今回は、2006年のデビュー以来、9年連続二桁勝利を記録し、11年間で150もの勝ち星を挙げているジャレッド・ウィーバーについてコメントしたいと思います。

 

ウィーバーと言えば、エンジェルスの大エースだったと言っても過言ではないピッチャーです。

 

このウィーバーを意識して見はじめたは、松井秀喜がエンゼルスに移籍したときの2010年からです。

 

デビューイヤーにいきなり11勝2敗の高勝率と2点台半ばの防御率を叩きだしたときは、随分、勢いのある若者が出てきたもんだと思っていました。
ところが、翌年以降、防御率は悪化の一途を辿り、これは兄のジェフと同様、早熟系で立て直しの利かないピッチャーなのかなという印象に代わり始めていました。

 

しかし、2010年のウィーバーの投球を見て感じたのは、兄とは違い力強さと俺がエースだという気迫を持っているピッチャーであるということです。

 

この2010年は、チーム成績は低迷していたものの、ウィーバー自身はマウンド上で強気を前面に押し出し、援護が無くても、実に辛抱強く投げていました。
ピンチにも動じず、再三に渡って三振で斬って獲り、結果、投球回(224)を上回る233もの三振を奪いました。

翌2011年は18勝を挙げ、2012年、2014年と2度の最多勝を獲得します。

 

そんなウィーバーも近年は、故障の影響もあったのか、球速の低下からジリ貧状態に陥り、2015年は僅か7勝で連続二桁勝利が9年で途絶えます。
翌2016年は12勝はしたものの、キャリア最低の防御率(5.06)を記録してしまいました。

 

FA資格を得たとはいえ、エンジェルズには再契約を結ぶ意志は無かったようであり、半ばチームを去るような形となってしまいました。

 

新たな所属先はどこになるのか?

 

年が明けても所属先が決まらず、このまま現役引退になるのかなと思い始めた矢先でした。
少し前から噂があったパドレスと年棒300万ドルの1年契約を結んだとの朗報が入ったわけです。

 

もう一花咲かせる最大のチャンスがウィーバーに与えられたと思っています。

 

なぜなら、パドレスは先発投手不足であり、実績のあるウィーバーがローテーションに入る可能性は高く、また、本拠地のペトコ・パークはピッチャーズパークであり、経験豊富なウィーバーであれば、球場の広さを考慮した投球術が可能であると考えられるからです。

 

なお、ウィーバーとしては、あと1年だけ現役を続けられればいいなんていう風には思っていないことでしょう。
メジャー200勝という大目標も当然、頭にあると思います。
今季復調を果たせば、あと2・3年メジャーで投げられるかも知れません。

 

ウィーバーの最大の特徴は、変則フォームと相俟って、とにかく球の出所が見にくいというところです。

 

ただ、これだけはメジャーで生き残ることはできませんので、快速球がない点を補うためにも、近年、注目され始めているボールの回転数を上げることに注力した方がよいかも知れません。

 

投球の幅を広げるとともに、自身の特徴を生かして、打者を翻弄する投球を是非、見せて欲しいです!