『[vivo]』★★★★★

このアルバムがランクの中で一番好きです、「おススメのアルバムは?」と聞かれれば

(地図も良いかもしれんが)迷わずこのアルバムを差し出す。

 

今作からオリジナルメンバーのドラマーから元ART-SCHOOLの櫻井さんに変わったようで

スネアがズシンとくるエモいおっさんなのですが、それが今作のヘビーさにピッタリハマってます。

 

「狂った朝」からキンっと冷えた空気にもう虜です。

「何も怖くなどなかった」では安定の弱さとそれを振り切る硬い決意にホッとして

「百日紅」のサビのメロディ美しやしませんか

(完全に感覚なので、何でなのか理論は持てないし、コード進行のマジックを知っていない、持ち合わせていない自分が憎い)

 

「密室」のカッティングが良き、ここまででギターロックとして純度が高いアルバムだと確信

 

んで「シンドローム」

歌詞が昨今のペラい人間関係について歌ったもので、他のバンドもそのテーマを歌ったものはいくらかある。

(コピペパピプペポピーポーパーよ)

 

いやこの曲は歌詞より(いや歌詞も面白いのよ、すたんすたんすたん)

どんなエフェクター踏んでるのよ!と突っ込みたくなる最強ギターリフ!(ワウ、オクターバー、ディレイ?あ、ご本人のブログに書いてたかな)

んでイントロと間奏前のバキンベキン叩きつけるベース!

バシャンバシャンとパワフルなドラム!

ご本人も以前のライブで「しんどい!」とぶちまけてたけど(笑)力強いボーカル!

 

…このカッコよさ説明不要(笑)

 

その後も「誰も知らない」で少し気持ちを抑えて…と言って間髪入れずに

純正ギターロック「泥日」、んで

竿部隊に美味しいところが満載の「螺旋」(サビ歌えれば気持ちいいだろな)(このベースソロも凄まじい)

んでサビの

 

行けえええええええええええええええ 

の叫びが印象的な「風の作り方をしっているか」

 

そして、自分の中のギップルが(漫画『魔法陣グルグル』に出てくるクサイセリフが嫌いな褌の風の精霊CV櫻井孝宏)

全く現れなかった、歌詞に全ての想いを乗せたミドルテンポの熱い「ゲノム」

 

本当に捨て曲が無く、ロックバンドのカッコよさをふんだんに詰め込んだ最高傑作。

 

当初、「かっこいいなあ!」の次に出た感想が「死と生の匂いを色濃く感じるな」だったのですが

ここ最近ご本人のブログを拝見して、やはりそこに焦点をあてられてたようで。

その思いを無知ながらも感覚として感じ取れた自分を少しだけ誉めてあげたい(何様)

というか好きなアルバムだけに書きすぎた(笑)

 

 

『青に染まる白』★★★⋆☆

名は体を表すというのか、前作より少し青臭さを感じる、このタームで『地図』を意識したらこんな素敵なアルバムが!

そんな印象のアルバム

 

「濃藍」の中途のベースで毎回自分はニヤニヤしちゃう。なんちゅう音だと。

「十六夜の月の道」「果てしなく白に近づきたい青」のサビはお得意のパターン、ギター同士の絡みも心地よい

「無限光」みたくぶっ飛んだ曲もあるけど

基本的に少し清涼感を感じるギターロックを、情景豊かに表した曲が多い。

カレーやら缶ビールをつぶすあたり。

以前で270円の(いまや400円くらいするんかな、非喫煙者だから知らんけど)煙草や後のアルバムでシチューも出てきますし。

こういう生活感が垣間見えるの好きですね。(銀杏BOYZしかり、クリープハイプしかり)

(まあ非リアの自分にはまだ「みゆき」にだけ感情が乗れない…いや僻みやん俺の(笑))

 

個人的にこのアルバムの大事な曲はラストトラックの「明日」

プルケリマを彷彿とさせるブリッジミュートからサビで明るく広がるサウンドスケープ

 

闇があるからこそ光に救われる、そんな(単純ではあるけれど)思考回路なので

syrup16gの「翌日」と似たベクトルのこの曲は

よくシューゲイズする自分の顔を上げさせてくれる

「明るい日と名付けた 暗闇の中でその日を(中略)届かない日にもずっと 叶わない日もずっと」

 

 

『メメントモリ』★★★★☆

 

「アルピニスタ」の存在証明

「いきているから」の前進力

「明日死ぬぐらいの感じで」の性急

損失感を歌う「壊れてくれない」

それでもこの先に向け歩みを止めないと宣誓を告げる「はるなつあきふゆはる」

 

など、このアルバムも生きること、死ぬことの歌が色濃く表れている、重い思いのアルバム。

 

それを抜群のセンスとクールさでロックサウンドに落とし込んだ

「閃光」が大おススメ曲です!これを聴くためだけにアルバムを買ってよいです!

サビのしゃくれも好き(笑)

モチーフは新選組の土方歳三とのことで(FGOの土方さん、ガチャで出なかったなあ…)

 

この曲のギターも狂ったように好き。ただアンプ繋げずにぺちぺち弾いたら、まあダサい(笑)

これは阿保みたいに効果を重ねて…

いやそんなことより

 

「死んだように生きていくなら花火のようにここで燃え尽きてもいい」

この叫びよ!

いやー、このバンドの生きざまを見事に表してるよね(いえまだ燃え続けてほしいのですが)

 

このアルバムの死生観が濃縮されたナンバーなので、多くの人に聴いてほしいです。

 

 

『家』★★★☆☆

いやタイトルw

homeとかでいいやん!ミスチルのアルバム探している人が検索してる時にひっかかるかもしれんやん!

 

というか顔のアップとかww某ファンキーな猿かよw

 

と突っ込んでるけど

 

彼らの「和」な部分が、ポジなところが余すところなく表現されている温もりを感じたアルバムです。

 

シチューを出汁に、家族愛マシマシのスローバラード「うちにかえろう」がその真骨頂。

(ハウス食品さんに売り込むべきだったね、アルバム名だけに)

 

「シンフォニア」は生命力が溢れ

「スターマイン」のごった煮お祭り感と、センチメンタルなシーンが入り乱れる様は痛快である。

一方で「懺悔室」や「神様なんていない」でロックをかき鳴らしてるし。

「玄関」を(で)閉めて、また明日をなんとか生きていくというのもコンセプトとしてマッチしてる。

 

じゃあなんで星3なのか

(ここほんと個人的な感想なのでご了承を)

 

それは「誰か教えて」の存在(あと強いて言うなら「金色のナイフ」)に違和感を感じたため。

 

曲は堪らなく好きなのよ 

実体験なのかニュース等を見てなのか知らんが

強烈なリリック「ただこの世界を呪わずに済む方法を誰か教えて」と咽ぶ様や

そこをロックサウンドに落とし込んでいるこの曲

 

少しこのアルバムで異物なように感じてしまいました。

この『家』では温かみを中心にしてほしかったかな。なんて。

(vivoやメメント、次作のアリアルの世界観ならピッタリむしろリード曲といっても過言ではないかと)

 

 

『アリアル』★★★☆☆

情報初出の時は自分は「a real」だと思っていたけれど「在り 在る」だそう。

サビが綺麗な(少しダンサブルな)「月明かりに踊る君をただ見ていた」

the ランク節!な「ユキシズク」

桜の生命力を歌う「葉桜ファイター」

 

んでロック大好き人間なら

「存在?」「空白」「木曜日」の連発は嬉しいはず。

「うぇいうぇいうぇい」の言葉遊びも良いけど、それをぶち壊す

「はい はい

はーい!」

 

面白すぎw

 

ただ…今までの曲よりほんの少し味付けが薄い、という感想。いえね、飛び道具と化したギターやデュルンデュrンなベース

ビシビシくるドラムや、熱い声は変わらないんですが。なんて言えばいいのだろう、誰か教えて。

(だから前作の誰か教えてをここに入れたらアクセントとして良かったのでは…いえ、ただのひとりごと)

 

 

『plusequal』★★★★★

 

2019年の最新作。これ、ランクヘッドの集大成ではなかろうか?今後どうないするん?

と逆に心配になった傑作。(前作との違いを問われても、なんとなくとしか…苦笑)

 

リード曲「朱夏」で和ロックを見せつけ。我好ハチロク。からのドストレートな8ビート。掴みはばっちり

 

「アウトマイヘッド」はコピーしてみたい、各楽器絶対おもしろい。「つまらないなら面白くして笑おうぜ」良い歌詞

しかも、きっとファンの多くは言ってる

「ナンバーガールを耳に刺して」にぐっとくる、と。

 

そうナンバーガールといえば、がっつりオマージュしてる「SHIBUYA FOOT」(曲名もらしいw)

 

方や「ヒナタ」や「光のある方へ」などで温もりを感じるし、方や「極光」の虚しさや「いつかの」の冷たさも

 

忘れていけないのが「心音」の存在。

ご本人のブログを見た方が速いのだが。

ロックバンド「つばき」のギターボーカルの死をきっかけに生まれた歌。

 

まだ三十路のひよっこ(でありたい)ではあるが、経験したくない死をいくつか見てきた。

それは優しかった曾祖母や祖父だったり

事故で急にいなくなった友人の仲の良かった親族だったり

 

フジファブリックの志村さんやヒトリエのwowakaさん、ミッシェルのアベフトシさん、ブッチャーズの吉村さん

今回のつばきの一色さんなどなど…がいなくなったことも、遠い人間であっても影を落としていくもんで。

 

そういった逃れられないし、耐えられない痛みを

彼ららしい骨太な日本語ロックに乗せて絶唱してくれた。力作だ。

 

そこから「はじまれ」で陽性に昇華させ、「小さな反逆」で確固たる自信をもって結実させる。

そう、代名詞である生死、生き様、もがき苦しんでも…を

見事に表現しているのが今作である。

 

このアルバムを聴かずして日本語ロックを語るなかれである。

 

 

 

 

とまあ書きなぐったわけでありますが、どのアルバムにも

「(゚∀゚)キタコレ!!」てなるイカした曲がある、非常に素晴らしいバンドです。

素晴らしいというか、泥臭いというのか、人間くさいというのか…

 

ほんとなんで売れなかったのだろうね、うしおととらのタイアップになった時に跳ねると思ったのになぁ、

(利権関係かなんかでアルバムに入れられなかったのがまずかったのかね。)

 

あとホントにベースラインが凶暴すぎて必聴です。リードベースです。和製のTHE WHO ミーツ ハードロック かも。

 

前を向きたい時、おススメです。