僕は1人でお昼を食べるのが好きだ。というより1人で行動するのが好きだ。
だからといって誰かとご飯を食べたり一緒に行動したりするのが嫌いというわけではない。
誰かと一緒に行動するのもいいが、1人なら誰にも気を遣わなくていいというのがある。
ご飯ならメンバーの食べたいものがバラバラだった時に面倒だし、金ない奴が1人いるとそれだけで行ける店の範囲が狭まったりする。調べるのが面倒でいつもの店に行きたがる奴やちょっと歩く店に行こうとすると渋る奴がいたりする。
だからといって誰かとご飯を食べたり一緒に行動したりするのが嫌いなわけではないが。
そもそも誰かと時間割をがっちり合わせて朝から晩まで一緒に人と生活を一緒にする性質じゃない僕は大学生になって1人でご飯に行くことが多くなった。
街をプラプラ歩きながら今一番食べたいものを脳内会議で導き出す。
今日は焼肉店のバイト漫画を読んでいたのもあって焼肉が食べたかった。
そして安そうな焼肉ランチを探し歩いて食べたのだが、今回は1人焼肉レポートではなく1人焼肉の良さを語りたいので詳細は省く。
1人焼肉はいい。僕は夜でもご機嫌な日は1人で焼肉を食べる。
限られた七輪のスペース、限られたトングの数、到着した肉の数を人数で割って食べられる肉の量を計算するのでは自然と肉を焼いて配ってやる「焼肉奉行」が発生するものだが(僕はそれになることが多い)数人で焼肉に行くと焼き加減に文句を言ってくる奴や、通ぶって人の食べ方にケチをつけてくる奴、焼きあがった肉を手当たり次第にかっさらっていくハゲタカみたいな奴までいる。
しかし1人ならどうか。運ばれてきた肉は全て自分のものだし、自分の好きな焼き加減で焼いて食える。
タレで食べようが塩で食べようが、辛味噌で食べようが自由自在である。
10枚肉が来たら最初の3枚でレア、ミディアム、ウェルダンを試してみて後の7枚を自分が一番気に入った焼き加減で食べまくることができる。
1人なら「焼肉に来たんだから肉を食え!」とか言ってサンチュ以外の野菜を頼ませない奴もいないから食べたければナムルもサラダも気兼ねなく頼める。僕は肉を食え派だけど。
なにより1人焼肉の一番の魅力は「1枚ずつ肉を焼ける」ということだ。
焼き加減の話にも通ずるが、これが一番大きい。
数人で行くと全員が満足するように七輪いっぱいに肉を並べなければいけない。焼く人が限られているのにそんなに並べたらどこかが疎かになって黒焦げになったりする。当たり前だ。人が操れる焼肉の量は3枚がせいぜいだろう。
1人で食べるなら焼くのは1枚ずつでいい。1枚焼きあがったらそれを食べながら新たな1枚を編みに乗せる。最初の1枚を食べ終わる頃には片面が焼けているからひっくり返す。数秒待てば絶妙な焼き加減の肉が出来上がっている。
今焼きあがった肉を咀嚼しながらじっくりと次の肉が焼きあがるのを見守るのはまさに「焼肉を育ててる」という感覚。
広い七輪で1枚だけ肉を焼いているという贅沢感も外せない要素である。
もちろん大勢の焼肉はイベント感が強くてとても楽しい。
それを逆手に取るのが1人焼肉の良さでもある。大勢が当たり前のイベントを独り占めする背徳感と贅沢感。自分の好きな時、好きな焼き加減で全ての肉を食べられるという、感覚だけにとどまらない裏打ちされた美味さも大きな魅力だ。
イベントとしての焼肉も好きだが、やはり僕は1人焼肉のが好きだ。