「定番」に「ひねり」も加味 警察ドラマ“戦国時代”
7月27日7時57分配信 産経新聞


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オダギリジョー主演の「熱海の捜査官」(テレビ朝日系)(写真:産経新聞)
 警察ドラマラッシュ、続く-。4月期に「臨場」(テレビ朝日系)など6本が混戦を繰り広げた警察ドラマは、7月期は7本に数を増やし、戦国模様が続いている。硬派ドラマが多い中で、金曜夜の「うぬぼれ刑事(でか)」(TBS系)、「熱海の捜査官」(テレ朝系)といったコメディー色の強い作品も登場。刑事ものの「定番」に「ひねり」も加味し、視聴者獲得にしのぎを削っている。(萩原万貴枝)

 ◆企画重視へ

 4月期は「臨場」が平均視聴率17・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で春ドラマ全体のトップとなるなど、小説を原作とした本格派警察ドラマが人気を集めた。7月期は同じ警察ものでも、人気脚本家や旬の俳優の組み合わせといった「企画」重視の傾向がうかがわれる。

 たとえば、「うぬぼれ刑事」は人気作「池袋ウエストゲートパーク」(TBS系)の脚本家、宮藤官九郎と長瀬智也が5年ぶりにタッグを組んだ作品。度を超えた恋愛体質の刑事を長瀬が演じ、けた外れの“うぬぼれぶり”が事件解決の突破口となるユニークな展開だ。

 「熱海の捜査官」(30日スタート)は、これもテレ朝の金曜ナイトドラマ枠で高視聴率をたたき出した「時効警察」の脚本家、三木聡とオダギリジョーが再タッグを組んだもの。個性際だつキャラクターたちの掛け合いを売りにするなど、警察ものの王道とは明確に一線を画す。

 このほか、堺雅人がゴールデンタイムで連ドラ初主演となる「ジョーカー 許されざる捜査官」(フジテレビ系)や、序盤3回の平均視聴率が15・8%と好調な「新・警視庁捜査一課9係」(テレ朝系)などがある。

 ◆なぜラッシュ?

 それにしても、なぜ警察ドラマラッシュは続くのか。

 ドラマ評論家で「テレビドラマベストテン10年史」などの著書がある進藤良彦氏は「警察ドラマは事件発生から捜査、逮捕という流れが視聴者に理解されており、制作側にとって設定面で過度の冒険をしなくても手堅い数字を取れるジャンル」と説明。「ラブストーリーやホームドラマなど、かつてヒット作が生まれたジャンルはすでにやりつくした感がある」とも付け加える。

 「うぬぼれ-」「熱海-」などの“変化球”について進藤氏は「警察ドラマの安定した型を利用し、視聴者の興味を確実に攻めながら、少しひねったものを投げて飽きさせない。したたかな計算が制作側にあるのでは」と分析する。

 ◆米でブーム先行?

 一方、「刑事(でか)マガジン」(辰巳出版)の宮島和宏編集長は「『警察ドラマは当たる』と日本の制作陣に思わせたのは、米国ドラマ『24』や『コールドケース』だ」と指摘、ブームは海外が先行しているとの見方を示す。

 国内で呼び水となったのは、テレ朝系の「相棒」だという。「筋立てに加えてキャラクター設定の面白さが受け、2時間ドラマから連ドラのシリーズ化、映画化にまで“大化け”した。ヒット作を願う局にとって、『相棒』に続け-は大きな目標になっているのでは」(宮島編集長)。

 「熱海-」の横地郁英ゼネラルプロデューサーは「1年前の企画立ち上げ時には、現在の警察ドラマの多さは想定していなかった」と当惑の表情もみせながら、「世界観を工夫して、他のドラマとは違う色合いを出したい」と力を込めた。サバイバルに勝ち残るのは、どの刑事か。

 ■今夏スタートの警察ドラマ 

    作品名         放送局・時間       主演 

ハンチョウ 神南署安積班   TBS系月曜20時    佐々木蔵之介 

ジョーカー 許されざる捜査官 フジ系火曜21時     堺雅人 

新・警視庁捜査一課9係    テレ朝系水曜21時    渡瀬恒彦 

科捜研の女          テレ朝系木曜20時    沢口靖子 

警視庁継続捜査班       テレ朝系木曜21時    木村佳乃 

うぬぼれ刑事         TBS系金曜22時    長瀬智也 

熱海の捜査官         テレ朝系金曜23時15分 オダギリジョー

最終更新:7月27日8時41分

警察物のドラマというと古くは「太陽にほえろ」とかだし、最近だと「踊る大捜査線」とかが頭にタイトルが浮かんでくるが・・。
前に土曜の9時台にやっていた土曜ワイド劇場とか・・結構マンネリで段々見るも邪魔くさくなって見なくなったけど・・。

暗黒の稲妻
BGM:ディア ロンリーガール INSTRUMENTAL(By加藤ミリヤ)