和泉寺跡から人名瓦 “幻の寺院”の存在裏付け
11月27日15時36分配信 産経新聞

 大阪府和泉市府中町の和泉寺跡で、奈良時代(8世紀)ごろの人名が刻まれた瓦が府教育委員会の発掘調査で見つかっていたことが27日、分かった。寺を建立する際に寄進した貴族や、僧侶の名前とみられるという。和泉寺跡一帯ではこれまで、地元の人が瓦を採取したことなどから寺院の存在が推定されていたが、文献にも記録がなく幻の寺院とされていた。今回の調査で初めて存在が裏付けられることになった。

 調査では、瓦の破片が200点以上出土し、そのうち3点で文字が確認された。文字は、瓦を焼く前にくぎのような先端のとがったもので刻まれており、「坂合マ(=部)連前(さかいべのむらじまえ)」や「讃美(さみ)」のほか、「寺」の文字の一部が確認された。

 「坂合マ連前」は、氏族の階級を示す「連」の文字があったことから、当時の都・平城京(奈良市)にいた中央貴族で坂合という名の氏族の可能性があるという。「讃美」の「美」は「善」の文字の可能性もあるが、僧侶の名とみられるといい、巧みな筆遣いで記されていた。

 発掘現場一帯ではこれまでに、白鳳-奈良時代(7世紀後半~8世紀)の瓦が複数見つかっているが、発掘調査もほとんど行われておらず、実態が全く分かっていなかった。府教委は「僧侶や貴族とみられる名前、寺という文字の瓦もあり、古代寺院があったことが確実となった」としている。現地公開は28日、30日、12月1日のいずれも午後1時から。駐車場はない。

事実は小説よりも奇なりという言葉がありますよね。
もし仮に地中深くに寝ていたと仮定したならば今のような世紀の大発見となったでしょうかねぇ。

暗黒の稲妻
BGM:Over the rain ~ひかりの橋~(Byflumpool)