確定申告の季節だ。
税理士、という仕事は申し訳ないけれど、確実になくなっていく仕事だと思う。実際、専門学校で19歳で税理士試験合格!なんて広告が踊ることが多かったけれども、じゃ、税理士をとってもすぐ開業できるかというとそんなに甘くはない。

 

思い込みもあるだろうけれど、その業界のことも分からなくても、帳簿だけ見せられて確定申告書を作るのが税理士の仕事だ。けれど、分析をしたり、提案をしたりというコンサルティングができなければ、依頼なんて来ない。事実、開業されている方はファイナンシャルプランナーを持っていたり、社会保険労務士を持っていたりと、多角的なアプローチをしていても、パソコンで簡単に作れる時代なので、顧客は離れる一方だという。

ボクは税理士資格は持っていない。

以前は税務署に22年だったかな?勤務すると、税法科目が免除されて税理士になりやすくなるという制度があったけれど、ボクは5年で"寿退職"(笑)をしたので、当然とれない。

その後、受験を何度か考えたけれど、税理士試験は税法の丸暗記で、「これ、覚えて実務に役立つの?」という疑問から本気で取り組めなくて、(もっとも、試験の時期が自分の指導する部活動の全国大会と重なることもあって)受けないままきた。

 

申告書、書けます。

この時期になると急にお友だちが増えて(笑)、連絡や相談が入ってくる。

もっと税金の、申告の勉強を学校でやろうよ、とも言いたいけれど、今日、話題にしたいのは違う。

税理士法だと代書をしてしまうと法律に抵触する。だから、計算は手伝うけれど、実際の申告書の作成や提出は本人にお願いしてきた。

ところが昨今の電子申告。そのままオンラインで申告もできるし、プリントアウトして郵送することもできる。今年はデータをもらって整理しておいて、横に座ってご自身に入力をしてもらう形を基本にお付き合いさせてもらった。

 

入力をしてみて、便利になったなぁと思う反面、「これでいいのかな?」という疑問が湧いた。

確かに申告書は作れる。けれどプロセスがブラックボックスなのだ。

楽に作れるんだからいいじゃないか。そうも思う。

けれど、プロセスが分からないから「方法だけ」学習することになる。

計算ができればいいの?大変でも、帳簿のチェックや、税制を考える貴重な機会じゃないの?という思いが払拭できない。

どうしても去年より、多い、少ないは感想で出てくるんだけど、なんで金額に変化があるのかが分かりにくい。今年は源泉徴収票の形式も変わったし、マイナンバーの入力も求められる。大げさに言えば、社会経済が変化していることを如実に物語っている。

なのに、ブラックボックスでいいのだろうか。

結果か、過程か。

もちろん、期日に間に合わせなければいけないという結果は重要だ。

けれど、前職でも説明をする仕事も担当してきたし、そのご縁もあるから、現職でも、すでに教える場面はほとんどなくなってきたけれど、微力ながら税務署の広報担当と組ませていただいて、試行錯誤で若い子たちに伝えてきた。

 

けれど、考えて欲しいのは、方法じゃなくて、「この制度でいいのかな」と考える機会にして欲しいと願っている。そういう意味では、いつの間にか給料から税金を引かれている源泉徴収も個人的にはやめて欲しいと思っている。負担したという実感が少ないからだ。

社会人としてはボクは悠長すぎるかもしれないけれど、プラモデルを組み立てるような、過程を重視することも、とても大事なことだと思っている。

昨年、「サイレントマジョリティでいいんですか」というテーマで1時間ほど話をさせてもらった。

ご存じだと思うが、サイレントマジョリティとは、物言わぬ多数派という意味だ。

黙っていると賛成になる。おかしいと思ったら堂々と言おう。そんな話をさせてもらった。

もちろんテーマは財政。

 

確定申告は面倒くさいし、慌ただしいけれど、多くのことを考える機会でもある。

だから、頼まれれば手伝うけれど、お節介とは思いつつ、雑談の中に制度や問題点を交えながら説明させてもらっている、聞いている方は迷惑だろう。

 

けれど、それがボクのこだわりでもあるんだ。