エジプト反政府デモ 若者ら怒り、方向どこへ
産経新聞 1月27日(木)7時57分配信


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25日夕、カイロ中心部タハリール広場付近ではデモ隊と治安部隊が衝突を繰り返した(写真:産経新聞)
 ■反米や反イスラエル… 野党“便乗”からむ思惑 エジプト全土で25日発生した大規模な反政府デモで、首都カイロ中心部のタハリール広場は、市内各地から集結したデモ隊で埋め尽くされた。若者を中心としたそのエネルギーはしかし、明確な方向性を持たない危うさもはらんでいる。(カイロ 大内清)

【写真で見る】カイロ中心部でデモ隊に催涙弾を発射する治安部隊員

 アラビア語で「解放」を意味する同広場。政府庁舎や国会などに近いことから、この日は早朝から厳戒態勢が敷かれた。午後、市内の数カ所で発生したデモは、規模を拡大させながら広場に向かった。最終的にその人数は1万人以上に達し、一部は治安部隊と衝突した。

 「チュニジアに続け! エジプトに革命を起こせ」

 治安部隊が発射した催涙弾のガスが立ちこめる中、ウェブデザイナーのムハンマド・ヤヒヤさん(32)は興奮しながらこう気勢を上げた。デモ参加者は、口々にムバラク大統領やその一族を非難した。

 衝突のどさくさにまぎれ、エジプトの高級子弟が多く通い「特権階級」の象徴でもある米国系大学の旧キャンパスに投石する者もいた。「アッラー・アクバル(神は偉大なり)!」と叫び、治安部隊に突入していく若者の姿もあった。

 今回のデモは、若者を中心とする複数のグループがインターネットなどを通じて呼びかけたことを機に発生。既存の野党勢力はそれに“便乗”した色合いが濃い。高い動員力を持つ非合法のイスラム主義組織ムスリム同胞団からも多数のメンバーがデモに参加した。内務省は同胞団がデモを扇動したと非難している。25日からはインターネットの簡易ブログ「ツイッター」や複数の野党系サイトが接続できなくなった。当局が規制した可能性が高い。

 デモ参加者がムバラク政権の長期支配や失業問題などへの怒りを共有している半面、デモ現場では「イスラエルを倒せ!」「米国を倒せ!」といったスローガンも目立つなど、さまざまな思惑が混入しているのも事実だ。今回のデモで表面化した民衆のエネルギーが向かう方向はいまだ見えてこない。

最終更新:1月27日(木)10時49分

エジプトで大規模な反政府デモが発生したという記事。
チュニジアが発端らしいが・・このデモ明確な方向性が無いようにも思えるんだが・・。

暗黒の稲妻
BGM:BALL&CHAIN(By矢沢永吉)