景気 懸念材料は「円高」「米経済」 主要122社調査
毎日新聞 1月3日(月)22時47分配信


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景気や経営の懸念材料(三つまで回答)。数字は回答企業数
 毎日新聞が主要122社に行ったアンケートでは景気の現状、先行きとも「横ばい」との見方が増えたが、景気や経営の懸念材料(三つまで回答)を聞いたところ、「円高」が92社と圧倒的な1位だった。対ドルで戦後最高値の水準に迫った昨年10月時点に比べ一時は一服感が出たものの、同9~10月に実施した前回調査(90社)よりむしろ多い結果となった。2位は「米経済の先行き」(57社)、3位は「個人消費の低迷」(52社)だった。

 ◇欧州不安も影響

 円高に懸念が集中したのは、円相場が依然高水準にあることへの警戒心に加え、欧州の信用不安が再燃したことなどが影響したとみられる。懸念材料に挙げたのは輸出企業だけでなく、「輸出業の回復が見られないと消費力は回復しない」(コンビニエンスストア)、「円高による企業収益の悪化が個人消費の低迷を生み、デフレを進行させる恐れがある」(印刷会社)などといった見方が、国内需要に依存する内需型企業も含めて広がっている。

 「欧州経済の先行き」を懸念材料に挙げる企業も前回より4社多い17社となった。昨春のギリシャの財政危機を端緒とした欧州の信用不安問題はいったん沈静化したかに見えたが、秋以降にアイルランドで再燃。欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)による金融支援を受けることが決まったが、市場の不安は収まらず、スペインなどへの飛び火が懸念されている。

 円高が「輸出企業の競争力低下を招き、国内産業が空洞化する」(日立製作所)ことへの懸念も強く、「雇用情勢の悪化」も、前回より8社多い17社が挙げた。失業率は10年11月時点で5・1%と高止まりしている。採用数絞り込みから新卒者の就職戦線も極めて厳しく、「雇用環境が引き続き厳しく、消費者の節約志向が強まり、個人消費の回復が見込まれない」(イオン)など、個人消費冷え込みに拍車がかかる悪循環への懸念も強い。

 中国など「新興国経済の先行き」を挙げた企業も、前回から1社減の33社とほぼ横ばいながら全体の4位と高水準だ。「新興国経済が腰折れすれば、輸出の減速に直結する」(生命保険会社)との指摘もあった。【岩崎誠】

 ◇頼みの綱は新興国

 景気の停滞感が強い中、先行きについて「薄日」を感じさせる見方も広がりつつある背景には、中国やインドなどアジアを中心とする新興国の需要拡大がある。国内の需要回復が見込めない中、高成長を続けるアジア諸国が、輸出企業を中心に日本企業にとって頼みの綱となっている。

 11年度の自社業績が「好転する」「やや好転する」と答えた企業のうち、6割を超える37社が製造業。「好転」に限れば、回答した19社の中で製造業が14社を占めた。アジア開発銀行によると、先進国を除くアジア地域の11年の実質国内総生産(GDP)は7.3%と高水準の成長が続く見通し。10年に日本のGDPを上回り、世界2位になることが確実な中国では引き続き10%前後の高成長が見込まれる。輸出企業を中心に、「新興国の成長が持続し、世界経済が緩やかに回復」(住友化学)、「新製品や新興国での売り上げ増」(富士フイルムHD)が好転の要因になると指摘した。

 一方、国内需要に依存する内需型企業も個人消費の回復が見込めない中で経営効率化を加速。「これまでの施策の成果が得られるようになった」(小売業)など、11年度の業績好転を見込めるとの見方が広がっている。

 11年度の設備投資については、前年度に比べ「増える」とした社が21.3%(26社)、「横ばい」は27.9%(34社)。10年度について尋ねた前回調査では20.2%(24社)が前年度から「減る」と答えたが、今回調査した11年度は「減る」が9.8%(12社)と半減した。

 リーマン・ショック後に世界同時不況の様相が強まる中、主要企業は投資を絞り財務基盤の強化を最優先事項としてきたが、「新興国と環境対応など将来に向けて必要な投資を復活させる」(三菱自動車)、「新規事業に重点的に投資し、構造転換を加速する」(電機メーカー)など、積極的な姿勢を取り戻しつつある。【宮崎泰宏】

 ◇菅政権支持わずか3社 前回27社から急落

 10年6月の発足から半年余りの菅直人政権。今回のアンケートで「支持する」と答えた企業は2.5%(3社)にとどまり、前回調査の22.7%(27社)から急落した。沖縄・尖閣諸島の中国漁船衝突事件に代表される外交での不手際や、子ども手当など「バラマキ」とも評される政策を批判する声が多く聞かれた。

 菅政権のスタンスについては「国の将来のあり方が示されず、外交、経済面の政策も軸がしっかりしていない」(オリックス)など、「政策のぶれ」への不満、不安が目立っている。一方、新興国へのインフラ輸出などを柱とする新成長戦略については期待感を表明する企業が多かった。

 内政面で集中砲火を浴びたのが「子ども手当」と「高校授業料の実質無償化」。「厳しい財政のなかでのバラマキ的政策」(住友電気工業)に対する経済界のつよい拒否反応を反映している。

 衆参の「ねじれ国会」への対応については、「政策ごとに与野党が合意を探るパーシャル連合」を求める企業が40.2%(49社)で最多だった。「課題が山積するなか、政治的空白期間を生じさせないことや、現実性を勘案して」(三井物産)といったことが根拠になっている。「政界再編」は6.6%(8社)、「大連立」は1.6%(2社)にとどまった。【太田圭介】

終更新:1月3日(月)23時55分

毎日新聞が主要122社に行ったアンケートでは景気の現状、先行きとも「横ばい」との見方が増えたが、景気や経営の懸念材料(三つまで回答)を聞いたところ、「円高」が92社と圧倒的な1位だった。
見出しは円高やアメリカ経済に不安の声を掲げているが、その他にも雇用、特に失業率やユーロ問題、政府支持率など多くの不安が出てきているんだが・・。
この先どうなっていくのやら・・。

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