群馬県・雷電神社 | 神社に隠れていたモノ

神社に隠れていたモノ

神社の彫刻を見て、何の物語か教えてほしいと思ったことがあり、調べた結果をブログします。タイトル「神社に隠れていたモノ」は覆屋の中にこんな素晴らしい彫刻が隠れていたのかという思いから付けました。

2022年5月15日 群馬県太田市尾島町の雷電神社に参拝しました。

 

由緒

由緒書きは見当たらない。冠稲荷神社の宮司が兼務しているという情報あり。

鳥居

 

拝殿

 

覆屋

 

本殿

 

右面の胴羽目:唐獅子牡丹

文殊菩薩の霊地である中国の清涼山。そこには石の橋「石橋(しゃっきょう)」があり、文殊菩薩の使いである獅子はそこで咲き乱れている牡丹の花に舞い遊ぶという。獅子には弱点があります。いわゆる"獅子身中の虫"といわれるもので、身体に寄生する虫によって死ぬことがあるのです。しかし、その害虫は牡丹の花から滴り落ちる夜露にあたると死んでしまいます。そこで獅子は夜に、牡丹の花の下で休みます。

 

背面の胴羽目:李白観瀑
李白は唐代を代表する詩人で、流浪の旅の途中で訪れた盧山の瀧を目の当たりに、自然のあるがままの様子に心打たれてただ立ち尽くしたという。

 

左面の胴羽目:鷹と松

 

右面の脇障子:菊慈童
周の穆王に仕えた慈童で、王の枕を跨いだ罪で辺境の深山に流された。しかし、少年に悪意のないことを知って憐れんだ王が、その枕に二句の偈(仏徳を讃えた詩)を書き添えて与えました。慈童がその句を菊の葉に写したところ、菊の葉に付いた露が不老不死の霊水となり、不老不死になったという。

 

左面の脇障子:周の穆王 (右面が菊慈童なので、 深山に流された原因の穆王と推測)

 

腰羽目は3面とも亀。

 

本殿扉が外されている。右面の胴羽目に立てかけてあったのが外された扉なのでしょう。

 

コメント:彫刻は良いが、正面の扉が外されて右面の胴羽目に立て掛けてあったり、左面の胴羽目に絵馬が取り付けていたりと、本殿の扱いがひどい。

 

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