ゴジラの呪い?冷血なヤンキースGMに批判集中
12月17日16時57分配信 夕刊フジ

 キャッシュマンよ、ニューヨークから出ていけ!! エンゼルス入団を発表した松井秀喜外野手(35)だが、皮肉なことにニューヨークでは“ゴジラの呪い”現象が勃発している。非情な条件提示で松井をエンゼルスへはじき飛ばしたヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(42)に対し、日米のファンから批判の声が上がっているのだ。冷血な経営方針の前に、ワールドシリーズMVPの栄誉は踏みにじられたと地元市民まで怒り心頭だ。

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【「キャッシュマンには耐えられない」】

 「松井がエンゼルスへ移籍」。電撃的なニュースが駆けめぐった14日から、ニューヨークでは痛烈なヤンキース批判が飛び交い続けている。地元有力紙「ニューヨーク・タイムズ」の読者投稿には、松井をお払い箱にしたヤンキースに不満をぶつける米国人ファンの声がズラリと並んだ。

 《醜い結末だ。ワールドシリーズのヒーローが捨てられた。松井はア・リーグ屈指の打者であり、(勝負強い)“クラッチ”そのものだったのに》《この球団は、あのベーブ・ルースですら、年を取ったからと言って見捨てたチームだ》《ヤンキースにとって、野球はビジネスでしかない》

 集中砲火を浴びたのが、スーパースター軍団ヤンキースの編成を一手に担うキャッシュマンGMだ。「ヤンキースが好きだし、ニューヨークが好き」「来季は外野の守備に就きたい」という松井の声に、まったく耳を貸すこともなく、「あくまでDH専任」と繰り返した。徹底してビジネスライクの姿勢を貫き、意図的に松井をチームからはじき出したと、批判の矢面に立たされた。

 《キャッシュマンには耐えられない。松井の代わりに、キャッシュマンをどこかへやってしまえばいい!!》

 この投稿を見たキャッシュマンGMは、身の危険さえ感じたことだろう。今季、エースのCCサバシア、3番テシェイラらを獲得してチームを世界一に導いたことで手腕が再評価されていた男が一転、悪役に。そもそも、松井を放出した張本人、キャッシュマンGMとは、どんな男なのか。

 ケンタッキー州レキシントンの馬主一家に生まれ、ワシントンDCにある名門アメリカ・カトリック大学時代の1986年にインターンとしてヤンキースの球団業務に就いた。競馬も手がけるヤンキースのジョージ・スタインブレナー・オーナーが父親と親しかったためによる“コネ入社”だったという。それでも、98年には当時史上2番目の若さとなる30歳でGMに就任。同年、GMとしては史上最年少で世界一となった。

【情よりビジネス】

 契約交渉の速さや、大型契約を断行する決断力には優れているが、野球の方は学生時代に内野手としてプレーした程度。データを重視するドライな見方で、最近ではニューヨークで絶大な人気を誇っていたバーニー・ウィリアムス外野手やジョー・トーリ監督の放出で批判を浴びた。

 オーナー一族に取り入って潤沢な資金を引き出して超一流選手を獲得し、データだけを頼りにいらなくなった選手は情け容赦なく切り捨てる。これが、キャッシュマンGMのスタイルだ。

 さらに、投稿にはヤンキースの今後を悲観するニューヨーク市民の声が相次いだ。

 《ヤンキースは自分たちを恥じさらしだと悟るべきだ。松井は、自分たちのために多大な貢献をしたというのに。松井に“サヨナラ”を言うことによって、ヤンキースは日本では、ちっぽけな存在になる》

 確かに2003年の松井の入団で、名門ヤンキースの日本における認知度は不動のものとなった。日本から観光客、広告などジャパンマネーを呼び寄せるなど、松井がニューヨークにもたらした経済効果は、年間1億ドル(約89億円)ともいわれる。プレーとマネーでニューヨークを潤した松井を捨てたヤンキースの対応は、いかにビジネスとはいえ、地元ファンには受け入れられない結末だったようだ。

 かつてベーブ・ルースをヤンキースに放逐したレッドソックスが、“バンビーノの呪い”によって、2004年までの86年間、ワールドシリーズ優勝から遠ざかったのは有名な話だ。今度は、ヤンキースに“ゴジラの呪い”が…。

最終更新:12月17日17時11分

のっけから穏やかでない物騒な書き出しな記事だがファンが憤慨するのも当然でしょうねぇ。
データーだけでいらなくなったらハイ、サヨナラと情け容赦なく切り捨てる。来年頑張っても、シーズンが終わる頃にまたわき上がるでしょうねぇ。

暗黒の稲妻
BGM:塀までひとっとび(Byサディスティック・ミカ・バンド)