実は買い!ミニノート選び、春の鉄則
nikkei TRENDYnet2月12日(金) 12時32分配信 / テクノロジー - テクノロジー総合

ハイスペックなNECのネットブック「LaVie Light BL530」  薄型低価格ノート(CULVノート)に押されて、やや影が薄くなった印象のあるミニノート。だが、新型Atomが登場し、高解像度なディスプレイを備えた製品が増加するなど、着実に進化している。薄型低価格ノートに処理性能では劣るものの、価格は断然安く3万円台から購入可能だ。メーンではなくサブマシンとして、使い道さえはっきりしていれば“買い”なのは間違いない。ミニノートの最新トレンドを見ていこう。

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新型Atomとは?

 ミニノートの今シーズンの一番のトピックは、ネットブックのCPUがAtom N450(1.66GHz)に変わったことだ。同じタイミングで登場したインテルの「Core i」シリーズと同様、メモリーコントローラーとグラフィックス機能をCPUに内蔵したのが特徴だ。演算コアとのデータのやりとりが高速になり、全体のパフォーマンスを高めた。64ビット版のOSも新たもサポートした。CPUのコア数は1つ。従来のAtom N280などと同様、同時に2つのスレッドを実行するハイパースレッディング機能に対応している。クロック周波数もAtom N280と変わらない。

気になる新型Atomの実力は?

 新型Atomはどれくらい速くなっているのかAtom N270(1.60GHz)を搭載したネットブックと比較した。使用したのは、NECの「LaVie Light BL530」と「同 BL330」。BL530は、2GBのメモリー、OSにWindows 7 Home Premiumを搭載する、ネットブックの中ではハイスペックな機種。BL330は1GBのメモリーとWindows 7 Starterを搭載した今シーズンのネットブックの標準仕様の機種だ。

 比較に用意したのは、2008年に登場した平均的なスペックのネットブック。Atom N270(1.60GHz)、1GBのメモリー、160GBのHDDを搭載する。OSはWindows 7 Enterpriseをインストールしている。

 CPUのスコアは、Atom N270を上回っているが、大差はない。差が出たのはグラフィックスのスコアで、Atom N270搭載機種を大きく上回る3.0になった。Windows 7のスコアは7.9が最高で、3.0以上がWindows 7を快適に使える目安とされている。Atom N450搭載ネットブックは、CPU以外すべてが3.0になっている。

 次に、ベンチマークソフトの定番「CrystalMark 2004R3」をそれぞれ実行してみた。CPUの性能は、ALUとFPU(浮動小数点演算装置)の項目で比較する。

 ALUとFPUの値は、Atom N450がAtom N270を上回っている。グラフィックス性能を示すGDI、D2Dは違いがほとんどない。以上のことから、CPUの処理性能は向上しているが、大幅に上昇しているわけではない。一割程度の向上にとどまる。Core 2 DuoからCore iのような変化は見られない。

データ交換に便利なUSBメモリー機能

 富士通「FMV-BIBLO LOOX M」とNEC「LaVie Light」でユニークなのが、ほかのパソコンと接続すると、USBメモリーとして認識される「USBメモリー機能」だ。メーンパソコンがほかにあり、サブとしてミニノートを使う人向けの便利な機能だ。

 NECの場合、この機能を「USB Duet」と呼んでいる。セットアップすると、仮想のUSBメモリーが作成され、「コンピューター」に表示される。メーンパソコンとUSBケーブルで接続すると、メーンパソコンの「コンピューター」にも、仮想のUSBメモリーが表示される。受け渡ししたいデータをこの仮想のUSBメモリーに保存すれば、簡単にデータ交換できる。

1366×768ドットの機種が増加

 ディスプレイのサイズは従来通り10.1型ワイドが主流だ。今シーズは、1366×768ドットの高解像度な機種が増えている。既存の1024×600ドットのディスプレイに比べて文字やアイコンが小さくなるが、デスクトップやウィンドウを広く表示できるため、使い勝手は大きく向上する。Webブラウザーでホームページを表示するときに1画面で広い範囲を表示でき、スクロールの回数が減らせる。

 NECはLaVie Light BL530に高解像度ディスプレイを搭載。富士通の「FMV-BIBLO LOOX M」とソニーの「VAIO Wシリーズ」は、全モデルが高解像度ディスプレイを備える。

WiMAXモジュール内蔵モデルが続々

 通信機能を内蔵する製品も増えている。特に多いのがWiMAXモジュールを内蔵する製品だ。UQコミュニケーションズなどのモバイルWiMAXサービスに申し込めば、外出先でネットに接続できる。まだ全国どこでも通信できるわけではないが、通信エリアは拡大しており、出張で通信エリア内に出かけたときに便利な1日限定プランも用意されている。通信エリアにこだわる人は、イー・モバイルのワイヤレスWANを内蔵した東芝の「dynabook UX/28L」がお薦めだ。

OSはStarterがスタンダード、Home Premium、XPも

 OSのWindows 7は、ネットブック向けのStarterエディションを搭載する製品が大半だ。NECの「LaVie Light BL530」のようにHome Premiumを搭載する製品もある。デル「Inspiron Mini 10」、アスーステック・コンピューター「Eee PC 1001HA」のようにWindows XPを搭載する機種もある。

Windows 7 Starterは、安い代わりに、壁紙が変更できない、エアロが利用できないといった機能制限がある。OSがネットブックの魅力を削いでしまっている感があるのが残念なところだ。

地デジやラジオチューナー搭載製品も登場

 以前はスペック・機能ともに横並びで、デザインしか差別化のポイントがなかったネットブックだが、ユニークな機能を備えた製品が登場している。

 オンキヨーの「C411シリーズ」は、スペックは標準的だが、フルセグの地上デジタルチューナー内蔵モデルを用意。大型のテレビノートと同様に高画質な地上デジタル放送の視聴や録画が楽しめる。また、AM/FMラジオチューナー搭載モデルもラインアップする。録画したラジオ番組はアップルの「iTunes」で管理でき、携帯音楽プレーヤー「iPod」に転送できる。ラジオファンにお薦めの1台だ。

高解像度ディスプレイを搭載
ハイスペックネットブック

NEC

LaVie Light BL530/WH6

実売価格:6万7000円

 従来モデルからデザインを一新し、新色の「フレッシュライム」を追加した。USBメモリー機能「USB Duet」と、ネットワーク経由でデータのバックアップなどができる「FlyFolder」機能を搭載。母艦となるデスクトップなどとのデータのやりとりや同期が楽にできる。

 本体色やディスプレイ解像度、OSなどの違いにより5タイプ14モデルを展開する。CPUはすべてAtom N450。最上位機種の「BL530/WH6」は、1366×768ドットの10.1型ワイド液晶、2GBメモリー、320GBのHDDを搭載するハイスペックモデルだ。OSはWindows 7 Home Premium。バッテリー駆動時間は約7.6時間。スペックや機能が充実しているため、店頭販売価格は6万7000円前後と高めだ。

フルモデルチェンジして丸みのある独特のデザインに
高解像度、WiMAXなどトレンドをしっかりおさえたLOOX M

富士通

FMV-BIBLO LOOX M/G30

実売価格:5万9800円

 従来モデルからデザインを一新。丸味を帯びた「ラウンドデザイン」となり、本体色は白、赤、黒の3色をラインアップした。ディスプレイの解像度が1366×768ドットに広くなった。

 タッチパッドの横に円形のスクロールパッドを備え、円形になぞることで上下のスクロール操作をスムーズにできる。USBメモリー機能とDVDドライブ共有機能を備え、USBケーブルで接続したパソコンとのデータ連携がやりやすい。WiMAXモジュール内蔵モデルとOffice Personal 2007(2年間ライセンス版)が付属するモデルの2種類をラインアップする。

リアルポケットPCを標榜する超小型ノート

 CPUにAtom Z520(1.33GHz)を採用した新書サイズの超小型ノート。重さ約495gと軽く、Windows 7を搭載したノートパソコンとしては最小・最軽量クラスだ。ディスプレイは5.6型ワイド。「Windowsタッチ」に対応しており、指やスタイラスで操作できる。小型ながら、キーボードは約16mmのキーピッチを確保して、従来モデルより入力しやすくなった。WiMAXモジュールを標準で内蔵しており、外出先でもネットにアクセスできる。デザインは質感を重視した光沢仕上げ。カラーバリエーションは黒、赤、ゴールドの3色。

質感の高いボディーは継続
打ちやすいキーボードを搭載

東芝

dynabook UX/28L

実売価格:7万9800円

 東芝のネットブック「dynabook UX」は、CPUにAtom N450を搭載するなど基本スペックは共通だが、通信機能の種類、バッテリー駆動時間、Office Personal 2007の有無の違いで4タイプ9モデルをラインアップする。デザインは従来モデルと同じ。1024×600ドットの10.1型ワイド液晶を搭載する。19mmピッチの大きなキーボードを搭載し、入力しやすいのが特徴だ。

 「UX/28L」はイー・モバイルの通信モジュールを内蔵する。「UX/25L」「UX/24L」「UX/23L」はWiMAXモジュールを内蔵。UX/25Lは大容量バッテリーが標準で付属し、バッテリー駆動時間が約9時間と長い。

1366×768ドット表示の高解像度ディスプレイ
丸みのあるかわいいスタイルのネットブック

ソニー

VAIO Wシリーズ VPCW219AJ

実売価格:6万7800円

 1366×768ドットの10.1型ワイド液晶を搭載したネットブック。キーボードは、VAIOシリーズ共通のアイソレーションキーボード。キーの一つひとつが独立していて打ち間違いしにくい。従来モデルとデザインは変更なし。CPUがAtom N450になり、HDD容量が160GBから250GBにアップ。カラーバリエーションはブルーを追加し、店頭販売モデルはピンク、ホワイトの3色をラインアップする。直販モデルは、SSDが選択できるほか、OSにWindows 7 Home Premiumなどが選べる。

極薄&超軽量&10時間駆動
実用度の高いミニノート

ソニー

VAIO Xシリーズ VPCX118KJ/B

実売価格:9万9500円

 ネットブックより一回り大きい11.1型液晶を搭載したミニノート。厚さ約13.9mm、重さが約765g(店頭販売モデル)と非常に薄くて軽いのが特徴だ。バッテリー駆動時間も標準バッテリーで約10時間と長い。オプションの大容量バッテリーを装着すると約20.5時間駆動する。

 CPUはAtom Z540(1.86GHz)、2GBのメモリー、64GBのSSDを標準で搭載する。店頭販売モデルは、NTTドコモのFOMA HIGH-SPEEDに対応したワイヤレスWANを備える。直販モデルはWiMAXが選べる。


Windows XP Home Editionを搭載
3万4800円の激安ネットブック

アスーステック・コンピューター

Eee PC 1001HA

実売価格:3万4800円

 OSにWindows XP Home Editionを搭載した数少ないモデル。店頭販売価格3万4800円前後はネットブックとしては最安クラスでもある。独自の省電力技術「Super Hybrid Engine」により、約6.5時間のバッテリー駆動を実現。重さは約1.25kg。Windows XPを使いたい人にお薦めの1台だ。カラーはブラックとホワイトの2色。約1万円高いOffice搭載モデルもラインアップする。

Eee PCシリーズ最長の約11.7時間駆動

アスーステック・コンピューター

Eee PC 1005PE

実売価格:4万4800円

 「Eee PC 1005PE」は、標準で6セルのリチウムイオン充電池を採用し、シリーズ最長の約11.7時間のバッテリー駆動を実現したのが特長。スペックはネットブックとしては標準的で、OSにはWindows 7 Starterを採用する。

マルチタッチ対応のタブレットPC
960gの小型軽量Eee PC

アスーステック・コンピューター

Eee PC T91MT

実売価格:5万9800円

 1024×600ドット表示対応の8.9型ワイド液晶は、ヒンジ部分が回転するタブレットミニPC。マルチタッチをサポートしており、画像の拡大・縮小が2本指でできる。スタイラスでの操作も可能。タッチ操作用のインターフェース「Touch Gate」モードも備える。

 スペックは、CPUにAtom Z520(1.33GHz)、2GBのメモリー、32GBのSSDを搭載。ワンセグチューナーも内蔵する。

最新CPUを採用した定番機種

日本エイサー

Aspire one 532h

実売価格:3万9800円

 「Aspire one」は、アスーステック・コンピューターの「Eee PC」シリーズと並ぶ、人気のネットブックだ。最新機種の「532h」は、CPUを刷新したほか、ボディーを0.2mmほど薄くした。本体色はサファイア・ブラック、パール・シルバー、ルビー・レッドの3色。店頭販売価格は3万9800円前後。サファイア・ブラックとパール・シルバーには、Office Personal 2007の2年間ライセンス版モデルもあり、価格は4万6800円前後。

地デジやFM/AMラジオチューナーを内蔵
個性的なネットブックを展開するオンキヨー

オンキヨー

C411A6

実売価格:5万4800円

 10.1型ワイド液晶を備えるネットブック。ネットブックとしては国内初の地上デジタルチューナー内蔵モデルを用意。miniB-CASカードを使うことで、地上デジタルチューナーをminiPCIカードの大きさに収めた。新開発のAVソフト「PureSpace」で地上デジタル放送の視聴や録画が可能。処理性能の低いネットブックでもスムーズに地上デジタル放送を視聴したり、録画したりできるという。店頭販売価格5万4800円前後。FM/AMラジオチューナー内蔵モデルも同4万9800円前後で販売する。

最終更新:2月12日(金) 12時32分

まぁ個人的に言うと持ち運びが苦でではなく、お値段がお手頃(3~7万)だといいのかなぁと。
外に持ち運びするのだからやっぱその辺は気になるかなぁと思います。

暗黒の稲妻
BGM:ハローグッバイ(ByYUKI)
    ※初出:シングル(2004年11月10日)/「joy」(2005年2月23日)