・・・という映画がある、皆に見て欲しいものだと思える傑作だと思っている。
自分に当てはめるならば、1988年の春休みということになるのかと思う。
大学四年、就職も決まり卒業を待つだけの俺たちは卒業映画の制作?に
取り組んでいた。
サバイバル、ではなくリサイタル、でもないその映画は撮影が終わらずに
お蔵入りになってしまったが、今でもあの頃のあれこれは忘れられずに、
時として鮮明に思い出されてしまう。
さて、現在ではプロの?映像屋のテレビディレクターと呼ばれる立場に
なった俺があの頃を検証してみると面白いことに気が付いたのであった。
当時、コダックの8mmフィルムが確かヨドバシで960円くらい、
現像がドイカメラで600円超えていたと思う。
24コマで2分30秒しか回せないフィルム代が1500円、単純に150秒で
割ると1秒撮るのに10円掛かっていた計算になる。
坂本さんのようにf値を前後2つくらい変えて撮ってたら50円。
俺はセコニックのスタジオデラックスを使っていたので、露出を変える
ことはしなかったが、鈴桂や小澤がNG出せば倍にはなるし長回しを
してないのでフィルムが回ってからアクションが始まるまでの間と
終わってから監督(ようは藤江)がOKというまで回っているので
平均で3倍は回っていたとしよう。
単純に1秒撮るのに30円、1分なら60秒だから1800円、1時間なら
60分なので10万8000円である!
俺はプロのADになってから2回だけフィルムの仕事をしたことがあり、
16mmの時は完成尺の3倍、35mmは2倍しかフィルムを買うことが
出来なかった経験がある。
さて現在、映像は撮ったその場でモニタでチェックが出来ビデオから
メディアに変わったことで前の映像を消して撮り直すことまでできる
ようになってしまった。
当然ながら、カメラマン(キャメラマンではない)の緊張感なんて
無になってしまい、照明さえ変えて何通りも撮る奴すらいる始末。
1秒撮るのに30円掛けてしまった1988年の冬休み、監督に済まないと
思う一方で、ラッシュを見てリテイクになったカットは小夜ちゃんの
林の走り抜け以外に無かったはずの俺の撮影は偉い!と自画自賛して
しまいたくなるのであった。
それにしても今のカメラマン、特にビデオで育った奴らはここにきての
一眼やレンズ交換のシステムに全く付いてこれてなくて悲しくなる。
単玉じゃないと切れが・・・とかいう奴は
→お前、今まで13-20倍のZoomレンズで10年以上撮ってない?
Fが開かないとボケ味が・・・とかいう奴は
→お前、今まで一度も普通に撮るときNDかましてF開けようなんて
してないよな
それどころか俺が長玉で撮れと言った時にピント合わせが難しいと
言ってたよな
それどころか被写界深度が馬鹿みたいに深いの良いことに、ズームで
寄ったら引きでは合ってたように見えてたピントがボケボケのこと
しょっちゅうだったよな
SDカードで無限に回せると思っている馬鹿と、一眼レフカメラで
新しいものが撮れると思っている馬鹿には退場して欲しい、
いや実際には一眼で新しいものが撮れるんだが、それはお前ができると
いうこととは関係なく、機材スペックの話でお前には無理だよと。
文句があるなら1秒に30円掛けて撮影に臨んでみろ、と言いたい。
