<福島第1原発>農産物出荷停止 風評被害拡大抑える狙い
毎日新聞 3月21日(月)23時12分配信

 東京電力福島第1原発から放出された放射性物質による農産物の汚染が懸念される中、政府は21日、福島県など4県という広範な地域を対象とした異例の出荷停止に踏み切った。対象の品目と地域を明確にすることで、対象外の農産品に対する風評被害の拡大を抑える狙いがあり、急きょ規制値を暫定的に設けるなどの「政治決断」で対応を急いだ。しかし、今後出荷停止の対象が広がる事態も予想され、流通量の確保や被害農家への補償が難題として待ち構える。

 食品添加物などの規制値は食品衛生法に基づいて定められるが、原発事故を想定した放射性物質の規制値はなかった。今回適用された暫定規制値は、原子力安全委員会が「指標」を示し、厚生労働省食品安全部長名で17日、全国の都道府県知事に通知された。大塚耕平副厚労相は「大気中で放射能が検出されている中で暫定的な規制を導入せざるを得ない。店頭に流通しているものは安全だということを示すことが風評被害を防ぐために重要だ」と説明していた。

 放射性物質の被害は広域に広がる。だが、食品衛生法では規制値を超えていない農産物の出荷規制まではできず、広域の規制が難しい。このため、原子力災害対策特別措置法を適用した。福島第1、2原発の事故に対しては同法に基づく原子力緊急事態宣言が発令されており、首相は原子力災害対策本部長として関係自治体の首長に「必要な指示」を出すことができる。食品衛生法で急きょ規制値を設けたうえで、原子力災害対策特措法の首相指示によって広域の出荷停止を可能とする非常措置に踏み切った。

 しかし、こうした措置は、流通の混乱や出荷停止の拡大という危険と背中合わせだ。枝野幸男官房長官は21日の記者会見で「国の権限で出荷規制の指示をする以上は、補償について当然、国が対応する」と約束したものの、事故の長期化も懸念される中、被害額が大きく膨らむ可能性もある。復興対策に関する国の財政負担が過去に例のない巨額に上るのは必至で、枝野長官は「一義的には東京電力に責任を持っていただく」とも強調した。【平田崇浩】

最終更新:3月22日(火)9時0分

福島、茨城、栃木、群馬4県のホウレンソウとカキナ、福島県産の原乳について出荷停止に踏み切ったようだ。
テレビのニュースであれだけ連日、ホウレンソウから放射性物質が検出されました、と報道していれば、それは風評被害は広がるわな。

暗黒の稲妻