民主化勢力再結集に意欲 スー・チーさん解放後初の演説
産経新聞 11月14日(日)17時13分配信

 【シンガポール=宮野弘之】ミャンマーからの情報によると、同国の民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チーさんは14日午後1時(日本時間同3時)前から、旧野党、国民民主連盟(NLD)の本部で演説し、「目標を実現するために、すべての民主政党と手を取り合って働きたい」と述べ、今回の選挙で亀裂が生じた民主化勢力の再結集を図る考えを示した。さらに、「軍政に敵意は持っていない。国民和解こそが重要で、そのためには誰とでも対話できる」と語り、軍政に対し、対話の早期再開を呼びかけた。

 スー・チーさんは13日夕、7年半ぶりに自宅軟禁から解放され、その後、自宅でNLD幹部らと今後の対応などを協議した。一夜明けた14日昼、ヤンゴン中心部のインヤ湖のほとりにある自宅から歩いてNLD本部に到着。多数の支持者に取り囲まれて本部に入った。

 演説でスー・チーさんは「皆さんの考えていることを教えてほしい。(自分の自宅軟禁中に)皆さんの中で何が変わったのか、何を考えているのかを知りたい。それから私たちの方針を決めたい」と呼びかけた。

 スー・チーさんはそのうえで、「どうか、希望を捨てないでほしい。私たちは皆さんの信頼と支持が必要だ。それがなければ何もできない。皆さんは正しい方向へと立ち上がらなければならない」と述べ、支持を訴えた。

 一方、スー・チーさんは「私を自宅に軟禁した人に敵意は抱いていない。警備担当者はとても良くしてくれた。彼らには(ほかの)国民にも同じように接してほしいと思う」と述べた。

 今回の総選挙では、NLD執行部が選挙のボイコットを決めたことに反対し、一部幹部が新党、国民民主勢力(NDF)を結成した。ただ、NLD側が「投票しない権利がある」として、ボイコットを呼びかけたことから、NDFだけでなくミャンマー民主党(DPM)など他の民主化勢力とNLDとの間に確執が生まれていた。スー・チーさんの発言はこれら野党との関係修復に乗り出す考えを示したものだが、NLD内部にはNDFとの協力を拒む声は根強い。

最終更新:11月14日(日)18時26分

解放後初の演説だが、また自宅軟禁とならければいいのだが・・。

暗黒の稲妻
BGM:お父帰れや(By岡林信康)