<仙谷氏問責可決>政権の要、直撃 通常国会も混迷 自民、審議拒否辞さず
毎日新聞 11月27日(土)13時56分配信


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参院本会議で自身の問責決議案が可決され一礼する仙谷官房長官=26日午後11時11分、森田剛史撮影
 自民党が提出した仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相の問責決議案が26日深夜から27日未明にかけ、参院で可決したことで、菅直人首相の政権運営が厳しさを増すことは確実だ。特に「政権の要」である仙谷氏への問責可決により、政権の負ったダメージは計り知れない。自民党などは11年度予算案を審議する年明けの次期通常国会もにらみ、審議拒否も辞さない構え。菅政権のねじれ国会対策は視界不良のまま年を越すことになる。【中田卓二、竹島一登】

 「さよなら」--26日深夜、参院本会議場で仙谷氏の問責決議案が可決されると、野党席から大きな拍手が起き、議場を去る仙谷氏に「別れの言葉」が飛んだ。これに先立ち、民主党の鉢呂吉雄国対委員長は党代議士会で「過去に問責決議案が可決された例は3例ある。(仙谷、馬淵両氏の)2人は問責に値しない」と反論したが、今後の国会戦略は示せなかった。

 法的拘束力はないとはいえ、問責可決の政治的効果は大きい。98年10月に参院で問責が可決された額賀福志郎防衛庁長官(当時)は野党側の審議拒否で辞任。問責が可決された福田康夫元首相と麻生太郎元首相も結果的に退陣や衆院解散に追い込まれた。

 国会軽視と受け取られる発言をした柳田稔前法相の問題で事実上の更迭に踏み切った菅首相だが、仙谷氏の扱いは別だ。名実ともに内閣の柱であり、柳田氏の後継法相を兼務したのも仙谷氏。問責決議案の対象となったのは、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、官邸の対応の中心的役割を担ってきたからだ。

 菅首相の代わりに国会答弁に立つ機会も多く、自衛隊を「暴力装置」と表現した発言が問題化した。官房長官の立場が揺らげば、政権自体が危うくなるだけに、首相が仙谷氏を留任させることは確実で、民主党側も全力で支える構えだ。

 一方、自民党の中曽根弘文参院議員会長は26日深夜、仙谷氏の問責可決後の会見で「週明けからはすべての審議に応じるわけにいかない。(通常国会の官房長官は)当然、別の人になっていると思う」と表明。仙谷氏らが辞任しない限り、次期通常国会の審議にも応じない姿勢を鮮明にした。

 民主党の輿石東参院議員会長は26日の参院議員総会であいさつし「問責という言葉がはやっている」とけん制した。しかし、国会審議の見通しは立たなくなり、「問責決議は大変重い」(羽田雄一郎参院国対委員長)との焦りが募る。野党には、「菅首相は内閣改造に踏み切らざるを得ない」との見方も強まった。

 ただ、民主党との対決姿勢を鮮明にした自民党にも確たる成算があるわけではない。公明、みんな、新党改革の各党は今国会中も問責対象になった閣僚が出席しない審議には応じる方針で、自民党だけが突出すれば、野党共闘が崩れる可能性も高い。今後の国会情勢に対し、自民党幹部は「これはチキンレースだ。先に降りるわけにはいかない」と語った。

最終更新:11月27日(土)15時10分

まぁこの人は色々と失言が目立つようだが遂に(ようやく?)問責決議案が参議院で通ったようだ。
この問責決議は別に特に何か強制力が有る訳ではないが、政治家として致命打と言って良く官房長官としてはほぼアウトかと思われる。
しかしながら内閣の要であるのも確かだし、民主内閣としてはどっちをとっても大打撃の選択を迫られるだろうな。
総理が立て続けに失敗しちゃったんだから、どちらかがきっちりと責任責とってもらわないと収拾付かんだろうな。

暗黒の稲妻
BGM:裸のビーナス(By遠藤賢司)