今回は久しぶりにずっと放置していた、天の友達であり、彰さんの天敵である翔くんの過去のお話です


『バニラモカ』の放置期間が長かったので翔くんの説明書 をご利用ください音譜

少なくとも、翔くんの性格はわかるかと思いますあせる




『  おもい  』

※放置した間に中学生になった、天と翔くんです^^



「ねぇ、翔くん」
学校の帰り道、今日も天と2人で下校していて、不意に話しかけられた。

「ん?」
「今日翔くんのお家行きたいな」
最近では、よく俺の家に来て、遊んだり、勉強を教えてやったりする。

――でも、今日だけは…

「ごめんな、今日は用事あるから明日はダメか?」

「あっ、ごめんね…うんっ僕はいつでもいいよ」
天が申し訳なさそうに言うと、ちょうど俺と天の家につながる分かれ道に来た。

「じゃあな、天!」
俺はいつも通り、天の頭を撫でて、左側の住宅街へ進んだ。

「ばいばぃっ!!」
頭を撫でられた天は、少し照れて赤くなりながらいつも言う“ばいばぃ"が今日は酷く心を寂しくさせた。

「ちゃんと、最期くらいは……素直に言えばよかった。」

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「ただいま」
家に帰っても、明かりはなく、夕食はいつも冷たい。
それを四角い箱に入れ、温める。

「……」
今日も置き手紙が、リビングのテーブルの上にあった。
相変わらず、無駄に整った字で『遅くなるから先に食べて、眠って欲しい』とのこと。

でも今日は、それだけではなく、『外に出掛けるな』とも書いてある。

「ふっ、無理だから…」

夕食が全て温まったのは午後5時過ぎ。
これから食べて、片付けると6時頃、十分間に合う。


夕食を食べながら、ふと気づいた。
「俺って、母親の料理の味とか知らないなー・・」
いつも置いてある食事は、俺の知らないうちに家に来て家事をする、知らない人の作った物。

けど、唯一見知った人が作った料理を、食べた事があるのは一人だけ。
「・・りょう……つっ…」


口の中に血の味が広がる。
あいつの味は今でも覚えてる、一番好きだったスープも…塩辛かったけど、温かくて好きだった。


片付けをしながら時計を見ると、6時半を指していた。

まずい、待ち合わせは7時半、間に合わない。
大急ぎで、身支度して家に鍵を閉めて、暗い駅に続く道をひたすら歩いた。

駅に着き、急いで切符を買い

目的地まで行く電車を見つけて飛び乗った。


「あっ、おみやげ・・・・・いいや・・次の時で。」


車内の窓からは、闇に染まった街

昼間とは与える印象が違い、怖いとも思わせるほどだった



電車でしばらく揺られると、目的地に程近い駅に着いた

ここからは歩いて10分で着く。


都心から離れた田んぼ道をひたすら歩くと、古いお寺が見えてくる。

お寺の横に狭い通路があり、そこを通る

 芳井家 と書かれた墓の前で翔は手を合わせた。


「・・・来てやったぞ。感謝しろ・・・りょう・・」




続く→