一年前の5月に脊柱管狭窄症になり杖なしでは歩けない不自由な日々を送っておりました。6月に小松大谷高校のチアリーディング部が全国大会を賭けた北信越大会に出場するというので、女房を杖替りにと、富山県総合体育館に応援に行きました。

 体育館に着いてエレベーターに乗って会場入口前に貼られてある座席表を見ると、なんと私たちの座席は一番下でした。観客席の階段には手すりがありませんから、<さあ、どうしたものか>と困っていると、その様子を見兼ねた女子の係員の人が近寄って来て「私が座席までお連れしますから、私のこの手を握ってください」と言って、何と後ろ向きに階段を降り始めたのです。私も咄嗟のことでしたので、思わず「私が階段を踏み外して落ちてきたら大変なことになりますよ」と言うと、私の手を一旦離して自分の両手を横に大きく広げて見せて「任せてください。私がこうやって受け止めますから」と言って無事座席まで誘導してくれました。

 「ありがとう」と言うと、「お帰りの際には必ず私に声を掛けてくださいね」と優しく言ってくれて、涙が出るほどうれしかった私の大事な思い出です。もう彼女の顔も忘れてしまいましたが、今でも改めて「ありがとう」と伝えたい気持ちでいます。

前住職の口癖 任した仕事をそつなく無難にこなす人。でも、何か物足りない。