グリーがネット広告配信ベンチャー買収、その真の狙いは
東洋経済オンライン 1月20日(木)10時42分配信

 携帯電話向けソーシャルゲームのグリーは18日、スマートフォン向けの広告配信ネットワーク(アドサーバー)を手掛けるアトランティス(本社東京、木村新司社長)を買収、完全子会社化すると発表した。アトランティス株の77.1%を16億0700万円で取得。残る22.9%も段階的に取得する予定で、取得単価が同程度とすると総額約21億円で買収することになる。

 アトランティスは2007年3月設立で従業員数はまだ15名に過ぎないスタートアップベンチャーだ。それにもかかわらずグリーが22億円もの資金を投じて買収に乗り出したのは、急速なスマートフォンの普及に対応するためだ。

 グリーが狙うのは、アトランティスが運営するスマートフォン向け広告配信システム。グリープラットフォーム上のソーシャルゲーム同士で利用者を相互に送客する。

 現在の既存携帯電話の仕組みでは、グリーのソーシャルゲームは必然的にグリーのサイト内で行うことになる。このため、グリーのトップページなどゲームを露出させることによって顧客を集めることが可能だ。実際、これが強力な集客チャネルとなっている。

 しかし、スマートフォンではそうはいかない。ゲームはそれぞれが独立したアプリとして提供されることが基本となるため、おのおののゲーム利用者から見ればグリーを利用しているようには見えない。ゲームはグリー以外からも提供される膨大なゲームの中から、選んでもらわなければならなくなる。このままでは約2400万人もの膨大な会員資産というアドバンテージを生かせないのだ。

 今回、広告配信ネットワークを手に入れたことで、これをゲームアプリに導入することで、グリー上で提供されるゲームアプリ上に、ほかのゲームの広告を張ることが可能になる。そうすればスマートフォン化で失われる可能性があった送客チャネルを維持できる。

 また、配信システムでは、アプリの内容や会員属性等のデータを基に、特定のアプリを表示させると言ったいわゆる行動ターゲティングが可能だ。このため、利用者に合わせたプロモーションを掛けることも可能になる。

 グリーは既存携帯で獲得した大きな会員資産を武器に急成長を続けている。国内従来携帯のビジネスだけでもまだ市場の拡大は可能だろう。しかし、普及しつつあるスマートフォンは、従来型携帯電話とはビジネスモデルが大きく異なる。しかもその普及は業界関係者の予想を大きく上回るスピードで進んでいる。スマートフォン対応で舵取りを誤れば、今まで築き上げた地位を失う可能性がないとは言えない。

 設立4年のベンチャーに投じる大金は、グリーの危機意識を表している。

(丸山 尚文=東洋経済オンライン)

最終更新:1月20日(木)10時42分

ますます巨大・肥大化しつつあるグリー。
この先何処へ向かって行くのだろうかね。
そしてどんな風になっていくのか。
気になる所ではある。

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