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シューフィッティング余談

 

バチェラーシューフィッターのO氏に手ほどきを受け、感じたのですがフィッティングを優先すると売れる靴なんて本当に限られてくる、とつくづく感じました。お客様が履きたい、と仰る靴を
「足型に合っていませんから」
と断るのか、と。それがファッション性、カッコよさを提案する我々の仕事なのかというところで大いに疑問があります。

それで行くと、コンフォートシューズしか売れなくなる。女性が無理してヒールの高いシューズやトゥの尖がったシューズを履くことを、全否定しなければならなくなる。足を痛めて、靴を変形させて足に沿わせてでもその靴を履く。足が鬱血して、血の巡りが悪くなったとしてもカッコよければ構わない。

そのバランス感覚をどこにおけばいいのか。

私の同期は、だから「シューフィッター」の資格を取ろうか取るまいか悩んでいるそうです。結局売れない靴、足を痛める靴が増えていくだけではないのか、という葛藤があるから、だそうです。

カール・ラガーフェルドはディオールオムを着たいが為に43キロの減量を果たしたそうです。しかし我々は、履きたい靴があるからといって骨を削り、皮を削ぐわけにはいきません。結局皮を伸ばし、靴の形を変形させる、しかも伸びるのはせいぜい横だけで、甲の高低はどうしようもないわけです。考え出すとキリがありませんが、お客様が足がどうこう、よりもその靴を履きたい、と仰るのであればそれに応えていくしかない。

結局そんなことを言い出すと既製品なんて売れませんけどね。完全にフィットするのは注文品しかないわけですし。