでも12日午前1時ごろまでに、TBS、フジテレビ、NHK、テレビ朝日が配信を始めた。NHKのニコ生配信ページには12日深夜までに延べ約210万人がアクセスしたという。
「ニコニコでテレビ映像をそのまま流すことは意味のないことだと以前から言ってきた。(流すにしても)ほかの企画とくっつけたりして差別化したほうがいいんじゃないかと。だが『テレビのないオフィスでネット配信に助けられた』という声を聞き、気付かされることも多かった」と杉本社長は語る。
フジテレビの自己検証番組「新週刊フジテレビ批評」やNHKのクローズアップ現代とのコラボなどを通じ、普段から各局と連携を重ねていたニコ生。杉本社長は「これまでの取り組みが今回このような形でネットとテレビの新しい連携を生むことにつながった」と振り返る。
●24時間会見場に張り付いて 被災地からも配信
ニコ生は積極的に地震関連の取材も重ねている。東京電力や経済産業省の原子力安全・保安院、首相官邸などに出張り、会見をライブ配信。東電と保安院の会見場にはスタッフが半日交代で24時間に張り付いた。地震発生から1カ月間、会見の配信回数は約300回に上った。
ニコ生・ニコニコ動画は、テレビや会見映像、ユーザーの投稿動画など「10件近くのソースが並び、震災情報をキャッチアップできる状態」(杉本社長)に。それだけでは視聴者が「情報過多」(杉本社長)になってしまうが、識者が地震や原発問題を語る独自番組などをニコ生で用意することで、情報を整理・検証して届けられたのではと、杉本社長は胸を張る。
亀松編集長とニコ生中継チームは被災地からもライブ配信した。3月24日には立谷秀清・福島県相馬市長にインタビュー。市の対策会議の様子なども届けた。「生でそのまま流すインタビューは収録とは違う集中力があって、訴える力がある」と亀松編集長は見る。
3月25日には、津波で大きな被害を受けた仙台市若林区を訪問している。家や車が津波で流され、がれきが辺り一面に広がる様子を、車載カメラでとらえ、断続的に1時間ほど配信。「においはどうですか?」など視聴者から寄せられる質問にも答えながら、「被災地がいかに広いか」(亀松編集長)を伝えた。
「1つの地区の映像を30分間流し続けるといったことはテレビではあり得ない。ニコ生だからこそ」と亀松編集長。「マスメディアが伝えないものを伝えることも重要だと思っている。できる範囲でやっていきたい」と意気込む。
「ネットを通していろんなものを提供していく。ユーザーを巻き込んで討論していき、そのひとにとっての最適な解を用意していきたい」。杉本社長は今後の目標をこう語る。ネット上での情報発信と議論の場に――ニコニコはニコニコにしかできないことを見つめていく。
最終更新:5月23日(月)20時14分
テレビはテレビで良いところがあり、ネットはネットで良いところがある。
補完してやっていけば良いのに、一部のテレビ局やメディアは自分達の利権を取られたと勝手に錯覚して批判している気がするのだが。
暗黒の稲妻
ITmedia News 5月23日(月)10時26分配信
杉本社長と亀松編集長
東日本大震災の前日、NHKの「クローズアップ現代」がインターネット放送を特集した。NHKスタッフがニコニコ生放送の番組にも出演。ニワンゴの杉本誠司社長らを交え、「テレビとネットの未来」や「放送の役割」を語り合った。「我々にとって大きな1歩だった」と杉本社長は振り返る。
そして3月11日、地震が発生。程なくしてNHKを始めとする各局がニコ生やUstreamでテレビのニュース映像をそのまま流し始めた。思わぬ形で実現したテレビとネットの融合。前日に続き、インターネット放送にとっての新たな1歩が刻まれた日だったのかもしれない。
●杉本社長自らNHKに電話
地震発生時、杉本社長は前日のクローズアップ現代とコラボしたニコ生番組について報告する会議を社内で開いていた。倒れそうになるテレビを支えながら、揺れが収まるのを待ったという。オフィスの別のフロアでは天井が落ちていた。
ビル内にいる全員に避難指示が出たが、ニコニコニュースチームなどはオフィスに残り、地震の速報を掲載するといった対応に追われていた。「滅多にないことが起こっている」――ニコニコニュースの亀松太郎編集長はiPhoneで社内の様子を撮影して回ったという。
午後3時03分。UstreamでNHKの映像を無断で流し始めたユーザーがいた。それを受けてNHKの公式アカウント「@NHK_PR」は「私の独断」と断った上で「人命にかかわることですから、少しでも情報が届く手段があるのでしたら、活用して頂きたく存じます」とつぶやく。
そのやりとりを見て、杉本社長は自らNHKに連絡し、NHKの映像をニコ生で配信したいと相談したという。すると数十分後には許可が出た。ニコ生のコメントを表示できるようにしてもいいか?――「恐る恐る」(杉本社長)尋ねると「現場(ニコ生)の判断に任せる」という回答が返ってきた。
11日のうちにフジテレビからも許可を得て、ニコ生でテレビ映像の配信をスタート。Ustreamでも12日午前1時ごろまでに、TBS、フジテレビ、NHK、テレビ朝日が配信を始めた。NHKのニコ生配信ページには12日深夜までに延べ約210万人がアクセスしたという。
「ニコニコでテレビ映像をそのまま流すことは意味のないことだと以前から言ってきた。(流すにしても)ほかの企画とくっつけたりして差別化したほうがいいんじゃないかと。だが『テレビのないオフィスでネット配信に助けられた』という声を聞き、気付かされることも多かった」と杉本社長は語る。
フジテレビの自己検証番組「新週刊フジテレビ批評」やNHKのクローズアップ現代とのコラボなどを通じ、普段から各局と連携を重ねていたニコ生。杉本社長は「これまでの取り組みが今回このような形でネットとテレビの新しい連携を生むことにつながった」と振り返る。
●24時間会見場に張り付いて 被災地からも配信
ニコ生は積極的に地震関連の取材も重ねている。東京電力や経済産業省の原子力安全・保安院、首相官邸などに出張り、会見をライブ配信。東電と保安院の会見場にはスタッフが半日交代で24時間に張り付いた。地震発生から1カ月間、会見の配信回数は約300回に上った。
ニコ生・ニコニコ動画は、テレビや会見映像、ユーザーの投稿動画など「10件近くのソースが並び、震災情報をキャッチアップできる状態」(杉本社長)に。それだけでは視聴者が「情報過多」(杉本社長)になってしまうが、識者が地震や原発問題を語る独自番組などをニコ生で用意することで、情報を整理・検証して届けられたのではと、杉本社長は胸を張る。
亀松編集長とニコ生中継チームは被災地からもライブ配信した。3月24日には立谷秀清・福島県相馬市長にインタビュー。市の対策会議の様子なども届けた。「生でそのまま流すインタビューは収録とは違う集中力があって、訴える力がある」と亀松編集長は見る。
3月25日には、津波で大きな被害を受けた仙台市若林区を訪問している。家や車が津波で流され、がれきが辺り一面に広がる様子を、車載カメラでとらえ、断続的に1時間ほど配信。「においはどうですか?」など視聴者から寄せられる質問にも答えながら、「被災地がいかに広いか」(亀松編集長)を伝えた。
「1つの地区の映像を30分間流し続けるといったことはテレビではあり得ない。ニコ生だからこそ」と亀松編集長。「マスメディアが伝えないものを伝えることも重要だと思っている。できる範囲でやっていきたい」と意気込む。
「ネットを通していろんなものを提供していく。ユーザーを巻き込んで討論していき、そのひとにとっての最適な解を用意していきたい」。杉本社長は今後の目標をこう語る。ネット上での情報発信と議論の場に――ニコニコはニコニコにしかできないことを見つめていく。
最終更新:5月23日(月)20時14分
テレビはテレビで良いところがあり、ネットはネットで良いところがある。
補完してやっていけば良いのに、一部のテレビ局やメディアは自分達の利権を取られたと勝手に錯覚して批判している気がするのだが。
暗黒の稲妻