予算10万円! 最強PCの賢い買い方
nikkei TRENDYnet12月14日(月) 12時 0分配信 / テクノロジー - テクノロジー総合

インテルの最新CPU、Core iシリーズ  ボーナスシーズンを迎えて、新しいパソコンを買おうと考えている人もいるだろう。これから買うのなら、インテルの最新CPU「Core i」シリーズを搭載したモデルがお薦めだ。フォトレタッチや動画編集、音楽編集などのヘビーな作業をスムーズにこなせるのはもちろん、処理性能の高いパソコンは、長く使えて経済的。予算が気になるところだが、スペックをカスタマイズできる直販モデルなら、スペック選びをちょっと工夫するだけで安く購入できる。予算はズバリ10万円。直販メーカーのCore i搭載パソコンを安く賢く購入する方法を紹介しよう。

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Core iシリーズを選ぶ理由

 Core iシリーズとは、インテルの最新アーキテクチャを採用したCPUだ。メモリーコントローラーをCPUに内蔵するなど、Core 2シリーズから構造が大きく変わっている。さらに、動作周波数を自動的に引き上げて処理性能を高める「ターボブースト」、一つのCPUコアで同時に2つのスレッドを実行する「ハイバースレッディング」など、Core 2シリーズにはない機能を盛り込み、高いパフォーマンスを実現した。詳しくは関連記事1、関連記事2を参照してほしい。最強パソコンというからには、最高クラスのCPUであるCore iシリーズは外せない。

 Core iシリーズには、昨年登場した「Core i7 9xx」(コードネーム:Bloomfield)と、今年9月に発売された「Core i7 8xx」「Core i5xx」(コードネーム:Lynnfield)がある。いずれもCPUコアを4つ持つクアッドコアCPUだ。Core i7はハイバースレッディングに対応し、同時に8つのスレッドを実行できる。Core i5はハイパースレッディング未対応だ。Core i7にはBloomfieldとLynnfieldの2種類ある。Lynnfieldの方が性能と価格のバランスがよく、搭載パソコンの価格も安い。予算10万円で最強パソコンを手に入れるには、LynnfieldのCore i7を搭載したモデルを選ぶのが正解だ。

BTOはココにお金をかける! ココはケチる!

 パソコンを選ぶポイントは色々あるが、まず基本的な処理性能を重視したい。予算を抑えて処理性能の高いパソコンを手に入れるには、お金をかける部分と、かけない部分をハッキリ分けよう。パソコンのパーツは交換しやすい。購入後にパワーアップすることを考慮して、どこにお金をかけるか考えよう。

 こうしたパソコンの選び方をするのなら、BTOでスペックをカスタマイズできる直販モデルのパソコンが最適だ。予算を抑えて最強パソコンを手に入れるなら、デスクトップを選ぼう。多くの組み合わせの中から選択できる。ボディー内部に余裕があるので、購入後のパワーアップもしやすい。BTOでは以下のポイントを踏まえて選んでみよう。

・CPU(優先度:高)……パソコンの性能を左右する重要なパーツなので、一番お金をかけるべき部分だ。購入後の交換は難しい。

・メモリー(優先度:中)……Windows 7を使うのなら2GBあれば問題なし。デスクトップであれば、メモリーの増設・換装は簡単だ。初期費用を抑えるために、最低限にするのも手だ。

・HDD(優先度:低)……最低容量で十分。データの保存場所に困っても、購入後に内蔵HDDや外付けHDDでカバーできる。HDDより高速なSSDを選べる機種もあるが、予算10万円に抑えるのは難しい。

・グラフィックス(優先度:低)……3Dゲームを遊びたいのなら、高性能なグラフィックスカードを選ぶべき。そうでないのなら、エントリークラスのグラフィックスカードで十分足りる。購入後に高性能なものに交換できるモデルが多い。

・光学ドライブ(優先度:低)……ソフトのインストールやCD/DVDの作成ならDVDスーパーマルチドライブで間に合う。HDDと同様に、購入後に内蔵や外付けのドライブでカバーできる。

・OS(優先度:低)……Windows Home Premiumで問題なし。32ビットと64ビットのどちらを選ぶかは、使いたい周辺機器やソフトに合わせて決めよう。価格はどちらでも変わらない。メモリー容量を増やしたい人は64ビットを選ぼう。

 最新の3Dゲームで遊ぶ、Blu-ray Discのコンテンツを見る、作成するといった用途でないのなら、CPUに一番お金をかけよう。メモリー、グラフィックス機能、HDD、光学ドライブなどは必要に応じて、購入後にパワーアップすればよい。10万円で最強パソコンを賢く選ぶための買い方だ。

賢く買うにはキャンペーンを見逃さずに利用する

 直販パソコンでは、ディスプレイの有無やOfficeソフトの有無、セキュリティーソフトの有無なども選択できる。2万円前後で20型ワイド(1680×1050ドット)クラスのディスプレイが買える。パソコンと合わせて12~13万円程度の予算を考えればよい。

 サウンド機能は、音質や機能に特にこだわらない限りマザーボード搭載のもので十分だ。サウンドカードや外付けオーディオユニットを後から取り付けることもできる。ソフトは後から購入してインストールできる。直販パソコンメーカーは、割引キャンペーンを頻繁に実施している。新聞広告やWeb広告限定の商品もあり、こうしたキャンペーンや広告を賢く利用して価格を抑えよう。

Core i7搭載のスタンダードマシン

デル
Studio XPS 8000

価格:10万481円

CPU:Core i7-860(2.80GHz)
メモリー:4GB
HDD:500GB
グラフィックス機能:GeForce GTS 240
光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
OS:Windows 7 Home Premium 64ビット

 価格と性能のバランスのとれたミニタワー型。本体の上面にUSBポート、前面上部にメモリーカードスロットを備える独特のデザインが特徴だ。大きなきょう体なので机の下に置いて使うことになるが、アクセスしやすい位置に利用頻度の高いポート類を配置してユーザービリティーを高めている。ボディーはピュアホワイトとメタリックシルバーのツートンカラーで、大きさを感じさせないように配慮している。

 CPUはLynnfieldのCore i7/i5が選択可能。メモリーは最大16GB、HDDは最大2TBまでつめる。ベースモデルのスペックが高いため、CPUにCore i7-860(2.80GHz)を選ぶだけで、高性能なモデルに仕上げられる。ここでは「モニタセットパッケージ」からディスプレイを省略し、CPUをCore i5-750(2.66GHz)からワンランク上のCore i7-860(2.80GHz)を選んだ。そのほかはすべて基本構成のままだ。

2万円プラスしたら?

予算を2万円増やせば、21.5型ワイドディスプレイ(プラス1万6500円)が追加できる。8GBのメモリー(プラス1万6800円)、1.5TBのHDD(プラス2万1000円)、Blu-ray Discドライブ(プラス2万1000円)も選択肢に入る。6GBのメモリー(プラス8400円)、1TBのHDD(プラス1万2600円)、GeForce GTX 260(プラス1万2600円)など、細かくアップグレードして基本性能を底上げするのもアリだ。

コストパフォーマンス抜群のCore i7パソコン

日本ヒューレート・パッカード
HP Pavilion Desktop PC e9280jp/CT

価格:10万1220円

CPU:Core i7-860(2.80GHz)
メモリー:4GB
HDD:640GB
グラフィックス機能:GeForce GTS 230
光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
OS:Windows 7 Home Premium 64ビット

 最小構成で7万円台のお手ごろミニタワー型。ベースモデルはCPUにCore i5-750(2.66GHz)を搭載する。BTOのオプションが比較的安価なので、予算重視の人に向いている機種だ。拡張性の高さが魅力で、高性能なグラフィックスカードや着脱式のHDDなどが選べる。メモリーは最大12GBまで搭載可能。HDDは最大4.5TBまでつめる。地上デジタルチューナーと大容量HDDを選択して録画用パソコンにするのも面白い。初期費用を最小限に抑えて、購入後にパワーアップしたい人にお薦めだ。

 今回は、CPUをワンランク上のCore i7-860(2.80GHz)にアップグレードし、メモリーを4GB、HDDを640GBに強化した。

2万円プラスしたら?

8GBのメモリー(プラス1万5750円)、BDドライブ(プラス1万3650円)、GeForce GTS250(プラス1万5750円)、地上デジタルチューナー(プラス1万8900円)など豊富な選択肢がある。1TBのHDDを2台搭載してRAID0構成(プラス1万5750円)を選んで、容量と速度アップを図れば、より高速なパソコンになる。

コンパクトな10万円最強PC

日本ヒューレート・パッカード
HP Pavilion Desktop PC s5250jp/CT

価格:10万1430円

CPU:Core i7-860(2.80GHz)
メモリー:2GB
HDD:1TB
グラフィックス機能:RADEON HD 4350
光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
OS:Windows 7 Home Premium 64ビット

 Core iシリーズを搭載したコンパクトなモデル。設置場所をとらないのが特長だ。半面、ほかの機種よりも拡張性が劣る。購入後のカスタマイズ性はミニタワー型より劣る。Core i5-750(2.66GHz)を採用した最小構成の価格は7万円台前半だ。CPUをワンランクのCore i7-860(2.80GHz)を選んでも9万円を切る。ここではさらにHDDをパワーアップして1TBにしてみた。HDDの代わりにメモリーを4GBにするのもいいだろう。

2万円プラスしたら?

6GBのメモリー(プラス2万1000円)、BDドライブ(プラス1万3650円)といった選択が可能。地上デジタルチューナー(プラス2万1000円)を追加して、高性能なテレビパソコンに仕上げるのもお薦めだ。

カスタマイズ前提の上級者向け

エプソンダイレクト
Endeavor Pro4700

価格:11万2980円

CPU:Core i7-860(2.80GHz)
メモリー:2GB
HDD:250GB
グラフィックス機能:RADEON HD 4350
光学ドライブ:DVD-ROM
OS:Windows 7 Home Premium 64ビット

 ライバル機種に比べるとコストパフォーマンスは劣るが、高性能なグラフィックスカードが選べるなどBTOの選択範囲が広いのが魅力。拡張性が高く、購入後に積極的にカスタマイズしたい上級者に向いている。OSにはWindows XPやVistaも選択可能だ。最小構成では10万9830円だが、CPUをCore i7-860(2.80GHz)にアップグレードすると11万円を少し超えてしまう。2010年1月12日まで7350円引きのキャンペーンを実施している。

Core i7搭載の最安モデル

マウスコンピュータ
Lm-i700S

価格:8万9880円

CPU:Core i7-860(2.80GHz)
メモリー:4GB
HDD:500GB
グラフィックス機能:GeForce GT220
光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
OS:Windows 7 Home Premium 64ビット

 今回ピックアップした中で一番安いモデル。Core i7-860(2.80GHz)を搭載して9万円を切る。4GBのメモリー、500GBのHDD、DVDスーパーマルチドライブなど、CPU以外も充実している。BTOメニューで、8GBのメモリー(プラス1万2600円)、1TBのHDD(プラス4830円)、BDドライブ(プラス9870円)など必要に応じてスペックを強化しよう。HDDの代わりにインテル製SSD(80GBがプラス2万4150円、160GBがプラス4万7250円)も選択可能。

※価格は2009年12月11日時点のものです。

(文/湯浅英夫)

最終更新:12月14日(月) 12時 0分

この記事を読むと最新機種で最新OSな訳ですが・・・。
う~ん稲妻が買うとしたら最新でなくてもいいかも(笑。と言うより最新のチップセットだとちと不都合が有る可能性もあったりします。どうしても1,2世代前のチップセットのマザーとCPUにした分、余ったお金はグラフィックカードとメモリ、HDDに回そうかなぁと。OSはLinuxなのでOS代はゼロで(笑。SSDはまだ高いのでHDDを大容量にしたいなぁ。
まぁ言い始めたらキリがありませんが・・苦笑。

暗黒の稲妻
BGM:オーキッド(Byブラック・サバス)