ハートレー第2彗星、観測のチャンス
ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 9月17日(金)16時23分配信
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1997年にNASAが撮影したハートレー第2彗星。
(Image courtesy NASA)
1986年に発見されたハートレー第2彗星が間もなく地球に接近し、数十年に一度となる観測の絶好のチャンスが訪れる。地球への接近の数週間後には、NASAの探査機がフライバイ(接近通過)する予定だ。
ハートレー第2彗星(103P/Hartley 2)はオーストラリアの天文学者マルコム・ハートレー氏によって発見され、約6年半の周期で太陽を周回することも同氏の計算で明らかになっていた。しかしこれまでは、木星の重力の影響で軌道がずれ続け、周回ごとに軌道が太陽に近づき、それに伴って地球からは遠ざかっていた。
ところが今年は、10月20日にわずか1770万キロの距離まで地球に最接近すると予測されている。10月中旬の月のない暗い夜が絶好の観測条件となるという。
カリフォルニア州ロサンゼルスにあるグリフィス天文台の天文学者アンソニー・クック氏は、「北半球では、10月中旬まではほぼ一晩中、北東の方角で観測できるだろう。10月中旬以降は午後11時30分(現地時間)ごろから観測可能だが、最適な時間帯は日の出直前だ」と話す。また南半球では、11月下旬以降に地球から遠ざかっていく彗星が見やすくなるという。
彗星が太陽に接近するにしたがって、夜が暗い郊外で空にぼんやりと光る点として肉眼でも観測できるようになり、小さな光学機器でも詳細まで見ることが可能だとクック氏は説明する。「初心者なら双眼鏡がお薦めだが、望遠鏡を使えば彗星は視野一杯に広がって、明るい中心部の構造や、ぼんやりとした尾の部分まで観測できるだろう」。
ハートレー第2彗星が1986年になるまで発見されなかったのは、それまで地球に近い軌道を通ることがなかったためだ。1947年、1971年、1982年と木星に3度接近したことで軌道が変化し、ようやく地球から観測できるようになった。
2007年、ハートレー第2彗星はNASAの探査機ディープインパクトの主要探査対象となった。ディープインパクトの当初のミッションは、2005年にテンペル第1彗星に衝突体(インパクター)を衝突させ、その衝撃で飛び散る氷やちりを分析してテンペル第1彗星の組成を調査することだった。
このミッションが終了した後も、“母船”であるディープインパクトにはほかの実験を行うだけの燃料が残っていたため、NASAは進路をハートレー第2彗星に向けて変更した。
その後、ディープインパクトの名称は太陽系外惑星の観測とディープインパクトの延長調査を意味するEPOXI(Extrasolar Planet Observation and Deep Impact Extended Investigation)に変更され、11月4日に予定されるフライバイに向けてハートレー第2彗星に接近中である。フライバイの際は彗星から965キロの距離まで接近し、表面のクレーターのほか、ちりとガスの噴出源のクローズアップ画像を撮影する。
これまで、ハレー彗星、ビルト第2彗星、ボレリー彗星、テンペル第1彗星などのロボット探査機による調査が行われ、これらの彗星がそれぞれ大きく異なることがわかったことから、ハートレー第2彗星の観測結果にも期待が高まっている。
「ハートレー第2彗星がこれらの彗星のどれかと似ているのか、過去の調査結果と同じくほかの彗星と全く異なるのかが、今回のミッションで明らかになるかもしれない。核の組成にも興味がある。太陽系の外でできた彗星も存在するはずだからだ」とクック氏は期待する。
Andrew Fazekas for National Geographic News
最終更新:9月17日(金)16時23分
こういうのは興味あるけど、専門機器がないと観測出来ないんだろうなぁ。
まぁ実際に双眼鏡とかで見えるんだったら観測してみたいなとは思うが、手がだるくなりそうだ(苦笑。
暗黒の稲妻
BGM:スブタ(By所ジョージ)
ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 9月17日(金)16時23分配信
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1997年にNASAが撮影したハートレー第2彗星。
(Image courtesy NASA)
1986年に発見されたハートレー第2彗星が間もなく地球に接近し、数十年に一度となる観測の絶好のチャンスが訪れる。地球への接近の数週間後には、NASAの探査機がフライバイ(接近通過)する予定だ。
ハートレー第2彗星(103P/Hartley 2)はオーストラリアの天文学者マルコム・ハートレー氏によって発見され、約6年半の周期で太陽を周回することも同氏の計算で明らかになっていた。しかしこれまでは、木星の重力の影響で軌道がずれ続け、周回ごとに軌道が太陽に近づき、それに伴って地球からは遠ざかっていた。
ところが今年は、10月20日にわずか1770万キロの距離まで地球に最接近すると予測されている。10月中旬の月のない暗い夜が絶好の観測条件となるという。
カリフォルニア州ロサンゼルスにあるグリフィス天文台の天文学者アンソニー・クック氏は、「北半球では、10月中旬まではほぼ一晩中、北東の方角で観測できるだろう。10月中旬以降は午後11時30分(現地時間)ごろから観測可能だが、最適な時間帯は日の出直前だ」と話す。また南半球では、11月下旬以降に地球から遠ざかっていく彗星が見やすくなるという。
彗星が太陽に接近するにしたがって、夜が暗い郊外で空にぼんやりと光る点として肉眼でも観測できるようになり、小さな光学機器でも詳細まで見ることが可能だとクック氏は説明する。「初心者なら双眼鏡がお薦めだが、望遠鏡を使えば彗星は視野一杯に広がって、明るい中心部の構造や、ぼんやりとした尾の部分まで観測できるだろう」。
ハートレー第2彗星が1986年になるまで発見されなかったのは、それまで地球に近い軌道を通ることがなかったためだ。1947年、1971年、1982年と木星に3度接近したことで軌道が変化し、ようやく地球から観測できるようになった。
2007年、ハートレー第2彗星はNASAの探査機ディープインパクトの主要探査対象となった。ディープインパクトの当初のミッションは、2005年にテンペル第1彗星に衝突体(インパクター)を衝突させ、その衝撃で飛び散る氷やちりを分析してテンペル第1彗星の組成を調査することだった。
このミッションが終了した後も、“母船”であるディープインパクトにはほかの実験を行うだけの燃料が残っていたため、NASAは進路をハートレー第2彗星に向けて変更した。
その後、ディープインパクトの名称は太陽系外惑星の観測とディープインパクトの延長調査を意味するEPOXI(Extrasolar Planet Observation and Deep Impact Extended Investigation)に変更され、11月4日に予定されるフライバイに向けてハートレー第2彗星に接近中である。フライバイの際は彗星から965キロの距離まで接近し、表面のクレーターのほか、ちりとガスの噴出源のクローズアップ画像を撮影する。
これまで、ハレー彗星、ビルト第2彗星、ボレリー彗星、テンペル第1彗星などのロボット探査機による調査が行われ、これらの彗星がそれぞれ大きく異なることがわかったことから、ハートレー第2彗星の観測結果にも期待が高まっている。
「ハートレー第2彗星がこれらの彗星のどれかと似ているのか、過去の調査結果と同じくほかの彗星と全く異なるのかが、今回のミッションで明らかになるかもしれない。核の組成にも興味がある。太陽系の外でできた彗星も存在するはずだからだ」とクック氏は期待する。
Andrew Fazekas for National Geographic News
最終更新:9月17日(金)16時23分
こういうのは興味あるけど、専門機器がないと観測出来ないんだろうなぁ。
まぁ実際に双眼鏡とかで見えるんだったら観測してみたいなとは思うが、手がだるくなりそうだ(苦笑。
暗黒の稲妻
BGM:スブタ(By所ジョージ)