増える欧米型のB型肝炎ウイルス 性行為などで感染→慢性肝炎に
産経新聞 1月11日(火)7時56分配信
かつては母子感染がほとんどだった日本のB型肝炎。最近は性行為などで欧米型のB型肝炎ウイルス(HBV)に感染するケースが増えている。欧米型のHBVは慢性化する可能性があり、感染によって肝硬変や肝臓がんとなるリスクもある。現在の日本の肝炎対策では欧米型のHBVの感染予防は難しいだけに、対策の見直しを求める声も上がっている。(平沢裕子)
◇
◆大都市圏で増加
HBVは感染者の血液や体液を介して感染する。感染時期や感染時の健康状態によって、一過性に発症する急性肝炎と持続感染による慢性肝炎とに分かれる。慢性肝炎は症状がなく自覚しない人が多いが、中には肝硬変、肝臓がんと病気が進む人もいる。
感染原因は、乳児期にはHBVに感染した母親の産道を通ることなどによる母子感染、成人では性行為による感染が多い。
HBVにはAからJまで10の遺伝子型があることが確認されている。従来の日本に多いのが遺伝子型BやCで、乳児期の感染で慢性化するものの、成人後の感染では急性肝炎を経て自然治癒(少量のウイルスは残留)するか、症状がないままウイルスが排除されるかで、慢性化することはほとんどなかった。
一方、欧米に多いのが遺伝子型Aで、成人後の感染でも約10%が慢性化する。
国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター(千葉県市川市)の溝上雅史センター長らが平成12年と18年、慢性肝炎患者のHBVの遺伝子型を分析したところ、欧米に多い遺伝子型AのHBVが12年に12人(対象者の1・7%)、18年には44人(同3・5%)確認された。
溝上センター長は「まだ少ないとはいえ、本来は日本に存在しない欧米型のHBVの感染者が日本でも明らかに増えてきている。主に性行為による感染とみられ、関東、東海、近畿の大都市圏で若年層を中心に急増している」と指摘する。
◆ワクチン接種も
成人後の感染は性行為のほか、持続感染者の血液が付着したカミソリやピアスの穴開け器具を別の人が使うことでも起こる。従来の日本に多い遺伝子型のHBVは、たとえ感染しても慢性化しないことから成人後の感染をそれほど気にする必要がなかった。このため日本では母子感染対策に重点が置かれ、高い成果を上げてきた。
しかし、欧米型のHBVは成人後の感染でも慢性化のリスクがあり、従来の母子感染対策だけでは感染の広がりを防ぐのは難しい。海外では感染予防のためB型肝炎ワクチンを小児に投与する国が多い。日本では医療従事者へのワクチン接種は行われているが、小児への投与は特に推奨されていない。
溝上センター長は「HBVが性行為などで感染する可能性があることを多くの人が知る必要がある。がん予防という意味ではB型肝炎ワクチンは子宮頸がんワクチンと同じ。今後は思春期前の子供への接種を検討することも必要ではないか」と話している。
◇
■知らぬ間に腎臓の動脈硬化
心臓や頭以外でも動脈硬化が起こることの認知度が3割程度にとどまっていることが、ジョンソン・エンド・ジョンソン(東京都千代田区)の調べで分かった。
調査は昨年12月、全国の40~70代の男女800人を対象にインターネットで実施。それによると、動脈硬化が起きる部位として知っているものを聞いたところ、「心臓」は86・9%、「頭」は77・6%と8割前後に達した。一方、「足」(32・1%)や「首」(29・8%)は約3割にとどまり、「腎臓」は8・9%だった。
このうち、腎臓は血圧の調整を行っており、動脈硬化(腎動脈狭窄(きょうさく)症)が原因で治りにくい高血圧になる恐れがある。しかし、その認知度も全体の12・9%で、調査対象のうち高血圧の243人でも14・8%だった。腎動脈狭窄症は初期には自覚症状が少なく、症状が悪化して透析が必要となる場合もある。
同社では、眼底検査で網膜の動脈硬化が強い▽心臓、首、足のいずれかの動脈が狭い▽高血圧の薬を3剤以上服用しているのに改善しない-などの症状があった場合、腎動脈狭窄症を疑うよう呼びかけている。
◇
≪肝炎対策≫
肝炎は肝臓の細胞が破壊されている状態で、日本では7割がC型肝炎ウイルス(HCV)、2割がHBVに感染することで発症している。肝臓は予備能力が高く、慢性肝炎や肝硬変になっても自覚症状が出ないことが多い。国は平成20年度から肝炎ウイルス検査の促進や肝炎に関する正しい知識の普及などを盛り込んだ肝炎対策を進めている。ただ、ウイルス検査を受ける人がそれほど多くないことに加え、検査で陽性でも適切な治療につながらなかったり、治療を始めても途中でやめてしまったりする人もいるなど課題は多い。
最終更新:1月11日(火)7時56分
何とも恐い話ではある。
暗黒の稲妻
BGM:ポーカー・フェイス (ミュージック・ビデオ)(Byレディー・ガガ)
産経新聞 1月11日(火)7時56分配信
かつては母子感染がほとんどだった日本のB型肝炎。最近は性行為などで欧米型のB型肝炎ウイルス(HBV)に感染するケースが増えている。欧米型のHBVは慢性化する可能性があり、感染によって肝硬変や肝臓がんとなるリスクもある。現在の日本の肝炎対策では欧米型のHBVの感染予防は難しいだけに、対策の見直しを求める声も上がっている。(平沢裕子)
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◆大都市圏で増加
HBVは感染者の血液や体液を介して感染する。感染時期や感染時の健康状態によって、一過性に発症する急性肝炎と持続感染による慢性肝炎とに分かれる。慢性肝炎は症状がなく自覚しない人が多いが、中には肝硬変、肝臓がんと病気が進む人もいる。
感染原因は、乳児期にはHBVに感染した母親の産道を通ることなどによる母子感染、成人では性行為による感染が多い。
HBVにはAからJまで10の遺伝子型があることが確認されている。従来の日本に多いのが遺伝子型BやCで、乳児期の感染で慢性化するものの、成人後の感染では急性肝炎を経て自然治癒(少量のウイルスは残留)するか、症状がないままウイルスが排除されるかで、慢性化することはほとんどなかった。
一方、欧米に多いのが遺伝子型Aで、成人後の感染でも約10%が慢性化する。
国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター(千葉県市川市)の溝上雅史センター長らが平成12年と18年、慢性肝炎患者のHBVの遺伝子型を分析したところ、欧米に多い遺伝子型AのHBVが12年に12人(対象者の1・7%)、18年には44人(同3・5%)確認された。
溝上センター長は「まだ少ないとはいえ、本来は日本に存在しない欧米型のHBVの感染者が日本でも明らかに増えてきている。主に性行為による感染とみられ、関東、東海、近畿の大都市圏で若年層を中心に急増している」と指摘する。
◆ワクチン接種も
成人後の感染は性行為のほか、持続感染者の血液が付着したカミソリやピアスの穴開け器具を別の人が使うことでも起こる。従来の日本に多い遺伝子型のHBVは、たとえ感染しても慢性化しないことから成人後の感染をそれほど気にする必要がなかった。このため日本では母子感染対策に重点が置かれ、高い成果を上げてきた。
しかし、欧米型のHBVは成人後の感染でも慢性化のリスクがあり、従来の母子感染対策だけでは感染の広がりを防ぐのは難しい。海外では感染予防のためB型肝炎ワクチンを小児に投与する国が多い。日本では医療従事者へのワクチン接種は行われているが、小児への投与は特に推奨されていない。
溝上センター長は「HBVが性行為などで感染する可能性があることを多くの人が知る必要がある。がん予防という意味ではB型肝炎ワクチンは子宮頸がんワクチンと同じ。今後は思春期前の子供への接種を検討することも必要ではないか」と話している。
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■知らぬ間に腎臓の動脈硬化
心臓や頭以外でも動脈硬化が起こることの認知度が3割程度にとどまっていることが、ジョンソン・エンド・ジョンソン(東京都千代田区)の調べで分かった。
調査は昨年12月、全国の40~70代の男女800人を対象にインターネットで実施。それによると、動脈硬化が起きる部位として知っているものを聞いたところ、「心臓」は86・9%、「頭」は77・6%と8割前後に達した。一方、「足」(32・1%)や「首」(29・8%)は約3割にとどまり、「腎臓」は8・9%だった。
このうち、腎臓は血圧の調整を行っており、動脈硬化(腎動脈狭窄(きょうさく)症)が原因で治りにくい高血圧になる恐れがある。しかし、その認知度も全体の12・9%で、調査対象のうち高血圧の243人でも14・8%だった。腎動脈狭窄症は初期には自覚症状が少なく、症状が悪化して透析が必要となる場合もある。
同社では、眼底検査で網膜の動脈硬化が強い▽心臓、首、足のいずれかの動脈が狭い▽高血圧の薬を3剤以上服用しているのに改善しない-などの症状があった場合、腎動脈狭窄症を疑うよう呼びかけている。
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≪肝炎対策≫
肝炎は肝臓の細胞が破壊されている状態で、日本では7割がC型肝炎ウイルス(HCV)、2割がHBVに感染することで発症している。肝臓は予備能力が高く、慢性肝炎や肝硬変になっても自覚症状が出ないことが多い。国は平成20年度から肝炎ウイルス検査の促進や肝炎に関する正しい知識の普及などを盛り込んだ肝炎対策を進めている。ただ、ウイルス検査を受ける人がそれほど多くないことに加え、検査で陽性でも適切な治療につながらなかったり、治療を始めても途中でやめてしまったりする人もいるなど課題は多い。
最終更新:1月11日(火)7時56分
何とも恐い話ではある。
暗黒の稲妻
BGM:ポーカー・フェイス (ミュージック・ビデオ)(Byレディー・ガガ)