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大量虐殺の全てが分かる日本語版【ダルフールニュース】
 http://darfur-news.seesaa.net/


毎日新聞 2008年7月20日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080720ddm041040129000c.html

◇逃げ遅れた両親、目前で殺され--心凍った16歳元少年兵


 「両親を殺されたんだぞ」

少年は激しい形相で記者をにらみつけた。

約20年間に及ぶ南北内戦が終結したアフリカ大陸北東部のスーダン。
 内戦では多くの子供も少年兵として参加。

国連児童基金によると、これまでに約1万2000人の少年兵が武装解除された。

だが、今も多くの子供が複数の武装勢力に加わっているとされ、武装解除後も社会に溶け込めず、孤立するケースも多い。

 南部で暮らすトーマス君(16)=仮名。

97年のある朝、当時の北部政府軍が村を襲った。

銃声で目が覚め、4歳年上の兄と一緒に家の裏に飛び出そうとした。
その瞬間、逃げ遅れた両親が目の前で射殺された。
 5歳の少年にはあまりに残酷な光景だった。


 兄に手を引かれるまま近くの森の中へ逃げた。
野生の果物を食べて飢えをしのぎ、約1週間後、兄と一緒に南部の反政府勢力に加わった。復讐(ふくしゅう)したいと思ったし、ほかに選択肢はなかった。


 拠点では、兵士の食事の世話などをしたが、2年後、上官に「君は小さすぎて重い銃は持てない」と言われ除隊。

今は小学6年として勉強をしているが、卒業したら南部の軍隊に戻るという。

理由を尋ねると、静かに話していた彼が目を見開いて怒った。

 「お父さんもお母さんも殺されたんだぞ」

それ以上は聞けなかった。

どんなに明るい未来がこの国を待っていたとしても、彼の心は冷たく凍り付いたままであることを知ったからだ。


 すぐ隣にいた先生のモグスさん(25)も元少年兵。

父親を病気で亡くし、生活のために反政府勢力に加わった。

そして今「同じ境遇の子供たちを救いたい」とわずかな給料で先生になっている。


「トラウマから、戦争の話題になるとパニックになる子供もいる」。

銃を取りたいと話すトーマス君を見ながら「教え子がそうなってほしいわけはない。けれど……」と寂しそうに話した。


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