「深層崩壊」警戒呼びかけ 東北山間部 雨で大型土石流も
産経新聞 4月16日(土)7時57分配信

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土砂崩れで寸断された国道4号線=3月12日午後、福島県福島市(中鉢久美子撮影)(写真:産経新聞)
東日本大震災によるマグニチュード(M)9・0の超巨大地震と強い余震によって、東北地方の地盤が不安定化、脆弱(ぜいじゃく)化し、「深層崩壊」の発生が懸念されている。山間部の斜面で、まとまった降雨に伴い岩盤が何十メートルもの深さまで崩壊する大規模な土砂崩れとなる可能性がある。専門家は「とりわけ梅雨や台風シーズンなどの大雨時は、土砂災害警戒情報に注意してほしい」と呼びかけている。
[図をみる]東日本大震災の主な余震
土砂崩れの大半は、降雨が引き金となって起きる。小規模なものは、厚さ2メートル程度の表土層が雨でゆるんで崩れる表層崩壊というタイプ。一方、深層崩壊は梅雨や台風などの大雨で、表土層下の岩盤深部に大量の水がたまり、高まった水圧が斜面を一気に破壊する。
深部まで崩れるため、土石流が大型化しやすい。鹿児島県南大隅町では降水量が多かった昨年7月、高台の斜面が深さ50メートルまで崩壊。台湾南部の高雄県では一昨年8月、ゆるい泥岩層が深さ80メートルまで崩壊し、下流の村の住民500人を土石流がのみ込んだ。
元砂防学会会長の下川悦郎・鹿児島大学農学部教授(砂防工学)によると、深層崩壊発生の条件は、「大量の雨と、長年の風化でもろくなり、水を通しやすくなった岩盤だ」という。
東北地方は岩手山、栗駒山、蔵王山、磐梯山など火山が多いため、水を通しやすくもろい火山噴出物が分厚く堆積している。
下川教授は、「東北ではもともと災害に弱い地質が、本震・余震の強い揺れに何度も襲われて深部まで大きなダメージを受け、ひび割れなどで水がさらに通りやすくなっているとみられる。大雨が降ったら土砂災害が起きる条件が、すでにできあがっている」と指摘する。
土砂災害の規模は、降雨の規模に比例する。下川教授はこれまで、深層崩壊に警戒する判断基準として、累積降水量の1千ミリ超過を挙げてきた。だが、「今の不安定な状態では、従来以下の降水量で起きる可能性が高い」とみられる。気象庁もすでに3月12日に、東北・関東の震度5強以上を観測した市町村について、土砂災害警戒情報の発表基準を暫定的に引き下げた。
下川教授は「地震や津波と違い、対応を検討する時間の余裕がある。決してあわてる必要はない」とも指摘している。その上で、「これ以上被害を出さないため、国や自治体の土砂災害警戒情報に注意して、必要な時に冷静に行動してほしい」と呼びかけている。(伊藤壽一郎)
最終更新:4月16日(土)10時19分
ちょっと心配な記事だな。
この記事の周辺にお住まいの方はご注意をください。
暗黒の稲妻
産経新聞 4月16日(土)7時57分配信
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土砂崩れで寸断された国道4号線=3月12日午後、福島県福島市(中鉢久美子撮影)(写真:産経新聞)
東日本大震災によるマグニチュード(M)9・0の超巨大地震と強い余震によって、東北地方の地盤が不安定化、脆弱(ぜいじゃく)化し、「深層崩壊」の発生が懸念されている。山間部の斜面で、まとまった降雨に伴い岩盤が何十メートルもの深さまで崩壊する大規模な土砂崩れとなる可能性がある。専門家は「とりわけ梅雨や台風シーズンなどの大雨時は、土砂災害警戒情報に注意してほしい」と呼びかけている。
[図をみる]東日本大震災の主な余震
土砂崩れの大半は、降雨が引き金となって起きる。小規模なものは、厚さ2メートル程度の表土層が雨でゆるんで崩れる表層崩壊というタイプ。一方、深層崩壊は梅雨や台風などの大雨で、表土層下の岩盤深部に大量の水がたまり、高まった水圧が斜面を一気に破壊する。
深部まで崩れるため、土石流が大型化しやすい。鹿児島県南大隅町では降水量が多かった昨年7月、高台の斜面が深さ50メートルまで崩壊。台湾南部の高雄県では一昨年8月、ゆるい泥岩層が深さ80メートルまで崩壊し、下流の村の住民500人を土石流がのみ込んだ。
元砂防学会会長の下川悦郎・鹿児島大学農学部教授(砂防工学)によると、深層崩壊発生の条件は、「大量の雨と、長年の風化でもろくなり、水を通しやすくなった岩盤だ」という。
東北地方は岩手山、栗駒山、蔵王山、磐梯山など火山が多いため、水を通しやすくもろい火山噴出物が分厚く堆積している。
下川教授は、「東北ではもともと災害に弱い地質が、本震・余震の強い揺れに何度も襲われて深部まで大きなダメージを受け、ひび割れなどで水がさらに通りやすくなっているとみられる。大雨が降ったら土砂災害が起きる条件が、すでにできあがっている」と指摘する。
土砂災害の規模は、降雨の規模に比例する。下川教授はこれまで、深層崩壊に警戒する判断基準として、累積降水量の1千ミリ超過を挙げてきた。だが、「今の不安定な状態では、従来以下の降水量で起きる可能性が高い」とみられる。気象庁もすでに3月12日に、東北・関東の震度5強以上を観測した市町村について、土砂災害警戒情報の発表基準を暫定的に引き下げた。
下川教授は「地震や津波と違い、対応を検討する時間の余裕がある。決してあわてる必要はない」とも指摘している。その上で、「これ以上被害を出さないため、国や自治体の土砂災害警戒情報に注意して、必要な時に冷静に行動してほしい」と呼びかけている。(伊藤壽一郎)
最終更新:4月16日(土)10時19分
ちょっと心配な記事だな。
この記事の周辺にお住まいの方はご注意をください。
暗黒の稲妻