花の詩女 ゴティックメード【GOTHICMADE】 | 機動兵器産業廃棄物 MS.AC.ZOIDS OR DIE

花の詩女 ゴティックメード【GOTHICMADE】

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ファイブスター物語の永野護氏が監督、脚本、絵コンテ、原画、全デザインetcを務めた劇場用アニメ作品ゴティックメードを初日に観てきました。私としては大満足な出来栄えで、ファイブスター物語ファンに限らずより多くの方に劇場で観てもらいたいと思ったので簡単に感想を書いていこうと思います。(パンフレット情報以上のネタバレはありません)

ファイブスター物語は他の追随を許さない先進的なメカ&キャラクターデザイン、魅力的なストーリー、それらを支える膨大な世界観設定のどれを取っても素晴らしいロボット漫画作品で多く野熱狂的なファンを生み出し、私も昔から大好きでした。私の世代ぐらいまでだとロボットアニメが好きな人間ならファイブスター物語は必修科目のようなものだったと思いますが、そうでなくても、たとえファイブスター物語の漫画自体は読んだことがなくても、そのデザインや立体物は目にしたことがあるという方は多いのではないかと思いますね。

そんなファイブスター物語が8年もの長きに渡る休載(ファンには地獄!)をしている間に作者が一体何をしていたか、ということへの答えが今回のゴティックメードでした。「デザインから作画から何から何まで永野護一人で作るロボットアニメ」というようなアナウンスが最初にあったときにはそんな無謀なことをしないで(実際メイン作画は僅か3人程度らしい)さっさとファイブスター物語の連載を再開してくれよ!と思ったものでしたが今回ゴティックメードを観てその待っていた時間の分だけ報われたような気がしました。もう観ている間はずっと「これが永野護の世界なんだ」っていうエネルギーがスクリーンから迸り続けていて、自分ではどうしようもないくらいの幸福感が押し寄せてテンションが上がる一方でしたね。

なんと言っても永野護氏の描いた最新のメカ(当然ファイブスター物語に登場するロボット、モーターヘッドの流れを汲んだデザインのもの)がアニメで動くということだけで永野メカファンとしてはうれしいのですが、ただ単に絵が動くというだけでなくて、起動するときにはこんな音がする、動きだすときにはこんな風に各部のロックが外れる、周囲を走査するときにはこんなレーザー光を発信する、というような細かい要素が丁寧に描写されていて今までは漫画を読みながら想像して汲み取るしかなかった作者の意図しているであろう部分がどんどん補われていく快感のようなものがありました。

特にサウンドデザインについては非常にこだわっているようで稼動状態の戦闘ロボットというものの迫力が各種効果音によって数倍に引き出されているようでした。観てもらえれば分かるのですがもうドッキュンドッキュンドッキュン!っていった具合で凄いんですよホント(笑)クレジットにゴティックメード起動音、タービン音協力としてIHIジェットサービス(本物の航空宇宙開発している会社のグループ会社)の名前が入っていることからもそのこだわりようが伝わるんじゃないかなと思いますね。

ただ、大予算をかけた超大作アニメというものではないので大勢のキャラクターがもの凄く滑らかに動き回るとか目にも留まらぬスピードのカメラワークに圧倒されるとか最初から最後までド派手なアクションシーンがテンポ良く続くとかっていうような一般的に言うハイクオリティの凄いアニメというのとは違いますし、ともすれば平坦で古臭い印象を受ける作風かもしれません。

でも平和への願い、祈りを込めた普遍的なメッセージ、本来相容れぬはずの立場の少年少女の心の交流を描くストーリーという王道的な部分を素直に楽しみながらスクリーンの端々を彩るデザインや細かな意図を感じられるアクション、背景にある世界観の広がりに注意して目を向けていくと何倍も楽しめるアニメに仕上がっているのではないかなと思います。

あと、これはゴティックメードを観て個人的に感じた部分なのですが、このゴティックメードは最新の作品ではありますが何故かずっと昔から在ったもの、古典であったり神話であったりというような既に良いとか悪いとかの評価の対象外で「ただ価値のあるもの」と定められているものであって、それを今現在の自分がたまたま発見して観ただけに過ぎない、といった印象というか感覚になりました。これは∀ガンダムを観たときにも感じた感覚なのですが、アニメに限らずその道に何十年も費やしてきた情熱的な人間がごく純粋な想いで作り上げた集大成的なものに出会ったときにこんな印象を受けるのかもしれませんね。なんというか、新しいというより角度の異なる本物の価値観や伝説の登場をリアルタイムで目の当たりにしているような、といえば良いでしょうか。なので、こういうものこそ劇場で観れてよかったと思いますし、また観てほしいと思います。

ファイブスター物語自体が20年以上前から続く作品な上に膨大な設定の存在を伝え聞いたりするせいで読んだことのない方にとっては今更入りにくいイメージがあるかもしれませんし、そういう方にとってはファイブスター物語を知らないとゴティックメードを楽しめないのではないかという懸念もあるのではないかと思いますが決してそんなことはないので少しでも興味があったらぜひ劇場に足を運んでほしいですね。もちろんゴティックメードにはファイブスター物語を知っていればこそ楽しめる要素、喜べる仕掛けというものが用意されていますがそんなものは些細なことですし、逆にゴティックメードを観てから初めてファイブスター物語に触れるなんていうことは古いファンにはできない最高のシチュエーションですからむしろ自信を持ってチャレンジしてもらえたら思います。

そもそもファイブスター物語はおとぎ話という設定でその内容も過去や未来を自在に行き来する構成になっているので読み手側だってファイブスター物語が先だろうがゴティックメードが先だろうがどこから入っても自由でしょうし、デザインやストーリーをメインに楽しむのも設定に深入りして楽しむのも自由なはずですからね。そして解らなくなったり忘れてしまったりしたらもう1度読めばいいのです。でも繰り返しになりますがゴティックメードを劇場で観るチャンスというのは今だけなのでこだわりの音響を最大限に楽しむためにもぜひにとオススメしたいですね♪

と、いうわけで取り留めのない文章になりましたが最後に画像やリンクを貼っていきます。ゴティックメードはどれもホントに格好よくてたまりませんね♪ 設定資料集の発売が待たれます。

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■特殊な力を持つ詩女として使命の為、都へ向かう少女ベリン

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■ベリンの護衛を務めることになった帝国第3皇子トリハロン

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■トリハロンの愛騎にして帝国最強のゴティックメード カイゼリン

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■敵側のゴティックメード ボルドックス

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■帝国筆頭騎士のゴティックメード メロウラ



【花の詩女 ゴティックメード公式サイト】
 http://gothicmade.com/

【永野護公式サイト オートマチック・フラワーズ】
 http://automaticflowers.ne.jp/