日本人がローンといって連想するものは住宅ローンやカードローンといったものだが、韓国ではちょっと違ってくる。
サブプライムローンという言葉について良く耳にしたことがあるだろう。
ご存じの通り、2007年のアメリカの金融市場を揺るがせたサブプライムローンは、本来、信用度が低い借り手への住宅ローンだった。最初は低金利なのだが、数年後には金利が一気に増えてしまう。
当然、借り手はそのことを知っていて契約したわけだが、その頃のアメリカでは、土地不敗神話が横行していた。
土地の価格は下がらない。ローンが返せなくなれば、家を売ればいい。
だが、土地の価格はあるとき、暴落した。
このサブプライムローンにはさらにややこしい、投資会社の不動産証券化というのがある。格付会社からお墨付きを得た不動産証券を投資家が取引をしていた。高倍率なレバレッジをかけて。結果は格付会社が、その証券を格下げしたときに大暴落し、クレジット市場は大混乱に陥った。
サブプライムローンの原因については数多くの書籍が出ている。だが、韓国版サブプライムローンについて聞いたことはほとんどないのではないだろうか?。
韓国版サブプライムローンは「ゆとりローン」と呼ばれている。このゆとりローンとは、「一定年数は利子のみ返済」で、「猶予期間後に元金分が加わり、返済額が増加」するもの。
一つわかりやすい事例を紹介しよう。
Aさんが1億ウォン(750万円)を三年据え置きで借りるとしよう。
これの満期が10年だとする。利子だけなら、年間712万ウォン(53万円)ほどで良い。
だが、元金返済がこれに追加されれば1428万ウォン(108万円)+年間712万ウォンで、合計2140万ウォン(161万円)を返済して行かなければならなくなる。
こうなってくるととても払える金額ではなくなり、家を売らなければならなくなる。家を売ることも、土地の値段が軒並み上昇し続けていることが前提条件となる。
そして、現在、韓国では不動産バブルが崩壊している。
理由は二つ。一つは前回に紹介したPF(プロジェクトファイナンシング)、それともう一つがこのゆとりローンが原因なのだ。
そもそも、不動産の購入を一種の投資と考えて、借り換え、転売で儲けようということだったのだ。だが、前提条件が崩れた以上、今、韓国では不動産の購入より、不動産を借りる人々が増加している。
韓国の不動産市場は2006年から極めて深刻な不況となっており、このまま行けば、ゆとりローンを返済できなくなった人々が増加し、家計債務のさらなる悪化、銀行に不良債権が増加して危機となる。さらにPF問題があり、貯蓄銀行の取り付け騒ぎにまで発展した経緯になったわけだ。