スプラトリー諸島:ベトナムが国会議員選挙実施、中国反発
サーチナ 5月11日(水)9時50分配信
 中国政府・外交部の姜瑜報道官は10日、中国は南沙諸島(スプラトリー諸島)と周辺海域について、「中国は議論の余地のない主権を有している」と述べた。中国外交部は、「ベトナムが最近になり、違法に占拠している同諸島を選挙区とする国会議員選挙と地方議会選挙を実施したが、どう思うか」との記者の質問に答えたとする形式で発表した。

 姜報道官は、「いかなる国家も、南沙諸島について一方的に行動すれば、中国の主権の侵犯となり、非合法かつ無効だ。(中国と東南アジア諸国連合=ASEAN=諸国が合意した)南海各方行為宣言(=南シナ海各方面行動宣言)」の精神にも違反する」と、実質的にベトナムを非難した。

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◆解説◆
 姜報道官の発言は、南沙諸島について「いかなる国家も『一方的』に行動すれば、中国の主権の侵犯」と表現した。中国の主権について「妥協の余地はない」との原則を主張しつつ、実際の開発や利用については「話し合いの余地」の“ふくみ”を持たせたと理解できる。

 南シナ海各方面行動宣言は、中国や東南アジア諸国で領有権を巡る争いがある同海域と諸島について、安定を維持し武力衝突などを防止する目的で、結ばれた。署名したのは中国、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの各外相(当時)。

 南沙(スプラトリー)諸島は1930年代初めにフランス、次いで日本の支配下に置かれた。日本は昭和13年(1938年)の閣議決定で、同諸島を台湾の高雄市に編入した。

 1951年のサンフランシスコ講和条約で日本が領有権を放棄した後、フィリピン、南ベトナム(当時)、中国が領有権の主張を本格化。特に70年代に海底油田が確認されると緊張が高まった。1988年には、中国が同諸島の1つの島に観測用の建造物を建設したことがきっかけで中国・ベトナム海軍が交戦。ベトナム側の輸送船1隻が沈没するなど、激戦になった。(編集担当:如月隼人)

最終更新:5月11日(水)9時50分

中国は欲しいと思えばすべて自国の領土になるらしいね。
そして欲しいと思った時点で「議論の余地のない主権を有している」ことになるのだろう。

暗黒の稲妻