12/10の午前中、私は年甲斐もなく、ようつべ見ながらヘビーローテーションを踊っていた。そう、この日は前職での下請けさんの宴会のある日だ。前の会社は10月末にて退職し、現在求職中の身であるのだが、なぜか現職ではなく、私が呼ばれる訳。本来ならもう関わり合うこともないので行く必要もないのだが、皆さんいい人達ばかりだったし、声をかけてくれたことに感謝もしているので、行くことにはしていた。誘われた段階で幹事のかっちんから「AKB歌わせてやっからよー」と言われていたので、「こりゃ、間違いなくやらされるな…」と、悟った私は練習をしていた訳だ。
皆さんにはお世話になったし、良い人達ばかりなので言いたくないのだが、彼らの宴会への参加は正直気が進まない。何故かってとにかくキツイんですよ、私には。今までの内容を書くとかなりのボリュームとなるので、取りあえず今回の分だけ書いてみます。
今回の会場は、某温泉街のホテル。皆で温泉に浸かった後にお食事の時間。食事はバイキングで取り放題。で、彼らのやり方は食事というより、完全な宴会スタイルをとる。それぞれが自分の分だけを取ってくるのではなく、とにかく皿に盛りまくってテーブルに並べるというやり方。取ってくるおかずに計画性はなく、食いきれないのは当たり前と化している。
まぁ、それはいいとして、いつも私はあることに怯えていた。そう、それは「油性マジック」への恐怖だ。
それはもう彼らの宴会では定番化されていることなんだが、私の身ぐるみをはぎ取り、マジックで私の全身に卑猥な言葉や落書きを書きなぐるというものだった。これ落とすのかなり大変で、以前は会社の事務員さんにサラダ油で洗ってもらっていたりしていたのだが、今回はそういう役回りの人はいない。てゆーか、考えてみたら事務員さんに落としてもらったのは1回しかない。後は自力で全部落としてきたのだ。しかし、1回では落ち切れず、しばらくは汚れた体で生活をしなければならない。それにここは温泉。落書きだらけの体で温泉なんかに入ったら、生き恥を晒すことになる。あれだけは嫌だ嫌だ思っていたら、「おう!セナ。ほれ!」と、ひっくんがどこからかペンを持ってきた。「うわぁ…」と、思ったが、幸いただの蛍光ペン。ただ、蛍光ペンすら嫌な私は素直に受け取り、そのまま皿の目立たない死角に隠し、事なきを得た。
さて、舞台はカラオケスナックみたいな所に移動。先客がいたが、馬鹿騒ぎしている我々に気分を害したのか、有料のカラオケボックスに移動してしまった。そして、貸切状態になってカラオケ大会が始まった。その直後、ひっくんが私を外に連れ出し、1万円を渡してきた。
ひ「なんか頼まれたら、これ使って買え。」
彼はここで皆が飲む酒代を出すというのだ。こういう所は太っ腹なんですよね。しかし、油断すると試練が待ちかまえている。
ひ「おう。さっきのペンはどうした?」
私「あれは食堂に忘れてきちゃいました。」
ひ「…さっきの奴らんとこ行って『僕も仲間に入れてください』言って歌って来い!」
始まったよ…。こういう難題が宴会が終わるまでずっと続くのだ。何とか言いくるめて会場に戻ると、まーちんが私のことを待っていた。
ま「セナ君ちょっとこっち来いよ。」
ま「動くなよ…。」
まーちんの手にはペンが…。最悪だ。でも、断ると皆が怒るんだよなぁ…。仕方なく私は落書きを受け入れることにした。不幸中の幸いで、油性マジックではなく、ボールペンであった。これならすぐに洗い落せるだろう。まーちんは私の額に「KILL」と書き記した。意図は全く分からん。
さて、現在歌っているのはすーさんであった。私の知らない歌である。何故かすーさんは途中で歌うのを止めて、私にこう言ってきた。
す「セナ!俺の代わりに歌え!」
全然知らないんだよなぁ、この歌。さて、どうしたものか…。仕方なく私は歌うことにした。棒読みで…。すると、私の視界が一瞬真っ暗となり、強い衝撃とともに私は転倒した。
私「いでぇぇぇっ!」
一同大爆笑。床で悶え苦しむ私。私の歌が気に入らなかったのか、すーさんが一人用ソファーを投げつけてきたのだ。衝撃音に驚いたのか、他の客が中を覗いてきたくらいだ。そう、彼らの宴には終始痛みにも耐えねばならないのだ。
続けてリクエストのあったAKBとあやまんJAPANを振付も入れてお披露目。早く終わんねぇ~かなぁ~と思っている時に限って他の客が2組入ってきた。歌い終わると、彼らは熱い拍手を送ってきた。そこには、恥をかき過ぎて何とも思わない自分がいた。私の中の感情はただ一つ。「早く終わんねぇかなぁ…。」
その後も酒の買い付けといったパシリ業務と難題を色々とこなしていった。例えばこんな内容。他の客が歌っている時に「おう。あいつの隣行ってDJの真似をしろ」とかこんな感じ。気持ちよく歌っている赤の他人の邪魔をする訳だ。仕方なく私はDJやピアニストの真似をした。我々一味は大爆笑。他の客からは冷たい視線。これが原因かは知らんが、彼らは先に帰っていった。場内には我々一同と熟女2人組となった。
知らぬ間にかっちんと熟女2人組は仲良くなっていた。踊りかなんかのサークルで来ているとのこと。赤城さんと鈴木さんというらしい。そして、私はかっちんに呼ばれて彼女らと飲むことに。
赤「君、セナ君っていうの?可愛いねぇ~。内の会社の森君みたい~。」
か「セナは童貞なんだよ。」
鈴「嘘ぉ~。可愛い。そもそもセナ君って同性愛者みたいだよねぇ~。」
か「セナは同性愛者なんかじゃねぇど~。おっぱい星人なんだよぉ~。」
またこんな話か…。前の会社に入って何回赤の他人の前で童貞と公表されたことか…。それは私が悪いんだから仕方ない。あえて弁解すると、日本・韓国・中国・タイ・香港の方とは関係をもったことはあります。ただ、素人とだけないだけ…。ちなみに、友人らに仕事中に童貞とかそーじゃねーとか、そういう話をする機会があるか聞いてみたが、そんな奴はいなかった。自分の職場環境は一般とは少々ずれているらしい。それより許せないのが、「同性愛者」の疑いをかけられたことだ。私は中学生の時から度々この疑惑をかけられたことがあり、これが特に嫌である。俺はTDNじゃねーよっ!しかし、そこはかっちんがしっかりフォローを入れてくれた。トホホな内容ではあるが…。
しばらくすると、赤城さんが「卓球やりたい」と、言いだした為、私は卓球をすることになり、宴からの脱出に成功。しかし、卓球場が閉まっていた為、それぞれの部屋に帰ることに。私はついに宴から解放されたのだ。
…のはずだが、部屋のドアがノックされ、そこには赤城さんと鈴木さんがいた。
赤「セナ君だけは私たちの部屋で一緒に飲もうよぉ~!」
鈴「私たちが君のこと鍛えてあげるっ!」
かなり有難迷惑なのだが、彼女らに私は拉致られることに。年下の可愛いおねいさんだったら良かったのに…。
しかし、皆は敏感に反応した。
か「セナが行くなら、俺らも行くっぺよぉーっ!」
結局全員、彼女らの部屋に行くことに。なんなんだろう…。アバンチュールでも期待されているのかな…?
部屋にはボス格の山姥みたいのと、結婚したばかりという新妻がいて、彼女らも加えて飲むことに。会話の中心は我らのボス格であるかっちんが中心である。話の内容は山姥が出してきた甘栗を見て、
か「栗と栗鼠がくっついてクリトリスなんだよぉー!」
こんな類のばかりである。かっちんはかなり酔っ払っている。「大丈夫かな…」と、私は心配していたが、心配する対象を間違っていた。私は自分の身を心配しなければならなかったのだ。かっちんは私に言ってきた。
か「おうっ!セナっ!闘魂注入してやるからこっち来いよっ!」
極めて嫌な予感がする…。しかし、かっちんはかなり荒れている。場の空気を保つ為、私はそれに従うことに。
か「行くぞーっ!元気ですかーっ!うおりゃぁぁぁーっ!!」
チュドカァァーンッ!
私「ひでぶーっ!」
ちなみに、かっちんは肉体労働者で力がかなり強い。酔っ払って制御を失った一撃が容赦なく私の顔面を捉えた。私はその一撃でダウンを喫した。かっちんの気分は上々。私はKO。しかし、これで終わりということはない。私が復帰すると、
か「また闘魂注入してやるよ。」
…断るとかっちんは怒りだしてしまう為、結局私は4発の闘魂注入をくらうことになった。そして、満足そうにかっちんは眠りについた。
山姥の号令により、ついに宴は終了することになった。終始このノリについていけてなかったおっちゃんと私は部屋に戻った。しかし、部屋の鍵が掛っており、中には入れなかったし、誰が鍵を持っているのかも分からない。困っていると、ドアの鍵が開いた。
中にはひっくんと赤城さんがいた。おっちゃんはすぐ蒲団に入って寝てしまったが、私はこの空間に違和感を感じた。そう、ひっくんと赤城さんの着衣の乱れである。
ひ「セナっ!俺のベッドの上のタオル取ってくれ。」
ベッドの上にはタオルなど見当たらない。代わりにあったものは、脱ぎ捨てられたトランクスとブラジャーとパンティー…。
こいつら、ヤッとんたんかいっ!!!( ̄□ ̄;)!!
あー嫌だ嫌だ。何なのこいつら…。皆が寝る部屋だぜ?!誰がいつ戻ってくるか分からないんだよ。それなのにできるって、どーゆう神経してんだろ。しかも、出会って3時間くらいしか経っていないはずだ。女の頭もどーかしてるよ。ババアに興味はねーからどーでもいいけどよ。
仕方なく下着類を取ってあげて赤城さんに渡した。部屋を出る前に彼女はパンティーを落とした。黙ってようと思ったけど、親切な私は拾って声をかけた。
私「これ、忘れ物ですよ。」
すると赤城さんは、餌を取る猿のごとく、スパンと私からパンティーを奪い取り、そのままひっくんと出て行ってしまった。「ありがとうも言えないのか。全く最近のばばぁはよー(呆)」
入れ違いでまーちんも戻ってきたが、彼もすぐに異変に気付いた。
ま「何これ?ヤッてんの?!」
私「ご想像の通りです。」
私は自分の蒲団に入ったが、酒もかなり飲んでいるのに、中々寝付くことができなかった。さっきまで他人がヤッてた場所で寝れっかよ…。
こんな感じで今回の宴は終了となった。しかしまぁ、なんというか…。世の中の女性はこんなにも軽いものなのだろうか。私には全く理解できませんね。それに、可愛くもない人とヤれたって私は全く嬉しくないね。それとも、世間ではヤれれば何だっていいという主張の方が強いんでしょうかねぇ~。