群馬県・武尊神社(川場) | 神社に隠れていたモノ

神社に隠れていたモノ

神社の彫刻を見て、何の物語か教えてほしいと思ったことがあり、調べた結果をブログします。タイトル「神社に隠れていたモノ」は覆屋の中にこんな素晴らしい彫刻が隠れていたのかという思いから付けました。

2023年5月26日 群馬県利根郡川場村村川場湯原の武尊神社に参拝しました。

 

由緒

享保三年(1718)に湯前薬師堂として建立され、宝暦五年(1755)に修復が行われ、享和四年(1804)現在の本殿が完成した。天井には龍の墨絵が描かれ、落款から狩野探雲が描いたものとされます。

本殿  川場村指定重要文化財

 

唐破風下:力神  中備:龍

 

木鼻:龍  龍の尻尾が海老虹梁に巻き付いています

 

欄間に彫刻があります

 

正面(右側):寒山と拾得
寒山と拾得は中国唐代中期の高僧。二人とも詩人としても有名だが、奇行が多い。拾得は天台山国清寺の食事係をしていたが、近くの寒巌に隠れ住む乞食のような格好をした寒山と仲がよく、寺の残飯をとっておいては寒山にあげていたという。また、この二人は文殊菩薩、普賢菩薩の生まれ変わりといわれる。寒山が経巻を開き、拾得がほうきを持つ構図で描かれることが多い。

 

正面(左側):豊干禅師
中国・唐時代の豊干禅師は、天台宗国清寺に住み虎に乗って衆僧を驚かすという奇行で知られていました。拾得は、豊干に拾われたことからその名があり、拾得が残飯を与えた寒山は、詩人として知られています。

 

右面:琴棋書画の棋
「琴棋書画」は東洋で古くから為政者に必須の教養とされた四芸のこと。

 

右面:琴棋書画の琴

 

左面:琴棋書画の書? (書画の区別がつかない)

 

左面:琴棋書画の画? (書画の区別がつかない)

 

内陣の欄間にも彫刻があります。

 

正面(右側):十六羅漢の内、6人
お釈迦様の弟子で特に優れた代表的な16人の弟子を十六羅漢といいます。経典により名称に多少の差異があり、人物の特定は困難。

 

正面(中央):十六羅漢の内、4人

 

正面(左側):十六羅漢の内、6人

 

龍の天井絵

 

コメント:お堂の内も外もたくさんの彫刻で飾られ、龍の天井絵まで描かれています。武尊山の山岳信仰の拠点として栄えたことが伺えます。

 

***  神社と彫刻のリスト  ***