いつからこんなことになってしまったのだろう。もしもっと前にこうなることに気付いていれば、この事態は防げたのだろうか。俺達は今、ある種族と争いの仲にある。奴等は突然この星に生まれ、目覚ましい進化を遂げて俺達に襲いかかった。長年この星で暮らしてきた俺達の住処を奪い、我が物顔で振舞っている。
昨日も二人、奴等に殺られた。一人は俺の部下、そしてもう一人は…恋人だった。彼女は十日振りの食料を手に入れたため、浮かれ、油断していた。奴等に見つかったのだ。俺が叫んだときは既に手遅れだった。俺の目の前で毒ガスを浴びせられ、もうどうする事もできなかった…。
俺は今、まだ奴等に見つかっていない住処で一人、彼女の「足」を眺めていた。奴等は俺たちを殺すと、決まってその亡骸をどこかへ持ち去る。そのため俺たちは仲間を供養してやることができない。
ガサッと、突然背後で物音がした。驚いて振り向くと、そこには腰から下を失った隊長がいた。「奴等に…見つかった。ここももうダメだ。お前だけでも逃げろ…」「しかし!」「わたしもこれまでのようだ。はやく!」俺は泣きながら隊長に背を向け、走り出した。新しい住処を探さなければならない。そこで子孫を増やさなければ、俺達は絶滅してしまう…。
どれほど歩いただろう。ふと目を上げると、奴等が作った建造物の死角となっているところに食料を見つけた。俺は辺りを見回した。ここで殺られるわけにはいかない。慎重に近づき、すばやく食料の在り処へと走りこんだ。が、「やられた…」トラップだった。特殊な床で、足を絡め取られたのだ。覚悟を決め、思い切り足を引っ張ってみた。「ブチッ!」「ぐあぁ!」千切れた。しかもその激痛で体をよじってしまったせいで、全身床につかまった。「これまでか…」
・・・
「ママ~、またいたよ~。」
「え~、また?どこに?生きてる?」
「ううん、死んでる。ほら、ゴキブリホ○ホイの中・・・」