「命があっただけでも」=漂流男性、沈んだ表情で―病院関係者・福島
時事通信 3月13日(日)21時53分配信

 「命があっただけでもありがたい」―。東日本大震災に伴う大津波に巻き込まれ、13日午前、ほぼ2日ぶりに漂流しているところを救助された福島県南相馬市の新川広光さん(60)は治療後、病院の待合室でつぶやくように言った―。自宅ごと流され、妻も行方不明とみられており、憔悴(しょうすい)し切った様子だったという。搬送先の相馬中央病院(同県相馬市)の関係者が明らかにした。
 新川さんは13日午後1時50分ごろ、救急隊員に両脇を抱えられながらも、自分の足で歩いて救急用の搬送口から入って来た。治療に立ち会った女性看護師によると、左手の人さし指などに切り傷があり、整形外科の担当医が数針縫った。
 「見るからに深い傷だったが、聞いても『痛い』とは言わなかった」。別の病院関係者も「疲れている様子だった。ずっと沈んだ表情をしていて、話し掛けられる雰囲気ではなかった」と語った。 

最終更新:3月14日(月)1時46分

出来るだけ多くの人が助かる様に祈っております。

暗黒の稲妻