人間も一番美しいときに標本にできればいいのにな
蝶が恋しい。
蝶のことだけを考えながら生きていきたい。
蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。
あの美しい少年たちは蝶なのだ。
その輝きは標本になっても色あせることはない。
五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、
再び飢餓感が膨れ上がる。
今こそ最高傑作を完成させるべきだ。
果たしてそれは誰の標本か。
――幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、
蝶として私の目に映ったのだった。
イヤミスの女王、さらなる覚醒。15周年記念書下ろし作品。
~KADOKAWA HPより~
これ、湊かなえさん?
と思いながら、
抽象的さには多少村上春樹さんが頭をよぎったりてみたり、
なんかいつもの湊かなえさんらしさがないのかなぁ・・・
なんか、違和感あるなぁ・・・
読み進めて、最初の数ページにわたり描かれた絵に何度も戻り、
ああ、そういう感じなんだ・・・
でもなんかいつもの湊さんとちょっと違う作品かな・・・
そう思いながら読み進めていきましたが、
ああ、そうか・・・そういうことだったのかと、
最後は納得。
イヤミスの湊かなえさんでしたわ。
内容と、
今までの自分(や、自分を取り囲む人たち)の人生を思い思ったことは、
やはり、人はどこで誰と出会うのかって、案外重要なことかもって思ったな。