続き | EGO

続き

Tがでかい顔できないと直感していた俺だが
実際はそうでなかった

逆に金を貸したことで変な信頼を得てしまい
益々横着さが増してしまった

明くる日 俺はいつもの様にお昼の三時過ぎに出勤
既に営業準備を行っていたTがこういった話を持ち込んできた
「おまえカブしきる?」と


最初は株の売買を考えたがそうではなかった

トランプでの簡単な賭け事を俺にさせようとしていたのだ

すでにここまで来ていては何も断る事ができない状態になってしまっていた

なすがままカブのやり方を説明され 誰か誘って仕事後にやることになった

誘ったのはTと仲の良い同僚Sさん
しかしTが仲いいとはいっているが実際Sさんがどう思っているのかは知らない
もはや付き合ってるだけに見えるが まぁどうでもいい

その日 朝までカブを行った結果
Sさんの一人勝ちで俺はSさんに負け分を貸していただくことになった

最後の最後までTはSさんに食い下がり 大胆な賭けかたをしていたが目もあてたくないくらい醜かった

大の大人(とは思いたくもないが)がムキになってイライラしながら勝負してる姿なんて…
こんな大人になりたくない典型的なタイプだった
そんな中で自分も演技しながら「おもしろいっすね~」とかいっちゃって
自分もひどく情けなく感じた


しかしこれもパチンコでの出来事に続き第二の武器となった



そして何日かは馴染んだつもりでいたが
やはり営業中はなにかしら押し付けがましくなる
営業終了後には広いホールの端で意味のない自己満なる説教
俺は思った

なぜ毎日こんなバカと付き合って
時間を弄び 俺の十八番のシルバーができないでいる?と

むなしくて仕方なかった


いくら当時仕事がなかったといっても 何でもかんでも無理に紹介で仕事をはじめたのは大失敗だった
それならば条件の合うところを選び自分で開拓しておけばと…

いままではプライドが邪魔をして背をそむくことができなかったのだが
逆にその考え方が小さくくだらないプライドだったのだ
理不尽なやつには理不尽な扱いで返せばいい
表でかっこつけて裏で泣いてたって何にもなりゃしない
切り替えていくしかない

そう思った

次の日に
一番の責任者である方と話をしアルバイトという形になった
お店も移動になり 金銭面での罰として営業終了後に事務所にて頭を下げることになった

事務所で皆が静まりかえってる中 最初に賭け事をやったものと挙手をさせた

とっさにあげたのはSさんだった

「遊び半分のつもりでやりました 本当に申し訳ないです」となんともいさぎよかった

しかしTは無反応
挙句には責任者が名前を出してからようやく意見をいう

T「賭け事したことについては謝りますけど それで負けてやる気なくなったですとかバカやないとですか?なんでいわんのですかね?いじめられっこですか?納得いきません」


その場で殴り殺そうかと思った

実際 こいつにどうこういったところで都合のいいように事を進められるだけってのはわかってたし 何をいっても動じないどうしようもないやつってのは理解してほしい

その後責任者とTがサシで話し合いをすることになり 

俺は何もいわず二人の方に向かっていった
Tがこの場でもでかい態度をとっていたのに対して我慢できなくなり体が勝手に向かっていたのだ
それを見たTも
「おまえちょっとこいや!」と向かってくる

しかし 責任者の方がとっさに止めるべく怒鳴る
「ダーク(すみませんここでは)!!おまえはもういいから帰れ!!」とTと鉢合わせしない様に言いわたす

我にかえって 拳を握ったまま 俺は事務所をあとにした
その後 どうなったかはわからない
責任者の方がうまく話をしてくれたのか 相変わらずTが横着にいたかは定かでない
聞いた話では それから間もなくしてTの両親が交通事故で亡くなり休業してたとか

これはなにか意味のあることなのか ある意味仕切りとなってくれたのか わからない