<質問なるほドリ>6月末まで記録的少なさですが…今年の台風の発生状況は?
7月20日8時0分配信 毎日新聞

 ◇「出生地」の大気不活発、油断は禁物

 なるほドリ ほぼ全国で梅雨が明け、いよいよ台風に備える季節だけど、今年はあまり台風が発生したとは聞かないね。

 記者 その通りなんです。平年なら6月末までに平均4・5個の台風が発生しているのですが、今年は3月24日に1号が発生してから7月12日に2号が発生するまで4カ月間近く発生していませんでした。3号もまだ確認されていません。気象庁によると、1951年の統計開始以来、6月末までの発生が1個以下なのは、今年を含めてこれまで5回だけでした。

 Q そもそも、台風はどうやって発生するの?

 A フィリピン東方沖が「出生地」です。海面水温が高い熱帯の海上で次々と発生した積乱雲が多数まとまって渦を形成し、その渦の中心付近の気圧が下がって熱帯低気圧になり、その中で風速が毎秒17メートルを超えたものを台風と呼びます。カリブ海で発生するハリケーンやインド洋のサイクロンもメカニズムは同じです。ただし今年はこれまでフィリピン東方沖での大気の活動が不活発なため、台風の発生が少ないようです。太平洋赤道域の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」が昨年夏から今年春まで続いた影響ではないかと見る専門家もいます。

 Q 一方で今年の梅雨が大きな被害をもたらしたのはなぜ?

 A 梅雨の時期に日本の北側で発生することが多い涼しいオホーツク海高気圧が現れずに気温が平年より高かったことに加え、日本列島南側の太平洋高気圧が例年より強かった影響で、暖かく湿った空気が西日本に流れ込みやすかったのです。このため西日本を中心に大雨が降り続き、各地で土砂災害を引き起こしました。

 Q 今年はこのまま台風が少ないと考えていいの?

 A 気象庁によると、台風の発生はその時々の気象条件に左右されるため、発生数を予測するのは難しいようです。これまでの発生が少ないからといって、今後も少ないかどうかは分かりません。発生後は、暖かい海面から供給される水蒸気をエネルギー源として発達しますが、夏は日本近海の海面水温も高くなるので、発達して勢力が衰えないまま最盛期の台風が接近しやすくなります。

 また、台風ができる前後の熱帯低気圧や温帯低気圧の段階でも、風速が弱いだけで強い雨が降ることがあります。梅雨に引き続き警戒が必要で、油断は禁物です。(社会部)

最終更新:7月20日11時43分

確かに今年は発生数が少ないなぁ。
例年なら既に少なくとも3、4個は来てるはずなんだけどね。
来過ぎるのも正直迷惑な話なんだが、来なさ過ぎるのもどうなんだろう。

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