2010年ヨーロッパGP決勝、クルマが宙を舞う波乱のレースでベッテルが今季2勝目! 可夢偉7位入賞
6月27日23時5分配信 TopNews
2010年F1第9戦ヨーロッパGPが6月27日(日)、バレンシア市街地サーキット(1周/5.419km、6月27日決勝57周/308.883km)で3日目を迎え、現地時間14時(日本時間21時)から決勝が行われた。

前日に行われた予選では、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)がポールポジションを獲得。チームメートのマーク・ウェバーが2番手になり、レッドブルが1列目を独占した。3番グリッドにはルイス・ハミルトン(マクラーレン)がつけている。

セッション開始時の天候は晴れ、気温26℃、路面温度は46℃。スタートでウェバーが大きく後退。ベッテルがトップを守ったが、ハミルトンが2番手に浮上した。その後ウェバーはレース序盤にピットインし、タイヤを交換したが、その直後にヘイキ・コバライネン(ロータス)へ追突して大クラッシュ。これでセーフティカーが導入された。

ほとんどのクルマがピットインしたが、ピットへ入らなかった小林可夢偉(ザウバー)が3番手に浮上。ここでセーフティカー導入時にセーフティカーを抜いていたハミルトンにペナルティー。しかし、2番手につけるハミルトンは可夢偉との差を大きく広げていたため、2番手のままコースへ復帰した。トップはベッテルで変わらず。

その後、可夢偉は速いペースを維持し、5番手以降のドライバーとの差を徐々に広げていった。可夢偉は54周目にピットインし、9番手でコースへ復帰。56周目には可夢偉がアロンソを抜いて8番手に。そして可夢偉は最終ラップにセバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)を抜き7番手に上がった。

一方、トップではポールからスタートしたベッテルがそのまま優勝。ポール・トゥー・ウィンを達成した。

2位から10位までの結果は次のとおり。

2位ルイス・ハミルトン(マクラーレン)、3位ジェンソン・バトン(マクラーレン)、4位ルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)、5位ロバート・クビサ(ルノー)、6位エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)、7位小林可夢偉(ザウバー)、8位セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)、9位フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)、10位ペドロ・デ・ラ・ロサ(ザウバー)までがポイントを獲得。

このレースのファステストラップは、1分38秒766。ジェンソン・バトン(マクラーレン)が54周目に記録したものだった。

【レースレポート】
スタートでハミルトンとフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が1つずつポジションを上げ、マーク・ウェバー(レッドブル)は大きく後退。ハミルトンはベッテルと接触したとピットへ報告していたが、大きなアクシデントはなく1周目が終了した。1周目を終えた段階でウェバーは9番手にまで落ちている。

トップのベッテルはファステストラップを更新しながら周回を重ね、少しずつハミルトンとの差を広げていく。8周目にウェバーはピットイン。ハード側のタイヤに交換し、これで2種類のタイヤを使う義務は果たした。次の周にはニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)もピットへ入り、ソフト側からハード側のタイヤに交換した。

9周目、ヘイキ・コバライネン(ロータス)にウェバーが追突。ウェバーのクルマが宙に舞い、上下逆さまになって着地するほどの大クラッシュに。ウェバーはかなりの高速でタイヤバリアに激突したが、自力でクルマを降りている。これでセーフティカーが導入された。

ここで多くのドライバーがピットイン。ベッテルとハミルトンは順位を守ったが、3番手にはピットへ入らなかった小林可夢偉(ザウバー)が浮上。この混乱の中でアロンソが10番手までポジションを落としている。

15周目からレースが再開。最終コーナーのブレーキングでベッテルがバランスを崩したものの、ベッテルはトップを守った。3番手につける可夢偉と2番手ハミルトンの差が広がっていき、可夢偉の後ろは長い隊列になっている。しかし、抜きにくいコースであることから、4番手ジェンソン・バトン(マクラーレン)は可夢偉を抜けずにいる。

セーフティカー導入時、コースインしようとするセーフティカーを抜いていたハミルトンにドライブスルーのペナルティーが出された。ハミルトンはファステストラップを出しながら、3番手につける可夢偉との差を広げてペナルティーを消化。可夢偉との差が大きくなっていたことから、2番手のままコースへ復帰した。

バトンと可夢偉のギャップは変わらない状態が続いているが、バトンと5番手バリチェロとのギャップが徐々に広がっていく。35周を終えた段階で、バトンとバリチェロのギャップは5.2秒。また、可夢偉のペースは安定しており、自己ベストのタイムを更新しながら周回を重ねている。

37周目、可夢偉の目の前でバトルを展開するブルーノ・セナ(ヒスパニア・レーシング)とティモ・グロック(ヴァージン)が接触。これで行き場を失った可夢偉がバトンに抜かれそうになったが、可夢偉はポジションを守ることができた。

可夢偉はその後も自己ベストの更新を続け、セクター2では全体の最速タイムを記録しながら走っている。47周目には、ハミルトンが記録したファステストラップからコンマ1秒しか遅れていないタイムで走行した。

54周目、ここでついに可夢偉がピットイン。可夢偉はアロンソの後ろ、ポイント圏内である9番手でコースへ復帰した。
56周目、可夢偉はブレーキングでミスをしたアロンソをオーバーテイク! これで8番手に浮上した。そして最終ラップの最終コーナーで可夢偉は、セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)も抜いて7番手でチェッカーを受けた。

トップでは、ポールポジションからスタートしたベッテルがポール・トゥー・ウィンを達成。ハミルトンはペナルティーを受けながらも表彰台を獲得した。

なお、セーフティカーが導入された際のラップタイムについて、以下のドライバーがレース後に審議されることになっている。

バトン、バリチェロ、ニコ・ヒュルケンベルグ(ウィリアムズ)、ロバート・クビサ(ルノー)、ビタリー・ペトロフ(ルノー)、エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)、ビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア)、セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)、ペドロ・デ・ラ・ロサ(ザウバー)。

シーズンの折り返し地点にきたF1、次の舞台はイギリスのシルバーストン。コースレイアウトが新しくなったシルバーストンで行われるイギリスGPは、7月9日(金)現地時間10時(日本時間18時)に開幕。決勝は11日(日)現地時間13時(日本時間21時)にスタートする。

最終更新:6月28日0時14分

可夢偉は7位か。入賞おめでとう。

暗黒の稲妻
BGM:アズ・グット・アズ・イット・ゲッツ(Byラット)