トヨエツ信長「キリストのよう」 本能寺の変
産経新聞 2月6日(日)20時19分配信


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「本能寺の変」のセットでポイントとなる池がスタジオに登場。信長と明智軍がこの場所で入り乱れて戦う=第5回「本能寺の変」(2月6日放送)(写真:産経新聞)
【素顔の「江」5】

 徳川2代将軍、秀忠の正室、江(ごう)の生涯を描く大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」。2月6日は、第5回「本能寺の変」が放送。織田信長(豊川悦司)の傲慢さが理解できず「二度と会わない」と宣言した江(上野樹里)だったが、信長の本心を知り、再び、京で会う手はずとなった。一方で、信長に領地を取り上げられ、羽柴秀吉(岸谷五朗)の配下で毛利攻めに加わわれと命じられた信長の家臣、明智光秀(市村正親)の決起の時が近づく…。

【写真をみる】「本能寺の変」のシーンを演じる豊川悦司

 今回は、序盤のクライマックス、「本能寺の変」のシーン撮影にかける現場スタッフのこだわりなどをお届けする。

 ■ど真ん中に直球投げた緊張感を味わって

 「本能寺の変」の撮影は、昨年末、計2日間で行われた。演出の伊勢田雅也氏によると、本能寺のおもてで信長軍と明智軍が戦うシーンに1日、信長が覚悟を決め本能寺の奥に入っていく道中や、最期のシーンで1日撮影、という具合だったという。

 「本能寺の変」をテーマにした撮影は、時代劇の演出家にとっては特別なものだという。伊勢田氏も「戦国ドラマの見せ場で、いつかはやってみたいと思っていて、ようやくかなった。『本能寺の変』を撮影して、やっと、大河の演出家になったんだなという思いでいます」と感慨深げに話す。

 大河の歴史の中では、「これまで10回近く『本能寺の変』を撮影している」(NHK広報)といい、その全ての現場に立ち会ってきたスタッフもいるとか。

 「このシーンは、過去の大河との比較をどうしてもされがちです。かかわったスタッフも『何か新しいことを』と考えるのですが、やりつくされていることもあり、今回は逆の発想で、『変わったことをしなくても、いいものを作れないか』という気持ちで臨みました」(伊勢田氏)

 信長が鉄砲を打ち放したり、大きな火炎を上げたりといった視覚的な変化球は控えめで、信長の人間性を淡々と描く演出方針が決定。それがよかったのか、仕上がりを見た前出の「本能寺」ベテランスタッフは、「非常にまっとう」「正攻法の本能寺」という印象をもったという。

 「ど真ん中に直球を投げた緊張感を、視聴者の方には味わってほしい」と伊勢田氏。信長の光秀への呼びかけや、長く信長に付き従った森蘭丸(瀬戸康史)との別れ、そして、「思うままにまっすぐ生きよ」とメッセージを託した江との交流の“結末”の描き方に注目だ。

 信長の死を知った江の叫びが第5回の終盤に盛り込まれるが、その撮影時にはこんなエピソードが。

 「ゴウちゃん(伊勢田氏はヒロインをこう呼ぶ)は静かに泣いたほうがいいのかなと思ったんですが、上野さんは『号泣したい』と。『撮影が始まって、まだ(自分自身の)殻を抜けきれていない、このシーンで号泣することによって、江になれそうな気がする』と言われ、なるほどと思い、最初の方針を変えました」(伊勢田氏) 

 ■本能寺に「池」

 正攻法のチャレンジの中でも、工夫も見られる。平成18年の大河「功名が辻」の「本能寺の変」では、大階段をしつらえ、そこでひとり見栄をきる信長役の舘ひろしが印象的だったが、今回は、本能寺の庭に縦6メートル、横11メートル、深さ30センチの大きな池が作られた。

 美術チーフの丸山純也氏によると、池の存在に信長軍と明智軍の距離感を込めたという。

 戦いの中で、「信長の時代であれば必ず出てくるのがこのシーン。単に刺した刺されただけでなく、何か新しい動きを出せないか」(丸山氏)と美術デザインの案を練っていたところ、ヒロインが“湖のほとりで生まれた姫”であり、水がキーワードになっているドラマであるという面から、池の設定を思いついた。

 池をはさんで対峙する両軍。戦いの火ぶたが切られると、池に両軍がなだれ込み、織田と明智の“結界”が消滅。無数に上がる水しぶきが戦いのシーンのすさまじさを底上げする。

 本能寺に池を設置したのは過去をみても珍しいチャレンジで、その本格的な作りを見た上野も「まるでロケのよう!」と驚嘆していた。

 ■トヨエツ信長の衣装は?

 信長の最期の“姿”にも注目してみよう。

 寝込みを襲われる信長は、本来は袴をつけず着物のまま。しかし、今回は黒い衣装が多かったこれまでの信長とのコントラスや、ビジュアルの格好良さも考慮に入れ、あえて白い袴をはかせたという。

 髪は髷を結わずに、すべて下ろしている。チーフプロデューサーの屋敷陽太郎氏は「神を意識した男の最期として、狙ったわけではないですが、映像の仕上がりを見たら、はりつけにされた時のイエス・キリストのように見えました」。視聴者はどのような印象を抱くだろうか。

 丸山氏によると、豊川は衣装合わせの段階から、以前の信長のイメージとは違うものを出したいというこだわりを持っていたという。丸山氏もその意識に感化され、「信長の戦場シーンでよく着ている印象の南蛮鎧は、部屋の飾りには使いましたが、今回、あえて1回も着なかった。その代わりに、鎖帷子のような『まんちら』(満智羅=オランダ語のマンテル〈マント〉が語源ともいわれる)を着用させて戦場に出た。鎧の中につけるものを逆に表に出したんですが、豊川さんの雰囲気に合っていたのでは」と振り返る。

 当の豊川も、ビジュアルに関して「大満足の仕上がり」とスタッフの仕事を絶賛した。

 「最初の衣装合わせから、『信長だったら』って特別な刀や陣羽織とかが、とにかくどんどん出てくるんですよ。思った以上に、みんな信長が好きなんだ、みたいな(笑)。あれだけ大河をつくり続けているベテランのスペシャリストたちが、それでも好きなのは信長なんですね。『前回はこれでしたけど、今回はこれをお勧めします』とかアイデアもいろいろ出てきて、すごくありがたかったです」

 そして、豊川の撮了の感想は-。

 「俳優のみならず、スタッフのみなさんも、今までとは違うものを、今回は今回の『本能寺の変』をつくりたいという思いがすごく感じられて、やっていて充実感がある撮影でした」

 役者とスタッフ、“相思相愛”のラストシーンになったようだ。(萩原万貴枝)

最終更新:2月6日(日)20時27分

この前の坂本龍馬のは毎週見てたんだけど・・実はこの番組見てなかったりする(汗。
スタッフに恵まれドラマも大成功だったんだね。
この記事からそれ読み取れる。
演じる役者さんで随分と感じも違ってくるんだろうなあとは思うが、土曜日の再放送から見ようと思う(苦笑。

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